<カタールW杯雑感+ 2022/12/1-3>
ファンビレッジで会った日本の方が、チケットを買いに行ってみるというので、チケットセンターまでついて行った。地下鉄レッド線のDECC駅を出たところ。8時過ぎに着くと、すでに500人以上の列ができていた。オープンは、9時30分か、10時か。ユニ姿はちらほらだったので、地元の人が多いようだ。センターの前の広場に、係員もいず、整然と並んでいる。日差しがきつくなるが、みな我慢強く待っている。ぼくはというと、公式サイトで入手できないのだから、ここでも無理だろうと思いながら、この並びの行方に興味があったので、つきあうことにした。結局、10時ごろになって「本日、販売するチケットはありません」とアナウンスがあり、並んだことは無駄に終わった。後ろにいた地元の女性は、「今日で3日並んだが、1枚も買えない」と、苦笑いしていた。もう少し親切な情報提供が欲しいところだが、W杯と言えども、あるいはW杯だからか、えてしてこんなもんなのである。
その後、しばらくうろうろしていると、「チケット、欲しいのか?」と、2人から声をかけられた。最初は、この日の「アルゼンチン対ポーランド戦」。アルゼンチンの勝ち抜けがかかる試合で、値段は1000USドル(約14万円)だった。次は、翌日の「ブラジル対カメルーン戦」で、500USドル(約7万円)。両方とも丁重にお断りした。見かけでは、2人も地元民で、臨時ダフ屋のようだった。先に来ている友人の情報でも、街でダフ屋はほとんど見かけないそうだ。2人から声をかけられたぼくは、貴重な体験をしたのかもしれない。
紙チケットだった前回ロシア大会までは、チケットを欲しい人が集まるチケットセンターの周辺は、ダフ屋のたまり場でもあった。しかし、今回はほとんどがデジタルチケットなので、現金とチケットの交換ができない、ダフ屋泣かせの大会なのだ。ダフ屋行為を生業とする「組織的なダフ屋」がいないわけだ。日本でもチケットのデジタル化が進んだために、ダフ屋行為を「しのぎ」としていた組織が、今年の夏に解散したと聞いている。
これまでは、スタジアムを満員にするためには、直前でチケットのやりとりができる「ダフ屋」が必要だと思っていた。しかし、デジタル活用によって、効率よい、健全なチケット運用ができるのなら、それに越したことはない。
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