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がんばれ!若い芸術家たち―亀井純子文化基金15年

2007-07-28 23:45:50 | 文化芸術一般
 神戸で市民の中から生まれたユニークな芸術家応援システム「亀井純子文化基金」が創立から15年目を迎えました。
 15周年を祝う記念パーティーが8月3日午後6時半から神戸・元町商店街の神戸凮月堂本店・地下ホールで開かれます。

 この基金は、厳しい条件にもへこたれないで自分の道を切り開いている若いアーティストたちを市民の力で支援しようと1992年に設立されました。大震災の3年前のことでした。
 芸術を志している人ならだれでも申し込めるオープンなシステムで、委員会が活動の内容を審査して、一人(もしくは一団体)当たり20万円から10万円が完全に無償で贈られます。この15年間は、年に5件ないし6件が対象になってきました。

 さかのぼれば若くして亡くなったひとりの女性の熱い思いが、この運動の大きな礎(いしずえ)になりました。
 その女性とは、オランダの神戸領事館のスタッフだった亀井純子さんです。
 純子さんは芸術に深い愛情を持っていて、オランダの美術家を日本に紹介するなど文化交流にも情熱を傾けていましたが、ゆくゆくはもっと幅広く芸術の発展に力を尽くしたいという夢をはぐくんでいたのです。
 コツコツと資金も蓄え、“芸術通帳”はいつしか1000万円にもなりました。
 けれど、まだ40歳だというのに夢半ばで病魔に命を奪われることになったのです。

 遺志を継いだのは夫の健さんでした。
 妻の思いをなんとか生かしたいと考えた健さんは、芸術に造詣(ぞうけい)の深い画廊主・島田誠さん(ギャラリー島田社長)に相談を持ちかけて、島田さんや文化プロデューサーの中島淳さんらの奔走で、純子さんの夢はやがて正式な「基金」として形に現れることになりました。
 純子さんの夢に動かされた男たちが、バトンをつないだというわけです。
 基金の創設に当たっては、趣旨に共感したたくさんの市民が協力を申し出て、ほかの都市では例のなかった芸術の「市民メセナ」がスタートすることになったのでした。
 美術に、音楽に、あるいは舞踊に、そして思いがけない方向としては芸術批評に、基金の活動は文化のいろんな分野を刺激して、その波及効果はますます拡大しています。

 妻の夢を実現した健さんもすでに亡くなってしまいましたが、記念のパーティーではその純子さん・健さんを偲びながら、芸術神戸の来し方行く末を語り合います。楽しい“芸術的演出”もはさんで交流を深め、これを機会にまたいちだんと大きな夢に進みます。会食はビュッフェスタイルで、会費5000円。事務局は090.1914.4907(中島淳さん)

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