醜い泥仕合いの始まり―小沢秘書の逮捕

　民主党のトップ、小沢一郎さんの秘書が逮捕されました。
　ゼネコンの西松建設がヤバい献金（2100万円）をしていたらしくて、東京地検特捜部が動いたのです。
　
　むろんこういう大きな問題で検察が動くときには、これまでの常識から見て、裏で政権の中枢と連絡をとっているでしょうから、麻生さんがゴーサインを出しての逮捕のはずです。
　政治の表舞台で押されっぱなしの麻生さんが、なりふりかまわず裏手から反撃に出たという構図が読めます。

　小沢さんも大事なときにワキの甘さを見せてしまったわけで、民主党も当然これまでの勢いをそがれることになりますが、これで自民党と民主党の戦いは本来の政策論戦からはずれて、場外乱闘のような泥仕合いに変わっていくでしょう。

　醜いことです。
　小沢さんもこれで政治生命が尽きるかもしれませんが、麻生さんも土壇場で汚い手を使ったということで、さらに国民の信望をなくすでしょう。
　
　政治家に美学が欲しいですねえ。
　美学者が政治家になりますとヒトラーみたいなのが出ないともかぎりませんが（青年時代のヒトラーは画家志望でした）、そうではなく、政治には人類の幸福を追求するという独自の美学があるはずです。

　政治屋の時代は早く終わりにしたいものです。