====I Love The Blues, She Heard My Cry ====
ドイツのレーベルMPSを経てEpicに移籍前の重要アルバムがCD復刻された。先日渋谷Tower Recordに行ったら見つけた。
なんと国内発売である。Epic以前だと輸入物でGeorgeがすべて一人でやっている『The Dream』(MPS)がCDで出ていた。何とこのアルバムでGeorgeがDrumsにまで挑戦している。もちろんちっとも上手くない事が何とも安心させてくれる。
さて、この『I Love The Blues』(1975/MPS-P.A.USA)であるが、参加ミュージシャンがなかなか凄いのだ。Drumsはこの時代不動のNdugu、この後レギュラーのBassになるByron Millerが初めて参加している。
まず注目なのはアルバムタイトルでB面最後の"I Love The Blues"でJohnnie" Guitar" Watson(guitar&vo.)が参加している。
A面1曲目の" Chariot "ではGeorge流のGroovyなFUNKでYamahaのCP-80らしきPianoの刻み、Wahペダルを使用したClavinetが素晴らしいセンスでプレイされている。さらにMini Moogの使い方はFUNKそのものである。そして若きLee Ritenour(guitar)のカッティングがかなりFunkyである。
2曲目 "Look Into Her Eyes" は第一期Return To Forever解散後のFlora Prim(vo.)とAirto(perc.)が参加したLatin FUNK。途中6/8拍子になるところでこの後Brothers Johnsonで大ブレークするGeorge Johnson(guitar)のソロが聞ける。
3曲目"Sister Serene"はHerbie Hancockの "Butterfly" あたりを彷彿させるGeorge、Ndugu、Byronのトリオで演奏されるミディアムスローなインスト曲。
4曲目はインスト曲ではハイライトになる"That's What She Said"である。セッションマンでRockバンドの『Genesis』のツアー等にも参加したDryl Steumer(guitar)、Emil Richards(Marimba)、John Wttenberg(Violin)にAirtoが参加している。Zappaに影響されたと思われるスリリングなテーマと演奏である。
A面最後の6曲目は珍しいLee RitenourのハードロックGuitarが聞ける。Jimi Hendrixの影響である事は間違いないが、新しいファンにはまるでLenny Kravitzのようだと思う方も多いのではないかな?GeorgeのVocalもなかなか良いぞ!
B面に移ると1曲目はミディアムFUNKの"Prepare Yourself"。George Johnsonが参加。改めて聞いてみるとByronのbassってPaul Jacksonに似ているなあ。何でもいいけどやっぱGeorgeのMini Moogのプレイは最高だ!
2曲目”Giant Child Within Us”はPianoとMarimba、Violinの導入部から始まる、これまたZappaの影響を感じさせるインスト曲だ。ZappaのバンドメンバーであるTom Fowler (bass) やRuth Underwood (marimba)、Bruce Fowler(trombone)が参加していて、NduguのDrs.ソロをフューチャーしている6/8拍子のA-3と並ぶかなりスリリングな演奏だ。
3曲目は後のヒットアルバム『Dream On』でも再演された"Someday"である。
私の持っているLPはUS盤でMPSとは全く書いていないでPAUSAレーベルになっている。ジャケの綿畑がこのアルバムのコンセプト?ラストナンバーは間違いなくそうであろうが...
このアルバムはMPS時代最高の内容ですよ、FUNK-Fusionファン必聴です!
さらにMPS盤が復刻されるように、そしてGeorge Dukeがたくさんの人に聞かれるようになったらいいなあ。