そらち旅日記 Vol.2

北海道空知総合振興局の職員が集めた旬の情報を、そらちの風に乗せてお届けします。

「なんこ」ってなーに? ~ 道の駅「うたしないチロルの湯」

2012年08月23日 | 空知の食
道道114号線沿いにある歌志内の道の駅「うたしないチロルの湯」は、
裏手にある、名前のとおりスイスのロッジ風な温泉と、
手作りのおいしいお漬け物が豊富なことでも有名です。






もう一つ、かつて炭鉱で栄えてきた歌志内には名物があります。
それは「なんこ」。「なんこ」とは馬の腸(ホルモン)のこと、
栄養が豊富で滋養強壮の効果があるとされて、
昔から炭鉱労働者たちに愛食されてきました。
その「なんこ」を味噌味でコトコト煮込んだ「なんこ鍋」は、
今でも市内の各家庭で作り続けられています。




道の駅の軽食レストランでは、この「なんこ」メニューを食べることができます。
「なんこ鍋」がメインの「なんこ定食」(1,000円)の他にも、
「なんこラーメン」(1,000円)、「なんこ丼」(800円)、
「なんこカレー」(800円)と、バリエーションも豊富。

こちらが「なんこ定食」。熱々の「なんこ鍋」に超大盛りのご飯、
味噌汁、小鉢(切干大根、高野豆腐、干し椎茸の煮物)と
漬物処チロルのお漬物盛合せが付いて、ボリュームいっぱい。
では一味をたっぷり振って、いただきま~す!




今はだいぶ収まっていますが、火から下ろしたばかりの
「なんこ鍋」は地獄谷のようにグツグツ煮え立っていました。
「なんこ」の他にはタマネギとトッピングの青ネギのみのシンプルな具ですが、
それぞれの家によってはゴボウやコンニャクなど、
好みの具を入れた家庭の味があるのだそうです。




5センチ角ほどの大振りのホルモンが10数個。
厚みがあってしっかりと食べ応えがありますが、
ネギやショウガとともに8時間以上も煮込んでいるので、
とっても柔らか、臭みもまったくありません。
コクのある味噌味のスープで、脂はほとんど無くてコラーゲンがたっぷりな感じ。
ヒラヒラのホルモンも良いけれど、これもすごくおいしいですよ。
アップで見てみると、とても肉厚(5ミリ弱くらい)なのがおわかりですね。




もうお鍋だけで結構おなかがいっぱいになって、ご飯を余してしまいそう。
そんな方のためには、お持ち帰り用の冷凍「なんこ」(600円)も。
出来上がった「なんこ鍋」をそのまま冷凍してあるので、
温めるだけで古里の味が手軽に楽しめます。
その際に新しくタマネギを加えると、もともと鍋に入っているタマネギのトロトロと
シャキシャキタマネギの両方が味わえておいしいのだとか。地方発送もしているそうですよ。




ところで、ここでは砂川の岩瀬牧場のジェラートも販売しています。




8種類ありましたが、このうちの好みのジェラートを選んで
「くまちゃんもなか」(300円)にしてもらうこともできます。
もなかの皮の上に丸くジェラートを盛って、塩味のクラッカーで鼻と口、
クッキーで耳、チョコレートチップの目を付けて出来上がりです。
チョコレート味のジェラートなら黒クマ、ブルーベリーならヒグマかな。
迷いましたが、結局「しぼりたて」ミルクのジェラートでシロクマに。かわい~~。
ジェラートが何だかフワフワの毛皮に見えてくるから、アラ不思議。




「食べるのがもったいない、かわいそー」などと言いながら、気がついたらこの状態。
でも、この「くまちゃんもなか」もけっこうボリュームがありますね。




熱々の鍋と冷たいジェラートでお腹も満足したところで、
テーブルの上のメニューに載っていた「なんこ」の由来についての「うんちく」を一つ。
『馬食習慣は秋田県の鉱山労働者たちが、明治期に道内の産炭地に技術と共に
 持ち込んだと言われています。
 秋田の鉱山では江戸期から、ビタミンB2欠乏症予防策として馬肉を食べていたが、
 共に働く馬を食べることに抵抗があった。
 そこで食べる時には「馬」という呼び名を使わずに、午(うま)の刻に太陽が南に
 来ることから南向(なんこう)と呼んだ。それが縮まり「なんこ」に。
 肉ではなく腸を食べる習慣が残ったのは、価格がより安かったからではないかと
 言われています。』
なるほど~~

馬と共に歩んできた炭鉱の歴史を彷彿とさせる「なんこ鍋」、
懐かしい郷土の味を是非試してみてくださいね。


道の駅「うたしないチロルの湯」
歌志内市字中村72番地1
TEL 0125-42-5566
レストラン営業時刻:11:00~16:30(4~12月)
11:00~14:00(1~3月)
年末年始(12/31~1/3)休
http://www.hokkaido-michinoeki.jp/data/56/each.htm


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