songbookの自己回顧録

「教えて!goo」で見つめてきた自分自身と、そこで伝えられなかったことを中心につづってきましたが、最近は自由なブログです

秋元氏の考えとは?その5、またまたちょっと脱線

2011-07-10 12:14:43 | 音楽
<思い出したよ、レコード大賞>
 AKB商法は、全くえげつないものですが、それをはるかに上回るえげつなさは、レコード大賞でしょう。
 もう、まともに見なくなって何十年たつやら。
 
 かつて、レコード大賞の利権、接待、不正などが問題になった時期がありました。1970年代後半です。私はちょうどそのころテレビばかり見ていた世代ですので、よく覚えています。76年の「北の宿から」間違いなく名曲ですが、他にもいろんなヒット曲のあった年。自宅で母が「今年は北の宿からが大賞になるよ」と言っていたのを聞いて、「なぜそんなことが分かるの?」と疑問に思ったのが私にとっての疑念のきっかけでした。
 次の年「勝手にしやがれ」沢田研二さん。これは妥当だと思いました。そして次の年、78年のピンクレディー「UFO」。ここでみんなが疑問を持ったようです。
実はUFOは77年の12月に出た曲。確かにレコード大賞の規定は、前年の11月以降に発売された曲だから対象になるのですが、当時の世間からのピンクレディーに対する評判は、既に下り坂に差し掛かっており、「UFO」は売り上げこそ断トツだったものの、一般的な評価は、お子様ソング。更に、過去の曲、という印象もありました。
 この年も山口百恵さんや沢田研二さんなどの秀曲がひしめいており、「UFO」が大賞をとると考える人は少なかったようです。まあ、「UFO」がつまらない曲とは言いませんが、それ以前の曲に比べれば、明らかにターゲットがお子様に向かっており(自分がお子様だったので、余計に不満だったのかな)、これ以後一気に曲がつまらなくなってくるのです。

 今から考えれば、この時にピンクレディーが大賞をとっていなかったら、ピンクレディーは無冠の女王、というレッテルを張られていたかもしれません。それほどこの時期のピンクレディーは、失速の真っただ中にいて、その中でのレコード大賞。世間が運営側への強い疑念をぶつけ始めました。レコード会社、芸能プロダクションとの癒着や圧力、協定などによって、こういう賞は決められているのではないか。庶民の意識とは違うところで決められているのではないか、と。当然審査委員会やTBSにも疑念の声がふりそそぎ、ちょっとした騒ぎになっていた記憶があります。

 私の尊敬する、当時の東京芸術大学教授小泉文夫さんが急きょ審査委員会に任命されたのは、そんな流れの中でした。1979年のことです。
 この年、受賞した曲はジュディ・オングの「魅せられて」。この曲はロングヒット。今聴いても音楽的に非常に優れた曲です。ヒットとしては地味でした。西城秀樹さんの「ヤングマン」の年です。ただしこの曲は外国曲ということで、もともと受賞対象曲ではありませんでしたが。ゴダイゴの「銀河鉄道999」など、実力派の音楽が見られた年でした。

 小泉さんはこの年の審査員体験を振り返り、「世間で言われるような癒着とか不正というのは見られませんでしたね。妥当な結果だったと思います。楽しい体験でした。」と語っておられます。しかし、私に言わせてもらえれば、世間に叩かれて、この年に限って、裏工作をしなかったものと思うのです。「魅せられて」は、どちらかと言えば通、玄人、クラシック畑好みの曲。小泉さんはご満悦だったかと思いますが、世間は前年以上の混乱に陥りました。「なぜ、あの曲なの?」と。それはおそらく、各レコード会社、プロダクションも同じだったのではないかと思います。

 小泉さんの任期は79年限りで、次の1980年の大賞は、八代亜紀さんの「雨の慕情」でした。「八代亜紀さんなら、前の年の舟歌がもらうべきだろ、常識的に考えて。」が世間の意見だったのではないかと思うのです。まあ、つまり、小泉さんが去ったこの年から、レコード大賞は、元の体制に戻ったということなのでしょう。

 それ以後、アイドルの時代になり、レコード大賞は長い長い迷走を続け、現在に至ります。
 秋元さんが関係したおニャン子関係はフジテレビだったため、当然無視されました。
 ここ10年以上は、受賞拒否する「アーティスト」続出とか、avexのごり押し、ジャニーズのごり押しなど言われて久しく、それはそれは醜いものです。

 ここに、秋元さんはメスを入れるのか?

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