songbookの自己回顧録

「教えて!goo」で見つめてきた自分自身と、そこで伝えられなかったことを中心につづってきましたが、最近は自由なブログです

遅ればせながら、谷さんへの追悼

2010-09-23 21:17:48 | 音楽
大相撲では白鵬が勝ち続け、魁傑の放駒親方が理事長となって、ようやく一息という気もします。
ご存知の方も多いと思いますが、魁傑の放駒親方は、それはそれはとんでもない現役時代を過ごした、男の中の男です。彼が理事長ならば、ひとまず安心して任せられるという気がしております。もちろん課題満載ではありますが。

で、本題。

以前植木さんについても書いたのですが、今度は谷啓さん。惜しい方をなくしました。

私は後の世代ですので、彼のことを初めて知ったのは、「欽ちゃんのどこまでやるの?」のレギュラーで出ていたころです。
単なるひょうきんなオジサンだと思っていたのですが、ある時エレクトーン?か何かをこともなげにピロピロと弾き、「何だ?この音楽の堪能な人は?」とショックを受けたのです。
その後、山下達郎さん、大滝詠一さんを聴き始め、必然的にクレイジーキャッツにたどり着き、谷さんの名前に再会したのです。

伝説のトロンボーンの名手。

一度聴いてみたいとは思っていたのですが、すでに音楽の一線から退いてタレント中心に活躍していることは明白だったので、あまり期待はしていませんでした。
しかし、まず「会社物語」で少し聴けた喜び。
その後、谷さんが音楽大学に聴講生として?あのお年で入学されたという話を聞いたことがあります。音楽への情熱が本物であると知らされた出来事でした。

さらに数年後、谷さんはN響の金管アンサンブルとともに、何と自らもトロンボーンとして楽団を組み、全国を回り始めました。4,5年前のことだったと思います。
私の街にも来ました。私は狂喜乱舞しました。
私たちの世代にとって、谷さんのトロンボーンは「幻のトロンボーン」。一生「生」で聴くことはないと思っていましたので、即刻チケットを買って見に行きました。

N響金管の皆さんの素晴らしい、輝かしい音色。そして谷さんの音は予想以上に柔らかく、親しみやすい音色でした。お年でしたのでパワーに任せるような演奏ではなく、意外にもやさしい音色で聴かせてくれたのでした。
ステージでは相変わらずのとぼけた「お遊び」も取り入れ、大満足のひと時だったことを思い出します。
このステージでは、地元の中学生から有志を事前に募り、一緒に金管演奏をするという体験ステージも企画されていました。私の知っている中学生の女の子がトランペットでこのステージに参加しました。その後、この子が金管に目覚めてしまったのか、「高校は音楽学科のある高校へ行く」と言いだしました。ピアノもあまりやったことのない子です。その高校までは、50キロ以上の道のり、しかも不便な乗り継ぎです。

それでもその子は意見を貫き、「トランペット」で受験して、その高校の音楽学科に進学していきました。

谷啓さん。人の人生をも左右する、大変なパフォーマーでした。
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