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songbookの自己回顧録

「教えて!goo」で見つめてきた自分自身と、そこで伝えられなかったことを中心につづってきましたが、最近は自由なブログです

聞こえる幸せ、聞こえぬ不幸 ~突発性低音難聴~2

2014-08-17 23:39:20 | ライフ
【治療への取りかかりのスピードが勝負、しかし!】

お医者様から言われたことの最初は、「今日から点滴をしていきますか?」でした。
この病気は、治療への取りかかりが早いほど、治る確率が上がる、と、ネットにもたくさん情報がありました。

私もそうしたい気持ちはやまやまでした。
しかし、折悪しく、私は次の日から家族旅行、4日間というスケジュールになっていたのです。
「今日だけ点滴で、明日から薬、ではどうですか?」
「それでは点滴の意味がありません。」
「明日から家族連れて旅行なんですけど」
「どうしても、と引き留めるほどのものではないと思います。旅行も不可とは言いません。ただ、疲れをためないこと、頑張らないこと、それをよく心得てください。」

診察後、看護師からもとどめの一言
「疲れないようにすることですよ。」

はい、と返事しながらも、すでに私の心は、絶望的なものになりかけていました。
旅行は、飛行機を使い、着いてからは、レンタカーで、1日300キロ以上を毎日自分が運転するスケジュールで、事前より、「今回の旅行は今まででも一番ハードだろうね」と言っていたメニューだったのです。

ナビを使うものの、知らない土地で場所を探しながら、時間の中で動いていく4日間。

そりゃ無理だ。

言いたくても、家族のことを思うと、あまり声高には言いにくいところがありました。一応「疲れないようにすることが大事なんだって」とは話しましたが、せっかくの旅行、家族に余計な負担はかけたくない思いもありました。

そうだ。この病気は、治癒率が80%以上。通常なら、3,4日で回復するとも聞く。

そう思い、投薬オンリーを選択し、旅行に出ました。


結果としては、あまり良くなかったように思います。

後で知ったのですが、やはりこの病気は、一番の治療法が、
「即刻投薬や点滴、そして安静、できるだけ音やその他の刺激のないところで。ストレスをできる限り排し、おとなしくしていること」
「勝負は最初の3,4日。その後、2週間たっても状況が改善されないようならば、もうそのまま治らない可能性がかなり高くなる」

ということだったようです。
…しかし、治る可能性もあったし、数十万円かけている旅行を、これによってキャンセルというわけにも…と、
できるだけ楽しんだものの、非常に複雑な心境の旅行でした。
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聞こえる幸せ、聞こえぬ不幸 ~突発性低音難聴~1

2014-08-17 23:13:04 | ライフ
この2週間ほど、歌える時間はありました。録音をしたいなと思っていました。

ところが2週間前、突然症状はやってきたのです。「突発性低音難聴」右耳様に。

記憶のあるうちに書き留めておきます。

8月5日夜、右耳側に突然今までにない大きな耳鳴り。
それまでにも耳鳴りはあったし、耳の奥のリンパが痛いということはしょっちゅうでしたが、どれも一過性でしたし、その後の聴覚の異常につながるものはありませんでした。
原因は、あとで言われればいくらでも心当たりはあります。
・規則正しくない生活、栄養の偏り
・ストレスの蓄積
・近い日に使っていたヘッドホンの酷使、大音量
・もともとバンド、音楽に浸かっていた生活

当日は暑い中、仕事をして、やけに仲間に比べて疲労が強いな、とは思っていました。

それでも、やはり唐突感は否めません。妙な耳鳴りを感じながら入浴。その後、時間がたっても抜けない耳鳴り。
「普通ではない」と感じ、試しに両耳に指をあてるなどしてみると、右耳の聞こえが明らかに悪い。

その後は、いろんな症状がまあ飽きもせず、いろいろ出てきました。
初期は、耳の中で「ゴー…」というような雑音がするのですが、言葉でたとえることができない複雑な音色の組み合わせ。
中低音が多かったように思います。私の場合、高音域での耳鳴りはあまりありませんでした。

耳の中に指を入れる。左では血潮や脈打つ音が聞こえるのに、右では無理やり指を突っ込んでも、聞こえるかどうかぐらい。

多かったのは、栓塞感。耳の中に水が入ったような圧力。
枕をして寝る。右耳を下にしている時と、左耳を下にしている時とでは、聞こえる音が違う。


そのうち、耳鳴りの回数は多少減ってきました。
次に気になってきたのが、耳の中での勝手なエコーです。
水の中で聞いているような音が、音が途切れた後にも聞こえて残っているのです。

これはいかん、と、次の日、耳鼻科で診てもらいました。
中低音の聞こえがかなり悪いと言われ、お医者さんは、病名は言われませんでしたが、もらった薬などから考えても、
明らかに「突発性低音難聴」でした。
ちなみにいただいた薬は、メチコバール、ステロイド剤、アデホス(血管を広げてくれるもの?)胃の薬、そして、「本当にこれは生で飲むものなのか?」と、その刺激の強さ、濃厚さ、はっきり言って、まずさに、逆説的な意味で感動してしまった「シロップ」イソバイド

毎回の30ミリリットルを飲み干す儀式は、それまで食べていた食事の美味しさと感動をすべて帳消しにしてくれる、ハードボイルドでソウルフルな私への挑戦状でした。

思わぬ形での闘病生活の始まりでした。
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