何を考え何を想い何するの

神戸の山の暮らしから。
育児のこと、日々の手シゴト、身の廻りの自然のこと。
悩み進む楽しく愛おしい日々。

柘(つげ)の櫛

2007年01月26日 | 綴れ織(1997~2006年 爪搔き本綴れ織師)

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‘綴れ’を織る時に使う 欠かせない道具のひとつ。

柘(つげ)の櫛である。 私達は「筋立て(すいたて)」とよんでいる職人用語なのかな。

細かな模様を織る時は、杼で通したヨコ糸織り込むのに 爪を使うのだが、爪ではあくまで掻き寄せるというだけ。 爪で掻き寄せた部分は櫛でしっかり詰める。

‘綴れ’は 密度の高い厚みのある織物であるから、爪の指の力だけではとうていムリで、 爪掻きで適度にカタチを作りあげたところで 数段分まとめて この櫛で詰めるのである。ぎゅ~っと。

また、 模様を部分ごとに織りあげていくため 常に段差ができているので、 模様のヨコ部分の無地などを織る時など 框(かまち)で打ち込めないときは この櫛を使って無地を詰めることになる。

きっちり詰めないと、無地のところは(框で打ち込めるから)しっかりした厚みがあるのに 模様場のところだけ ぺらぺらっなんてことになってしまう。 常に同じ厚み……まだまだ修業の頃は これもひとつの難関やったなぁ。 

で、 しっかり詰めようと あんまり力を入れすぎて 櫛をはじいてエライとこまで飛ばしてしまったり、櫛の歯を折ってしまったりなんてこともしばしば。櫛が歯抜けになっていたりする。  写真のも もちろん歯折れてるやろ…。 

櫛の反対側のとがった部分は ピンと張られたタテ糸をヨコにザッと掻いて、織り込んだ糸を均等にならしたりするのに使う。 綴れ織りでのタテ糸は かなりキツく張るので はじくと 高めの気持ち良い音がする。

この道具も 模様を織る時はいつも手が触れているので だんだんと手になじんでくる愛着ある道具のひとつである。

そういえば…

柘の櫛で自分の髪をといたことってないなぁ。 また機会がある時に 自分用に購入してみようかしら。 

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織り中

2007年01月18日 | 綴れ織(1997~2006年 爪搔き本綴れ織師)

Orichu070118_1 先日、配色したヤツを織っている途中だ。

父の友人に頼まれていたカード入れ を2案くらい作って、選んでもらおうと思っている。

‘爪’で織るのは、 

ツワリで倒れてからやっていなかったので 2年以上のブランク…かなり久しぶりで、

爪にギザギザを入れる時、緊張と嬉しさが入り混じってワクワクした。 いざ織り出そうと織り前(織り機にかかっているタテ糸の織る場所のコト)に座ると あぁアレがないコレがないと席を立って 道具を置いている棚まで取りに行くこと数回。 久しぶりな上に 気持ちが先行しちゃって イロイロこまかな道具を準備するのを忘れていた。

で、ちゃんと織れるかちょっと不安もあったけれど、やはり身体が覚えているとはこういうことかと 意外にすんなり織れた。 まぁ 完璧じゃぁないけれど モンダイなし。爪掻きをしていると様々な感覚が蘇ってきて 嬉しい楽しい。 

24歳で織りの修業を始めてから、 当時は毎日寝ても覚めても 織りのことばかり考えていて 20代中後半の良い時期をすっかり織りに費やしてしまった感があって、 多少 後悔が無きにしもあらず…なところもあったのだが まぁちゃんと身体に織りが染み付いていることを実感すると、ちょっとは安心したりして(^^)。

活かしていかなくちゃ。どうかなぁ~。


織る準備

2007年01月12日 | 綴れ織(1997~2006年 爪搔き本綴れ織師)

Haisyoku_1 最近 ものづくり が 出来てなくて…

やっぱり 手と脳を働かせておく日常やないと 何となくストレスがたまってくる…今も。 まぁ要するに しっかりと自分の時間がしいってことなんやろけどなぁ~。

ブログ書くのも短時間の勝負!娘は昼寝の2時間の間も必ず一回は目を覚まして私を呼ぶのだ~夜も似たような感じで、添い寝から離れられへん…可愛いねんけどなぁ……。

まぁそんな愚痴はおいといて、

ちょっと簡単なモノを織ろうと思って、糸を広げて配色(本ちゃん織り機の絹糸の方ね)。もちろんこれも短時間の勝負~。

配色(色選び)が終わったら 次は 糸を巻いたり 糸を割ったり撚りなおしたり して、 ある程度の織る準備が出来た。

“織り”って…  今さらやけど 準備に時間がかかるんよね…。これにタテ糸の準備もあるわけやし 手間がかかるなぁと改めてしみじみ感じてしまった。

織りたいものは たくさんイメージが湧いてくるのやけど、

そうやって準備して、織り出して…ってまでに すごく労力を要するので これぞ!!というものしか織りにかかれないわけで… 

やはり時間がまとめて取れないとなかなか作業が進まないことを 改めて実感している。私の織りライフの復活は やはりまだまだ先が遠そう…。


思い描こう

2007年01月04日 | 日々のこと

今年は どんな年になるだろう。 いや どんな年にしよう、カナ(^^)。

また あっという間に一年が過ぎてしまうのやろうけれど、 出来る限りは 大事に毎日を過ごしていかなくちゃ。

目標やら予定やらたてても ちゃんと実行出来るタイプでないので (やはり社会人になってから仕事に関わるコトは ちゃんとやるようになったが)、

「人生設計」なんて大層なことは考えられへんのやけれど、 以前、「OLから職人への転職について」を人前で話す機会があって、その当時にいろいろ考え得たコトがある。(その時ワークショップでもやってみた。)

それは、 とりあえずでも 先の自分を思い描いてみることが大事ってこと。 三年先、五年先、十年先、どのくらい先でも良いんやけれど、その時 どんな自分でありたいか。

例えば 三年先、 どんなトコロにいる?住んでる? 誰といる? 何してる?どんな仕事してる? などと出来るだけ具体的に考えてみる。頭でを描くのだ。 もちろん実際に絵にしてみるとなお良い。

実現するかどうかが大事なんじゃぁなく、そう意識して生活することに意味がある。気持ちは変化していくものやから、その都度 思い描き直せば良い。

私の20代は 悩んでばかり。 焦ってばかり。 どうやったら自分に自信が持てるようになる? 楽しい仕事ができる? 自分の居場所を見つけられる?……   歩いているうちに自分で見つけるしかない。 ちゃんと歩いていれば それに合わせていろんな良い出会いがあるもんだ。 

なんてことないコトなんやけど、どんな道を歩いたらいいか悩んだ時や 道を探るのには意外に効果がある。

さて、

30代になってからは ちょっと肩の力が抜けて ゆったり周りが見られるようになったけれど、 自分が一番心地良い道 を探る作業は もちろん継続中。

改めて 私も ゆっくり考え描いてみようと思う(^-^)!。やはり…っ…まずは 第二子かナ~。