著者 奥田 英朗
精神科医・
低視聴率にあえぐワイドショーのスタッフの圭介は、
母校のつてで美人精神科医をコメンテーターとしてスカウトしようとするが、
行き違いから伊良部
と看護師のマユミが出演することに。案の定、ふたりは放送事故寸前のコメントを連発する。
(表題作『コメンテーター』)
>「実家に帰省したときは普通に人と会えるんです。
でも東京にいると、人と接するのが怖くて……」
「あ、そう。別に珍しいことじゃないよ。内弁慶の理屈だから。
不登校児童だって家では王様のように振舞うケースがままあって、
そうすると親は自分の子供が外の世界を怖がっている事実が信じられないわけ」
「いや、ぼくは内弁慶というわけでは……。むしろ人前に出るのが好きな子供だったし……」
「だから、北野さんの場合、内が故郷で外が東京に当たるわけ」
(第5話『パレード』より)
破天荒な精神科医ですが、なぜか患者さんは快方に向かいます。
コミカルでスラスラ読めました〜