著者 窪 美澄
東京の片隅、小さな二階建ての一軒家。庭に季節のハーブが植えられているここは、
精神科医の夫・旬とカウンセラーの妻・さおりが営む「椎木(しいのき)メンタルクリニック」。
キラキラした同級生に馴染めず学校に行けなくなってしまった女子大生、
忘れっぽくて約束や締め切りを守れず苦しむサラリーマン、
いつも重たい恋愛しかできない女性会社員、
不妊治療を経て授かった娘をかわいいと思えない母親……。
夫妻はさまざまな悩みを持つ患者にそっと寄り添い、支えていく。
だが、夫妻にも ある悲しい過去があって……。
>人が心を病んでしまうことは珍しい話ではない。
それはいつでも、誰にでも、起こりうることなのだ。