著者 宮本 輝
よき時、それはかつての栄光ではなく、光あふれる未来のこと。
いつか、愛する者たちを招いて晩餐会を……九十歳の記念に祖母が計画した、
一流のフレンチシェフと一流の食材が織りなす、豪華絢爛な晩餐会。
子どもたち、孫たちはそれぞれの思いを胸にその日を迎える。
徳子おばあちゃんは、なぜ出征が決まった青年と結婚したのか?
夫の戦死後、なぜ数年間も婚家にとどまったのか?
そしてなぜ、九十歳の記念に晩餐会を開くことにしたのか?
孫の綾乃は祖母の生涯を辿り、秘められた苦難と情熱を知る……。
孫の綾乃が住んでいるのは、北方中国の伝統的家屋建築の「四合院」造りで、
大家さんが3棟を貸している1棟に、海外に転勤した叔母夫婦の代わりに住んでいます。
場所は東京の東小金井で、「四合院」造りの建物は大家さんの父親が建てました。
小説の舞台は綾乃の故郷の関西と東京などで、最後は、大家さんが仲違いした息子と
広島県福山市の「鞆の浦」で26年ぶりに会うシーンで終わります。
小説を読んでいると、物語に出てくる場所に行きたくなってしまいます😀