高木佐保(慶応大学出版部)
「動物心理学から読み解く心の進化 」が副題。という訳でこれは研究者の論文をノンフィクション風の本にしたような感じですね。
なんせ、しっかり引用文献や索引などがついています。
内容紹介は(出版社より引用)
『
▼世界のネコ好きが大注目のネコ研究最前線。 伴侶動物として不動の人気を誇る、ネコ。 ミステリアスで何を考えているのか分からないのが魅力であるが、その心を覗くことができれば、もっと好きになるかもしれない。 しかし、残念ながら他の動物と比較してネコの認知研究は進んでおらず、その思考能力は過小評価されている。 「好きだからこそ、もっとネコのことが知りたい」という思いから、気鋭のネコ心理学者はこの状況を打破すべく、ネコの特性に適した独自の研究方法(聴覚能力を生かす方法)を考案し、謎に満ちたその心を解明しようとする。 ネコは物理法則上、「ありえない事態」に対し、どんな反応を見せるのか。飼い主や他の同居ネコをどう認識しているのか。高度な認知能力が必要とされる、「たまたま覚えた記憶から推論すること」はできるのか。 これらの課題に対し、生育環境の違いが認知能力に与える影響を考慮して、「家庭」と「ネコカフェ」で飼われている500匹近くのネコに協力してもらい検証する。 自由で、愛くるしいハンターは、ヒトとの共生生活でどのように思考能力を進化させたのか。この本を読めば、わたしたちが思っている以上にネコは柔軟に考えていると分かってもらえるだろう。“つれない親友”というイメージも大いに変容していくかもしれない。 「ネコが何がわかって、何がわからないのかを私たちが理解することは、 適切な飼育方法にもつながり、ネコとヒトの関係がもっとよくなることが予想されるのです。」(著者) 「この本を読んで、ますますネコが好きになりました。」(編集者) 『マネー現代』 2022年10月24日で、本書が紹介されました。紹介者は飯田一史氏(ライター)です。本文はこちら 【目次】 はじめに 第1章 動物はどのように考えるのか 1 考えるのに言葉はいらない 2 動物の思考研究 3つの推論能力 3 多様な種を比較する〝ものさし〟 第2章 ネコはどこまで物理法則を理解しているのか 1 動物はどのように〝物理的に考える〟のか 2 ネコは本当に物理的な推論が苦手なのか 実験1 音からモノの存在を推論できるのか 実験2 動きと一致する音からモノの存在を推論できるのか 実験3 物理的に〝ありえない結果〟にどんな反応をするか 3 〝物理〟から〝社会性〟へ 4 〝誰が〟〝どこに〟いるのかを推論できるか ──ネコは見えないあなたを捉えている 実験4 飼い主の声から位置を推論できるか 実験5 物理的な音を再生するとどうなるか 5 結局、ネコはどこまで推理できるのか 第3章 ネコは〝声〟から‶顔〟を思い浮かべるのか 1 ヒトと動物のクロスモーダルな推論能力 2 ネコは〝声〟からあなたの〝顔〟を思い浮かべるのか 実験1 ネコは飼い主の声から顔を予測するのか 3 ネコは同居ネコの名前を分かっているのか ──ネコの言葉の理解を試す初の研究 実験2 ネコは同居ネコの名前と顔が分かるのか 4 ネコの自由な思考の可能性 第4章 ネコは〝どこに〟‶何が〟を思い出せるのか 1 動物はどのように記憶するのか 2 動物の〝記憶〟を探る方法 3 ネコはたまたま覚えた記憶を思い出せるのか 実験1 エサはどこに行った? 実験2 あのエサはどこに行った? 4 ネコは〝偶発的記憶〟を持っている 終章 ネコの思考能力はどのように進化したのか 1 ネコ研究の最前線 2 ネコの思考能力はなぜ進化したのか 3 これからの動物の思考研究 あとがき 初出一覧 参考文献 注・巻末図版 著者 髙木 佐保(たかぎ さほ)ネコ心理学者。日本学術振興会特別研究員(RPD)、麻布大学特別研究員。 1991年生。2013年同志社大学心理学部卒業。2018年京都大学大学院文学研究科行動文化学専攻心理学専修博士課程修了。博士(文学)。本書の一部を成す業績により2017年度京都大学総長賞を受賞。著書に『知りたい! ネコごころ』(岩波書店)『猫がゴロゴロよろこぶCDブック』(サンマーク出版)がある。 』 ・・・ネコ好きの関心を呼ぶタイトル。 ・・・実験など詳細な手順や解説、分析があるけど、ちょっとピンと来ない。ネコ好きはただただかわいがっているだけでも満足なのですが・・・😗 |