休日の朝、夫が仕事にはいてゆくパンツを履いている。
「なにしてんの?」
と聞くと、シュートメが、パンツの裾の長さを直してくれるという。
それは最近買ったもので、長身の夫でも裾があまるほど長い。
2mの人にも長いパンツって、いったい誰用なのか・・
普段はウェストを折って履いていた。
その話をしたら、
「なんかそういうの、嫌な感じがしたりしない?」
と言ったのは、ジュディスだ。
言いたいことはわかる。
妻をさしおいてシュートメが余計なことすんじゃないよ、ということだろう。
ジュディスの旦那さんは韓国人で、
韓国も日本のように嫁は嫁、というお国柄。
シュートメさんと一緒に暮らすことはなかったけれど、
いろいろと嫌な思いをしたのだという。
「イギリスと韓国じゃ、比べたって仕方ないんだけどさ」
ところがどっこい。
私はなぜか、ぜーんぜんそういう感じにならないのだ。
むしろ、「ラッキー!」だと思う。
断っておくが、私だって1度は夫に聞いてみた。
「その裾、短くしたほうがいいんでない?」
すると夫は、ウェストを折るからいい、と言った。
だから、「あ、そー」と、そのままにしてあった。
気が強くて、コントロールしたがりのシュートメには、
あれやこれやと嫌な思いをしてきたのは確か。
でも、腹の黒い人ではないし、
向こうだって勝手の違うヨメに嫌な思いをしてきたことだろう。
今だって時々、あのときはアッタマ来たなァーー!!と思い出すことはある。
実家の母も、
「あのとき、おばあちゃんにああ言われた」
というようなことを言うことがある。
50年あまりも昔の話だ。
嫌なことは忘れられないけれど、
怒りを持ち続けるのがしんどい。
目の前のことを、自分の都合のいいように解釈しておいたほうが
ずっとずっと気分がいい。
日常の、どうでもいいことは、そうやってみる癖がついてきた。
いつもいつも、というわけにもいかないけれども。
とにかく、めんどくさいことは人にやってもらってラッキー。
シュートメだって、1番可愛い末っ子の息子の世話ができるのは幸せに違いないし、
毎日暇を持て余しているのだから。
「今週、なにか食べたいものはある?」
とシュートメが聞くと、
あれだ、これだと当然のようにリクエストして平気な私は
なんとお気楽なヨメであることだろう。
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