太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

麦茶

2018-10-12 18:31:41 | 日記
子供の頃、夏に外から帰ってきて、あるいはお風呂上りに飲む、

冷えた麦茶のこうばしく、美味しかったこと。

麦茶といえば夏、スイカと麦茶、花火と麦茶、いつだって夏の思い出には麦茶があった。

母がやかんで煮出した麦茶を容器にいれ、氷の入った洗い桶に浸けて荒熱をとる。

たまに作りすぎて容器に入りきらず、筒型のタッパウェアや、コップにいれたものが

冷蔵庫に入っていることがある。

それが問題の元。

家族の誰もが、麦茶だと思って そうめんのツユ を飲んだ経験がある。

余った麦茶を、いつも違う入れ物に入れる母も母だが、

麦茶とそうめんのツユは、なぜあそこまで酷似しているのか。

麦茶の味を期待した脳が、口に広がるツユの味に瞬間的に凍りつく、あの感じ。

麦茶の季節はそうめんの季節でもある。



私は毎朝、コーヒーを飲む。

大き目のマグにたっぷり作り、たいてい飲みきれずに3分の1ぐらい残る。

その残ったコーヒーを、夕食のあとに飲む。

「冷めたコーヒーなんて」

「12時間以上放っておいたコーヒーを飲むなんて」

という声は聞こえないことにする。

アメリカ人は、冷蔵庫にあった冷たいピザを朝食に食べるのが好きなのだが

「げっ 冷たいピザなんて」

と私は思う。思うが、あまり口に出しては言わなくなった。

朝の冷めたコーヒーを飲むのも、たいして変わらないんじゃないかと思うからだ。



とにかく、昨夜のことだ。

朝にいれた冷めたコーヒーの入ったマグを持って、ソファに座り、一口飲んで吐き出した。

なにかまったく違うものの味がする。

見た目はコーヒー、でも塩気があって青臭い味。

「なに入れた?」

今夜、夕食を用意した夫に聞いた。

「なにも入れてないよ。なんなの?」

「なんか変な味がする。嗅ぐ?」

「いやだよ、そんなもの嗅ぐの。きもちわるいなあ、捨てなよ」

いったいこの液体はなんだ?

まずいけど、どこかでこの味を知っているような気がしないでもない・・


「オリーブ!!!」


夕食に、缶入りの黒いオリーブが入っていた。

すると夫が言った。


「あ、そういえば、缶をあけたあと、汁をそこに入れたかも」


完全に犯人じゃないか。

それをなんだ、きもちわるそうに体をよじったりして、物忘れもはなはだしい。

だいたい、そこに入っていた私の朝のコーヒーはどうした?

「私のコーヒー、どうした?」

「コーヒーなんか入ってなかったよ」

そういやその日の朝は、珍しくコーヒーを飲み干したんだった・・・・

たんなる物忘れなのか、夫婦そろっていよいよ老人性のアレの前触れなのか、

昔は笑って済ませられたものが、なんだかすっきりしないお年頃なのである。














にほんブログ村 海外生活ブログ 海外移住へにほんブログ村

最新の画像もっと見る

コメントを投稿