太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

二兎を追うもの

2019-04-29 16:39:13 | 日記
職場で、レジスター担当の日。
日本人のお客様が、クレジットカードの機械のボタンを押し間違えて、
デビッドのところを、クレジットにしてしまった。
機械の窓のところを読めばわかるのだが、読むのが面倒なのか、
適当に「実行」のボタンを押してしまう人が多い。
だから日本人の場合、私もなるべく注意深く操作を見ているのだけれど、
そのときはちょうど電話がかかってきて、その対応をしている間のことだった。

なにが起きたのかわからないお客様に説明しようとしたのに、
言葉がもつれて単語しか出てこない。
本来なら、
「クレジットかデビッドを選ぶボタンを押す前に、実行ボタンを押したので、自動的にクレジット扱いになったんです」
と言えばいいところを、

「ここ、押す前に、これ押しました、で、クレジットになりました」

そんなふうに喋ったと思う。
友達に話す要領でなら伝えられることが、
丁寧な言葉で話そうと思うと、文章になって出てこない。

これで、英語がネイティブ並みであれば、嫌味な自慢もできるところが
そうじゃないから、困る。
夫に話すと、夫は言った。

「言葉の狭間にはさまれてるね」

単語を並べて、語尾を上げれば疑問形、
そんなテキトーな英語でお茶を濁してきた結果、9年目にしてコレである。
二兎を追うもの、一兎をも得ず。
毎日、本を読んで、ブログも書いて、それでも言葉は失われてゆくものか。
英語なんかダメだって私は日本語は完璧に話せるんだから、というのが
私のプライドだったはず。
日本語を話す環境にいれば、すぐに丁寧語もなにもかも取り戻せる。
それはわかっているけれど、そういう環境ではない以上、どうしたらいい。
猫相手に話している日本語を、丁寧語にしてみるか・・・

「日本語、上手ですね」

そのお客様に言われたその言葉が、トドメとなって胸に刺さった。





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