太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ちゃんとした味噌汁を食べてわかったこと

2024-04-11 10:22:22 | 食べ物とか
我が家の朝食に、味噌汁は欠かせない。
もう何年も、蕎麦ちょこに出汁、味噌、ネギ、生姜のすりおろし、乾燥わかめを入れて、お湯を注ぐだけ、という簡易式で、
味噌玉をたくさん作って冷凍しておき、それにお湯を注ぐだけになってからは1年あまり。
早起きの大人二人の朝は、慌ただしくもなんともないのに、楽なほうへと流れていった結果が、それだ。

昨年12月に私一人で日本に行った時、毎朝、姉の作る朝食をごちそうになっていた。
ご飯と味噌汁、納豆、それに魚の焼いたのとか、なにか一品が加わった標準的な和食スタイル。
もちろん姉は鍋でちゃんと味噌汁を作るのだが、その味噌汁の美味しかったこと!
味噌汁にお米のご飯は、黄金のコンビだということも思い出した。

それで私は心を入れ替えて、ちゃんと鍋で味噌汁を作るようになった。
今まで、蕎麦ちょこという小さな器に豆腐まで入りきらないから、味噌汁とは別に、湯豆腐にしたり奴にしたりしていたのが、鍋に入れるようになり、
「煮る」という行為ができなかったので入れられなかった具が、入るようになった。
そうして具が増えると、蕎麦ちょこではなくお椀になり、ますます味噌汁らしくなった。

意外にも、私が好きな具は玉ねぎだ。

というのも、昔、私は玉ねぎの味噌汁は苦手だったのだ。
実家は祖父母も同居だったので、朝は常にご飯と味噌汁で、パンやコーヒーなどというしゃれた朝食は皆無だった。
母がホットケーキを焼いてくれたこともあったが、それはあくまでもおやつであって、朝食はご飯と味噌汁。

玉ねぎには、ジャガイモ。わかめには豆腐。里芋には大根。卵とネギ。
変わったところで、そうめんの具のときもあった。
私が1番好きだったのは大根と豆腐の具で、苦手なのは玉ねぎとジャガイモだった。
卵もあまり好きじゃなかったのは、母は溶き卵をそのまま鍋に投入するので、白身も黄身もバラバラになったのが固まっていたからで、
自分が大人になって、あらかじめポーチドエッグを作っておくことを知ってからは、卵は好きな具になった。
会社の若い人たちの食事も作っていた母は、多い時で10個もお弁当をこしらえており、わざわざポーチドエッグなど作っていられるはずもない。

家族の中では遅く起きて来る子供たちが朝ごはんを食べる頃には、味噌汁はすでに何度も火を入れたあとで、ジャガイモなどの具は崩れ、味噌の香りなども飛んでしまっていた。
それだからなのか、味噌汁は物心ついたときから決まりのように食べ続けているものだからなのか、心から「美味しい!」と思ったことはなかったように思う。

最初の結婚時代は、私は今とは別人のように料理をしていて、和食が続いても洋食が続いても不機嫌になる相手のために、いろいろ取り交ぜて作り、味噌汁もしっかりイリコやカツオ出汁をとっていた。
でも、「美味しい!」と思って食べたことがあったかどうか、記憶にない。


心を入れ替えて、鍋で味噌汁を作るようになった今、毎朝、「美味しい!」と感動している。
出汁は、姉も妹も使っている、パウミーという焼津の即席出汁だ。
湯を沸かし、出汁をいれ、玉ねぎ、豆腐、油揚げ、常備しているキノコ類を入れ、味噌を溶かし、最後に塩糀を入れて火を止める。
お椀に、刻んだ青ネギ、乾燥わかめ、チアシードを入れ、夫のにはそれにおろし生姜も加えて、できた味噌汁を注ぐ。
たまに、冷凍してあったご飯を温めたら、もう至福。

本当にちゃんと作っている人に比べたら、全然ちゃんとしてはいないのだろうし、具がごちゃごちゃで見た目にはアレな味噌汁ではあるが、毎朝幸せな気持ちになれるのだからいいだろう。

「Good soup!」

違いのわからない夫にも、どうやらこの違いはわかるらしく、いつも褒めてくれる。
姉の手料理で、毎日お米のご飯を食べることの幸せも再確認し、以前よりもご飯を食べるようにもなった。
ちゃんとした味噌汁を食べてわかったこと。

日本人に生まれて、よかった!

ありきたりだけれど、そう思う。
ついでに、和食の良さをわかってくれる夫でよかった。









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