一般的に料理の本って、何冊ぐらい持っているものなんだろうか。
私が大事にしている料理本は、2冊。
栗原はるみさんの
「ごちそうさまが、ききたくて」
「続・ごちそうさまが、ききたくて」
16年前、ブチ切れて荷物をまとめて家出して、そのまま家に戻ることなく離婚したときにも
その荷物の中に入っていたし、ハワイにも持ってきた2冊である。
買ってから、20年はたつ。
どの料理からも、栗原さんの素朴で、料理作りに真摯な姿が伝わってくるし
素敵な器やお宅も、見ていて楽しい。
料理がアレな私なので、むろん全部作ったわけでなく、これからもそうだと思う。
でもこの中の何品かは、私の定番になった。
昔は、鯖そぼろなど手間のかかる(私的に)料理も作ったけど、もうやらないだろうなあ。
夏になると食べたくなる料理が、「茄子の揚げ煮」。
「ごちそうさまが、ききたくて」より
昨日作ったんだけれど、写真を撮り忘れたので本から拝借。
栗原さんは輪切りにしているが、私は縦にスライスする。
上に乗せる白ネギがあったらどんなにいいか。あれはハワイじゃ買えないから青ネギで。
なぜかこっちで買う茄子は、皮がめっぽう固い。
焼きナスなどやろうものなら、ビニールか、というほどの皮っぷり。
なので、私は茄子の皮はむくけど、日本の茄子ならむかなくていい。
これを作ると、あっという間になくなってしまう。
特に義父の好物で、主食のように食べる。
前の結婚時代は、人が来るといつも作ったものだ。
余ったら冷蔵庫に入れて、翌日、冷たいまま食べるのもヨシ。
【材料】茄子4-5本分
・しょうが、にんにくのみじん切り 各小さじ1
・煮汁
(しょうゆ、みりん 各大さじ2
砂糖 大さじ1/2強
豆板醤 小さじ1
酢 大さじ1)
・揚げ油
1.茄子は1-3cm厚さに切り(お好みでいいが私は薄い方が好き)
水に10分ほどさらす。
2. 茄子の水けを拭いて、油で揚げて、柔らかくなったら、煮たてた煮汁にどんどん入れてゆく。
3.仕上げにみじん切りにした生姜、にんにくを加え、しばらくおいて味が馴染んだら白髪ねぎをのせる。
茄子が油を吸うのが怖くて、フライパンで焼くように作ったこともあるけど、
しっかり揚げたほうが絶対に美味しい。
といっても、野菜炒めよりもかなり多めの油で焼けばいい。
昨日、これを食卓に出したら義父が、
「アニタを思い出すね」
と言った。
アニタはシュートメの古い友人で、先日、癌を患って他界してしまった。
そういえばアニタが、時々作ってくれた茄子のマリネしたのの味に似ている。
「亡くなる前に作り方を聞いておけばよかったと思ったけど、
これはほとんど同じ味よね」
シュートメが言う。
みんなでアニタを思い出しながら食べたから、きっとアニタは近くにいてそれを眺めていたことだろう。
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