太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

招かれざる客

2021-11-21 11:06:30 | 不思議なはなし
職場では、1日に200人ほどの人に会う。
それだけの人の中には、変なものをくっつけている人だっている。
以前は、仕事の前に自分のオーラの外側をプロテクトしていたのだけれど、最近すっかりそれを怠っていた。

昨日の午後、突然、鳥肌が両腕に走った。
一旦引いて、また鳥肌。
いやーな感じはしたが、そのまま忘れてしまった。

帰宅すると、休日で家にいた夫が夕食の準備をし始めていた。
普段どおりだったのに、どうでもいいことがきっかけで、夫が豹変した。
どのぐらいどうでもいいことかというと、テーブルの上にランチマットが1つだけあったので、もう一つはどこにあるか知らないか、と私が聞いた。
いきなり引火。
「なんでそんなこと聞くんだよ。ドライヤーから出したソックスが片方しかないとかいうけど、僕は知らないよ。どう答えればいいんだよ!」
夫はどんどんエスカレートし、怒鳴り散らす。

あー、乗っ取られてる・・・・

完全に何かが憑依している。
たぶん夫は少し憑依体質であり、お酒を飲んでいると、それが強くなる。
私が職場から持ってきた変なものに、すっかり乗っ取られている夫は、断じて夫ではない。
私は途方に暮れつつ、ホワイトセージを焚いた。

「Who are you?(あんた誰)」
「I・・・・・I'm  ME!(お、おれは、おれだ)」
「So,Who?(だから、誰?)」

くだらないと思いつつ、こんなことは終わらせたいのでとりあえず謝ってみる。
そうして謝っていると、私の昔の古傷の蓋が開く。
蓋が開くと、私はもう喧嘩どころじゃなくなって、2階に駆け上がり、引っ張り出された古傷によって大泣きする。
最初の結婚で、こうして、なぜ相手が怒っているのかわからないまま謝り倒して、機嫌をとって、何かを失うことを恐れつつ生きていた。
あのときの惨めさと、そんなことを11年間も馬鹿みたいに続けていた自分の愚かさに、泣けてくる。

夫は、本心の夫もしっかりあるので、けしてそのままにはしないでフォローをしに来る。
夫のことはどうでもよくなって、古傷によって大泣きしている私をなだめつつ、夫が言った。

「出ていったみたい。エネルギー変わったの、わかる?」

変なものは、自分に関心がなくなってしまった私たちに飽きたのか、消えた。

「何が自分に起きたのかわからない、コントロールできないんだよ」

だからそれはアンタがお酒を飲んでいて、簡単に乗っ取られたからじゃないか。
怒鳴り散らしている自分を、本心の自分は眺めているしかできないようだ。


完璧に油断していた。
これからは、ちゃんと自分をプロテクトするのを忘れないようにしよう。
私の古傷。
数えきれないほど手放そうとしてきたけれど、根が深いのか、一掃できない。
けれど、こんなふうに役に立つこともあるのだな。
私の気分は最悪だけども。
手放せなくても、まあいいか。
私の一部として、深いところにしまっておこう。