ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

ジェネリック・ソーシャルワーカーとは

2008年10月13日 | 社会福祉士
 今後のソーシャルワーカーのあり方として、ジェネリックだけでなくスペシフィックな側面を強化した専門分化した専門職の養成が必要になってきたことを、何度か主張してきた。その時から、私の心の中で引っかかっていた問題があった。それは、スペシッフィク・ソーシャルワークが発展していけば、ジェネリック・ソーシャルワーカーはどこでどのような仕事をし、またジェネラリストとしてどのようにレベルを高めていくことができるかについてであった。

 この前提には、ジェネリック・ソーシャルワーカーとスペシッフィク・ソーシャルワーカーは対等な立場にあるということである。さらに、以前ブログに使った図を再掲するが、社会福祉士養成教育をジェネリック教育としてイメージしており、社会福祉士養成教育に引き継いで専門性を高めるより高い水準のジェネリックなソーシャルワーカーがあるとしてきた。そうした場合に、図に示すスペシャリストにならないで、ジェネリックを追求し続ける専門性の中身とは何かを明らかにしなければならない。

 このような重要な問題の整理を抜きにして、スペシフィックなソーシャルワーカー論は考えられない。

 これについて、先日、医師の世界で、「ジェネラリストのこれからを考える会」という全国組織があることを知った(『週刊医学界新聞』第2800号2008年10月6日号、6頁)。そこでの活動からヒントを得て、ソーシャルワークの領域でのジェネリックについて考えることにする。やはり、医学の世界でも、ジェネラリストの中身は曖昧らしく、それを追求することが課題となっていた。この会のメンバーには、総合診療、救急医療、家庭医療の医師が参加している。ここに、今後のソーシャルワーカー領域でのジェネリックの範囲がイメージできる。

 これらの参加者からジェネラリストがカバーする領域は、コミュニティでのプライマリー医療と、複合化した医療問題を持っている場合に、その仕分けをするといたことが中心になるように思われる。

 これをソーシャルワーク領域に引き寄せると、コミュニティ・ソーシャルワーカーといった名称で活躍するのがジェネリックなソーシャルワーカーではないのだろうか。具体的には、相談機関でのインテーク・ワーカー(初回ワーカー)なり、総合相談を担当する職員がそれに相当することになるのではないだろうか。さらには、社会福祉協議会の相談員等が該当するように思われる。

 されに、初回の相談や総合相談を担当するとすれば、そこで求められる資質も明らかになり、社会福祉士養成教育にオンする研修内容も明確になってくるといえる。

 これが現時点での、ジェネリックなソーシャルワーカーについてのイメージであるが、今後これについても明確にしていく必要がある。

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1 コメント

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ジェネラリストになれと (又佐)
2008-10-14 19:04:14
高齢者介護の現場ですでに20年あまり、就いた当時の相談員から「ジェネラリストになれ」といわれたのが今でも頭に残っています。デンマークではすべての介護職員が、日本でいう相談員の仕事をやっていると・・・。
介護技術なり看護技術なり、その技術を使う人の要素に大きく左右されるような気がします。ある程度、技術鍛錬がされていたとしても、介護サービスの大きくは、究極的には人と人とのふれあいによって得られる「満足」をどれくらい実感できるかによるような気がします。それを援助にどう活かしていくかという視点であって、そういう意味で、相談員ひとつとっても「まずは相談しやすい」というか、醸し出す雰囲気であったり、所作であったり、言葉と言葉に間にあるクライアントの感情の流れなど汲むということがやはり必要なのかなと思います。インテークです。
一方、施設のケアプランにしても、あまりにもアセスメントツールをもとにが多くをしめているので、入居者の思いや、介護職員のこうあってほしいという願いなどを組み込むような形にしています。全量摂取が○ではなく、おいしかったかどうかが大切であるように、生活の質という意味では「思い」や「願い」をプランにと取り組んでいます。
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