ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

「ソーシャルワーカーの専門職としての価値とは」再考(下)

2009年08月26日 | 社会福祉士
 最近気になることは、利用者の強さ(ストレングス)、強靭性・塑性力(レジティマシー)、社会的回復力(リカバリー)が1つの方法としてだけでなく価値観になりつつあるが、それはソーシャルワーク領域だけでなく、医学や看護の領域でもそれを吸収していく状況にある。

 このような考え方は、ソーシャルワークが独自性を有している「利用者の生活支援」と密接な関係をもって、導き出されるものであるが、既に専売特許でないことを自覚しておく必要がある。これは、例えば、精神医学の領域で、統合失調症の患者さんの中で、病気から社会的回復していく人と、そうでない人がいることから、患者さんのもっている回復力を明らかにし、そうした力を支援していこうとする考え方である。私の考えは、利用者の強さ、強靭性・蘇生力、社会的回復力といった価値観を多くの専門職が共有できることは、嬉しい限りであると思っている。なぜなら、価値観を共有することができ、多くの専門職がより連携して仕事ができるからである。但し、この価値を梃子にして、ソーシャルワークはどのよいに方法や目的を高め、同時にそこからソーシャルワークの独自性を見つけ出していくかが問われていると考えている。

 このことをさらに推し進めれば、ソーシャルワークはどのような独自性があるのであろうか。それは、単に利用者だけの強さ、強靭性・蘇生力、社会的回復力だけでなく、地域社会のそれにも着目し、地域社会の有している強さ、強靭性・蘇生力、社会的回復力を引き出していく支援方法を確立することも一つであろう。一方、現実の実践の中で、どのように強さ、強靭性・蘇生力、社会的回復力を活用し、方法や目的での独自性を確保したり、自らの実践を強化し、効果や、ひいては効率を高めていくことに貢献していくことであると思っている。

 追加になるが、先日ミネルヴァ書房から刊行した『ストレングスモデルのケアマネジメント』は、後者のソーシャルワークやケアマネジメントが、現実の実践の中で、どのようにストレングスを活用し、方法や目的での独自性を確保したり、自らの実践を強化し、効果や、ひいては効率を高めていくかを狙いにしたと考えている。是非お読み頂き、ご意見を頂戴したい。

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