本日(社)関西シルバーサービス協会の『20周年記念誌』が送られてきたが、20年前には、全くこの種の協会はなかった。その2年後に、全国組織である(社)シルバーサービス振興会が作られたことからも、その先駆性が分かると思う。その当時、ごく少数の事業者が集まり、何とか生き残るために、また、お互いが情報交換することで助け合っていくということを意図で組織化することになったことを覚えている。冊子の中で、前厚生労働省事務次官であった辻哲夫さんが「国の力を頼ることなく、自ら立ち上げられたことは素晴らしいことだと思います」とご挨拶を頂いている。
その当時、私は30歳代であり、さほど忙しくもなかったのであろう。この協会作りにも参画し、現在も顧問という立場で関わらせていただいている。今回の冊子を眺めながら、懐かしさと同時に、今後のシルバーサービスの行く末に期待と不安が混じった心境にある。
当時の少数のシルバーサービスの事業者は、殆どが赤字で、他の事業でもって赤字を補填しており、使命感と将来への期待感のみで仕事をされておられていたように思う。今は、株式上場をするまでになったある企業でも、その当時は、倉庫の一画を使って、トイレは外にあり、私は雨の日に伺ったことがあるが、トイレに行くのが大変だったことを記憶している。また、ある企業は、他の職員派遣の業務でもって、社長は給料をもらうよりも、逆に差し出すこともして、ヘルパー派遣の赤字を補うことで切り抜けていた。
20年前の状況は悲惨な状態であったが、その当時のほとんどの事業者が今回の冊子に会員名として載っていることから、今日まで続いていることに安堵した。ただ、当時の事業者は創業者としての夢があったと思う。よく酒を酌み交わし、今後到来するであろう高齢社会について、シルバーサービスの夢を語り合ったことが思い出される。協会創設の発会式で、その時に家主となってくれた大阪府社会福祉協議会の常務理事であった故井上光さんが、「今は軒を貸すことになるが、将来は我々が軒を借りる時代が来るものと確信する」と挨拶されたのを、今も心に深く残っている。
この20年間で、介護保険制度の創設もあり、協会のメンバーも80社近くに増えた。この間の協会としての発展は大きいが、現状では、介護保険に対する閉塞感が漂っている。介護保険制度の将来に展望が開けないことが大きい。
どこのシルバーサービス事業者も経営的に苦しいのが現状である。さらに、コムスン問題以降、シルバーサービスに対する世間の目は厳しい。今後の展望として、コンプライアンスを遵守しながら、創生期を思い出し、忍耐強く、この苦境を脱していって欲しいと願っている。また、こうしたシルバーサービスができたことで、雇用の創出につながり、そのことが税や保険料として、社会に貢献していることの評価も必要である。また、従来からこうしたサービスを実施してきた社会福祉法人等に対して刺激を与え、社会福祉法人のミッションは何かを突きつけることにも貢献している。
シルバーサービスには、多元的な供給主体の一つとして、セフティ・ネットの一翼を担って欲しいと願っている。
その当時、私は30歳代であり、さほど忙しくもなかったのであろう。この協会作りにも参画し、現在も顧問という立場で関わらせていただいている。今回の冊子を眺めながら、懐かしさと同時に、今後のシルバーサービスの行く末に期待と不安が混じった心境にある。
当時の少数のシルバーサービスの事業者は、殆どが赤字で、他の事業でもって赤字を補填しており、使命感と将来への期待感のみで仕事をされておられていたように思う。今は、株式上場をするまでになったある企業でも、その当時は、倉庫の一画を使って、トイレは外にあり、私は雨の日に伺ったことがあるが、トイレに行くのが大変だったことを記憶している。また、ある企業は、他の職員派遣の業務でもって、社長は給料をもらうよりも、逆に差し出すこともして、ヘルパー派遣の赤字を補うことで切り抜けていた。
20年前の状況は悲惨な状態であったが、その当時のほとんどの事業者が今回の冊子に会員名として載っていることから、今日まで続いていることに安堵した。ただ、当時の事業者は創業者としての夢があったと思う。よく酒を酌み交わし、今後到来するであろう高齢社会について、シルバーサービスの夢を語り合ったことが思い出される。協会創設の発会式で、その時に家主となってくれた大阪府社会福祉協議会の常務理事であった故井上光さんが、「今は軒を貸すことになるが、将来は我々が軒を借りる時代が来るものと確信する」と挨拶されたのを、今も心に深く残っている。
この20年間で、介護保険制度の創設もあり、協会のメンバーも80社近くに増えた。この間の協会としての発展は大きいが、現状では、介護保険に対する閉塞感が漂っている。介護保険制度の将来に展望が開けないことが大きい。
どこのシルバーサービス事業者も経営的に苦しいのが現状である。さらに、コムスン問題以降、シルバーサービスに対する世間の目は厳しい。今後の展望として、コンプライアンスを遵守しながら、創生期を思い出し、忍耐強く、この苦境を脱していって欲しいと願っている。また、こうしたシルバーサービスができたことで、雇用の創出につながり、そのことが税や保険料として、社会に貢献していることの評価も必要である。また、従来からこうしたサービスを実施してきた社会福祉法人等に対して刺激を与え、社会福祉法人のミッションは何かを突きつけることにも貢献している。
シルバーサービスには、多元的な供給主体の一つとして、セフティ・ネットの一翼を担って欲しいと願っている。