ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

地域でのネットワーキング論?(7)<.ネットワーキングを社会に見せる>

2008年06月13日 | 地域でのネットワーキング論
 地域でのネットワーキングの具体的な方法についての議論に入る前に、ネットワーキング論の理念的な説明や必要性を論じることをさらに進めて、ネットワーキング方法のありべき方向について検討しておく。

 そのため、以下では、私のケアマネジメント研究を振り返りながら、ソーシャルワーカーには実施可能で、社会からもその仕事が分かってもらえるような工夫の重要性について整理しておきたい。同様に、ネットワーキングの方法についても見えるものにしたい。

 私は、大学での最初の授業担当は「ケースワーク」であったが、この講義をすることはあまり好きでなかった。その意味では、当時私の授業を受けられた学生はおもしろくなかっただろうし、大変申し訳ないことであったと反省し、後悔している。

 ただ、単に感情的にこの科目がおもしろくなかったのではなく、ケースワークには「いつの間にか利用者が変わる」また「話をしていれば変わる」と言ったイメージが強かった。もっと計画的なものであり、なぜ変わったかを明確に説明できるものでなければ、その専門職は社会で通じないのではないかと考えていた。同時に、変わる内容が、生活が変わったことを説明できなければ、専門職としての独自性が発揮できない思って。そのため、「ケースワーク」からいかに脱却しようかと考えていた。

 逆に言えば、ケースワークをソーシャルワーク専門職として、社会に伝えることができるものにしたかったのである。そのため、その当時は、アメリカのケースワークの理論研究をリビューする論文が多いが、ある意味「planed change」の新たなものを模索していたといえる。planedとは計画的に支援することであり、changeの中味は、生活を変えることであった。これら2つのことができれば、ソーシャルワークが見えてくると考えた。

 結果として、「プラン」や「変化」が明確でにするために、ケアマネジメントに研究をシフトしていったといえる。このシフトすることには勇気のいることであったが、社会に仕事内容を見てもらうのには、これしかないと思ったからである。すなわち、計画的に支援するし、変化はニーズとサービスと結びつけることで生活が変化するからである。

 そのため、アメリカで行われている以上に、日本では見せるための工夫を意識して行った。そのため、私の研究の舞台となった在宅介護支援センターで、おそらく日本で初めて作成されたであろう、10数枚からなる「アセスメント表」を作って、皆さんに活用していただいた。さらに、図のような「ケアプラン用紙」を作り、この用紙を使って利用者と一緒に計画を作ってもらうことを進めた。これらは、専門職であれば、PLAN→DO→SEEということのメリハリが大切であることと同時に、利用者だけでなく、社会全体に仕事内容を分かってもらうよう心がけた。

 追加して言うと、現在の介護保険での介護支援専門員であれば、誰でも使っている居宅介護支援計画書の2枚目は、この図とほとんど変わらない。作ったあの時に、特許でも取っておけば、今や左団扇の生活になっていたかもしれない。ただ、こうした工夫が、介護保険制度で活かされていることは、うれしい限りであるし、当時の厚生労働省の介護保険担当者も社会に見せるものにしたかったのだと思う。

 これは、コーデイネーションの方法の議論であり、このようにしてこの方法を定着させてきたが、今後ネットワーキングの方法についても、同じように、見えるものにしていくといった意識でもって、「ネットワーキング」の具体的展開での種々の工夫をしていかなければならないと思う。それには、多くの人の知識と知恵が必要である。是非、コメントをを下さい。

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