ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

「介護労働者の人材確保に関する特別措置法(案)」の再確認を

2009年08月21日 | ケアや介護
 総選挙に向けて、それぞれの地域で激戦が繰り返されている。マスコミの下馬評では、民主党が圧倒的に有利ということらしい。そこで、介護保険の近未来を探る上で、マニフェストも大事であるが、民主党、共産党、社民党、国民新党の野党連合で提出した法案も点検しておくことが、介護保険制度の今後を予測できるのではないかと考える。これは廃案になっているが、次は、政府案として再登場してくるかも分からないからである。

 それは、自民党が追加緊急経済対策で、ぶちあげた「介護職員待遇改善給付金」の常勤換算で月1万5千円アップの対比として、民主党を中心で野党から出された「介護労働者の人材確保に関する特別措置法(案)」はマークしておいた方が良いと判断した。これは、民主党が多数を取った場合に実現する可能性があるからである。また、介護保険制度に対する今回の民主党のマニフェストの土台にもなっている。

 本法案は、介護労働者の待遇改善のために、介護報酬を加算することを義務づけるものである。一方、事業主に対して、介護職員の賃金の引上げ等の努力義務を課し、その実効性を担保するために、毎年、現行の公表制度に加え、待遇改善の状況の市町村への報告を義務づけている。

 ここでの介護事業者は、居宅サービス事業者、地域密着型サービス事業者、居宅介護支援事業者、介護保険施設、およびこれらで介護予防をする事業者であり、そのような介護事業者が行う福祉サービスや保健医療サービスの業務に従事する者を介護労働者としている。そのため、介護労働者にはケアマネジャーや訪問看護師も含まれることにはなるが、7%の介護報酬アップということで支給されることになる。それを介護労働者の待遇改善に結びつけるために、介護事業者は介護労働者の労働条件改善の内容を、市町村に届けることになっている。

 この増額分がすべて人件費にまわった場合には、介護労働者約80 万人(常勤換算)に対して、一人当たり月額4万円程度の賃金引き上げが可能になるとしている。このことは、民主党のマニフェストと符合することである。なお、法案では、この特別措置は、介護を担う優れた人材の確保に支障がなくなった時に廃止となるとしている。