ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

 各党のマニフェスト比較①(介護職員処遇改善給付金)

2009年08月07日 | ケアや介護
 「介護保険を維持・発展させる1000万人の輪」が6党の介護保険担当者にご参加いただき、「介護保険の未来」ということで公開シンポジウムを開催したのは5月13日のことだったが、このシンポジウムに参加していた立場からは、1つの大きな衆議院選挙の争点になるのは、景気対策として緊急に実施させる「介護職員処遇改善給付金」があると思った。それは、今年の10月からスタートするものであり、8月30日の投票で、それぞれが責任政党となった時に、10月からどのような対応をするのかが関心があったからである。

 さらに、長期的には、介護保険制度の公費負担の割合をどうしていくのかも大きな関心事である。その場合に、この給付金部分は、継続して実施されることになれば、公費に転化する可能性も高いからである。

 そのため、衆議院選挙に向けて各党が出揃ったマニフェストで、「介護職員処遇改善給付金」制度をどのように位置づけているかを整理した。その結果は、以下の通りである。

 介護職員処遇改善給付金について、自民党は従来通りであり、介護職員の平均1万5千円をアップするものである。公明党は、介護従事者(この用語は、一般に、介護職員以外に、ケアマネジャーや看護師も含む)の賃金の引き上げやキャリアアップ支援としているが、具体的なアップの額は示されていない。

 野党でみると、民主党は、新たに「介護労働者」という新たな用語を使い、月4万円のアップを言っている。この「介護労働者」については、「介護職員」や「介護従事者」とどう違うのかが、明確でない。共産党も同様に「介護労働者」という用語を使い、月3万円のアップをいっている。社民党は、概要版であり、8月18日から詳細なマニフェストを配布するとのことであり、看護師、福祉や介護職員の待遇の改善をいっている。国民新党は、介護の現場で劣悪な条件で働く人の給与を一般公務員並に引き上げる(30%増)としている。

 それぞれの政党の公約の詳細は読んでいただきたい。また、内容に対する個人的なコメントは控えるが、気になることが2点ある。この給付金は現状では10月から2年半で終わりことになっているが、これについて文書で、それ以降も継続していくことを明記している政党のマニフェストはない。これについて、各政党に応えて貰いたいものである。これが、永遠のものになると、自ずから、公費(国費)負担分が増加することになるからである。

 もう1点は、民主党や社民党がいっている介護労働者とは誰を指すのかを、明確にして貰いたいものである。これは、2回の介護報酬改定で、介護支援専門員等の給与が下がっており、介護職員に加えて介護保険制度に従事する者の待遇改善が必要であると思うからである。

6党のマニフェストのアドレスは、以下の通りです。
自民党 http://www.jimin.jp/sen_syu45/seisaku/pdf/2009_bank.pdf
公明党 http://www.komei.or.jp/policy/policy/pdf/manifesto2009_forweb.pdf
民主党 http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/pdf/manifesto_2009.pdf
共産党 http://www.jcp.or.jp/seisaku/2009/syuuin/20090728_kihon_1.html
社民党 http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/manifesto01.htm
国民新党 http://www.kokumin.or.jp/seiken-seisaku/pdf/kouysku-seiji-public-seiki.pdf