陶子の心の窓

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40か月ぶりの日本語

2018-10-25 11:54:34 | 雑感
フリージャーナリストの安田純平さんがやっと解放され、帰国の途につきました。
インタビューに「40か月ぶりに日本語を話すので、言葉が出てこない」とおっしゃっていましたが、ほかの受け答えを見ていても、短いながらも、本心を的確に表現されていると思いました。
日本に戻られてからの記者会見もじっくりと拝見したいところです。

40か月間、命にかかわる大変な状況の中で、飛び交う異国の言葉を必死で受け止めていたことと思います。
「自分はどうなってしまうのだろう」と。
ものすごい集中力と緊張感だったでしょうね。

私なんぞの話で恐縮ですが、たった3ヶ月日本を離れていただけでも日本語の語彙が少なくなるような気がします。
滞在先のロシア、ノボシビルスク市では日本語を話せるロシア人も少なからずいましたし、日本人もいたのでそれほど困ることはありませんでしたが、ネイティブの状況でないと伝わることが最重要なので、とてもシンプル、悪く言うとぶっきらぼうな言葉選びになってしまいます。そんなことが続くと、自分の思考回路も単純になっていくかのようでした。
「うれしい」「楽しい」「良い」「悪い」・・。白か黒、ではないけれど、これでは一人間として心もとない感じです。
日本に帰ってきて3か月以上たって、最近ようやく渡航以前の感覚に戻ったような気がしています。

言葉、語彙が豊かであればあるほど、ものごとの見え方、感じ取り方も変わってくるのだろうと思っています。
それは豊かな人生を送れるかどうかにもかかわるのではないでしょうか。

語彙を増やすには、やっぱり本や新聞、活字を読むことでしょうね。
そこで出会った言葉を自分のものにするには、いろんな経験をすることかな。
いろんな経験をするには時間とエネルギーが限られるから、ジャンルを問わず映画を観ることなのかな~、国も時代も超えて。

冒頭の安田純平さんのお話は、誰も経験できないことでしょうから、これこそ知っておかなければなりませんね。
カメラをはじめとする仕事道具をすべて奪われてしまったそうですが、命はとられなかった。
帰国後はフリージャーナリストとして見たこと、感じたことを広く伝えていただきたい。
そして、安田さんが拘束されている間、日本政府はどんな尽力をしてきたのかも知りたいところです。
ジャーナリストは人々に世界で起こっている出来事を伝えるために出かけていくのですから。

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