続・知青の丘

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『大隅』第63号大隅史談会発行(令和2年4月20日発行)

2020-06-09 12:36:14 | 俳句以外

表紙は、『廃簏詩稿』(はいろくしこう)と『波の藻屑』(なみのもくず)

『廃簏詩稿』は、垂水島津家第十代島津貴澄の漢詩集で、
寛政十一年(1799)に刊行。
貴澄の旅吟や送別の詩、四季折々の詩など。

『波の藻屑』は、時の家老伊集院氏によって編まれた、
当時の垂水人士の和歌を収めた歌集。
天保六年(1835)刊行。115名、1997首。

四季、恋歌に見られる風雅はもとよりのことながら、
ことに雑の部では、雑・離別・哀傷・釈教・雅などに分かれ、
内容が豊富で、
なかには源氏物語や平家物語、漢籍、経典に題材を求めて読んだものや、
孝行の幼な子の哀れな事実譚についても記し、
当時の垂水の教養や人々の情の程と共に、
日常生活の中に如何に深く歌の道が根付いていたかが
うかがえるものとなっているそうだ。

安永8年(1779)の櫻島噴火の記録や
西南戦争に従軍し若くして散った
郷土の士を讃えた漢詩(墓誌)などの端々に
漢籍や中国の故事などを引用してあり、
その教養を垣間見ることはできると思います。

この冊子は、
文献史料や石碑などの史料を駆使して
当時の時代考証の一端を示していて、
古代クマソの考証から、
大隅各地に残る疎水・開田の記録、
櫻島噴火の記録の石碑や墓碑銘の解読、
「竹内宿禰の実在性と出自」や
「西郷隆盛と朝鮮国」の論考等々かなり内容豊富です。

同時掲載の短歌
森山良太氏(鹿屋市在住)の
短歌「木の祭りー中津神社の鈎引き祭りー」30首
の中から6首を紹介

関八州なべてトウキョ―と呼ぶわれら熊襲の裔(すゑ)は土を耕す
ふかき皺額にきざめる老いばかり神木伐ると山に入りゆく
神木を仰ぎ居ならぶ男(おんじょ)たちまづ竹筒の芋焼酎を呑む
行司吼え舵(はな)取り吼え引き手吼え豊作得むと相つかみ合ふ
そそり立つ雄木(をぎ)の男根に太股の雌木(めぎ)乗し掛けてつくる種籾
稔りよき種籾生れぬ   ひたすら蒔きひたすら植ゑて神事果てたり

他にも短歌会や俳句会の会員さんたちの作品も掲載されています。

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個人的には熊襲に関する記述が大変興味深かったです。
詳しくは、この冊子をご覧ください。

大隅史談会会長は、瀬角龍平
(瀬角さんは、大学の同級生で東洋史専攻だった)
この冊子のお求めは、事務局白井さんまで。
〒893-0064
鹿屋市西原3-8-17
白井森芳
定価2000円

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