夏木久さんから第一句集を頂いた。
丸善で硬い表紙など購入し、ご自分でPCで作られたという私家版!!
できるひとはできるんですねえ~
そういうことはさておき
夏木さんは、むかしから詩を書いておられたからか、
表現や言葉の措辞・斡旋が自由自在で
俳句形式で書かれることをとても楽しまれているように感じました。、
うらやましいことでした。
夏木久句集『神器に薔薇を』より好句27句抄
7P ゆるキャラのゆるのゆれをるはるのよる
8 放課後の椅子一辺倒に霞みけり
9 風呂敷を靡かせてゆく蝸牛
11 式場は痛々しいほど曼珠沙華
15 かもめいれかきまはしてもにがいふゆ
16 夢殿の火事を夢見て蛇行せり
浪漫かな驢馬の老婆の羅馬の春
18 立春の青磁へ魚醤島のごと
21 漂流もまた測量も銀河べり
27 かれはちすのみこむことばはくことば
31 花器に挿し無口な薔薇にしてしまふ
33 嘘泣や蛍袋のティッシュ出し
34 路地裏を湖国と金魚寛げる
36 捨案山子これより私事に没頭し
45 魚のやうに妻は午睡をさかのぼる
49 匂ひのみ残して妻は月に待つ
畳目に影の孵化せる小春かな
50 神の留守さらば器に毒を盛れ
51 枯蓮やもはや敵意も友好も
56 燕子花咲いて刃傷沙汰となり
78 立春大吉謎の刺身を供せられ
79 予告では入浴シーンが雪柳
大仏も口角上げて山笑ふ
80 やみくものとりくもにいるくもせずに
82 交番に香水匂ふ嗅ぎまわる
86 心境を言ふにわざわざ鵙の贄
90 月おぼろ句集は賞味期限ぎり
「桜蕊降れば便器に老婆心」
「啓蟄のナイフ返しにゆくところ」
「天体へ素敵に輸血蔦紅葉」
「狐火やその目論見は餃子らし」
「男色のいろを小菊のゆれてをり」
などは、気になるし惹かれる句群でしたが私には難解。
「老婆心」「ナイフ」「輸血」「餃子」「男色」の配合が?????
私の力量不足ですか。
句集収録の
「ゆっくりと彼女枯野を脱ぎ始む 」については、
関悦史氏の素晴らしい鑑賞がネット(「ウラハイ=裏「週刊俳句」)にありました!
「秘策もて浮子を見てをり懐手」
第二句集上梓を控えていらっしゃるというお話でしたので
楽しみ~。
また辛口評をお手紙しますよ(笑)