続・知青の丘

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

俳句短歌誌「We」第17号「共鳴句探訪」~受贈誌等より 加藤知子

2024-06-09 22:50:34 | 俳句
〇(「松下けん全句集」については、単独でブログにもUPしたので
ここでは省略)

春の雨少女の抱えるものに膝      中内 亮玄
柔らかく叫んだ少女桜騒         〃
明け易し少女に新品の手足        〃
   句文集『素晴らしい世界 新世紀神曲』(2023年8月)
この句文集は、全体、人をくったような物語(「2001年頃を舞台とした神話」という)なのだが、この毒っぽさになんとなく惹かれてしまった。挿入句は「挿絵」として読めばいいらしい。 「少女」の句が気になって、3句抄出してみた。春に膝を抱えている少女の柔らかい叫びとはどんな声だろう。何と叫ぶのだろう。足を踏まれた子猫のような叫びだろうか。夏には脱皮して、新品の手足が貰えるようだが、それなりの代償もあるだろう。「新品の手足」の少女はホラー的でもある。
福井で孤軍奮闘する作者にエールを贈りたいとおもう。

〇或るときはマリアの擬態寒つばき     清水 伶
      第3句集『素描』(2023年9月、本阿弥書店)
いつかどこかで言ってみたいと思っていた事が、掲句を読んで甦ってきた。数年前、桜島の埋没鳥居方面を俳友に案内してもらった時の事。近くに覆屋があって、その石厨子?の中を覗いた瞬間、これってマリア像じゃない?と思ったのだ。それは、子安観音だった。掲句は、この私の思いとは異なるが、寒椿の在り様にマリアを観るという。マリアを通り一遍に崇めるだけではなく、秘めた激しさ、厳しさをも観るとでもいうのだろう。それにしても寒椿は、谷神に繋がる器のようだ。

〇無花果は隠喩さみしいマルコ伝      川森 基次
    第一句集『隠喩さみしい』(2023年10月、ふらんす堂)
この川森氏の句集の中で気になるのは、集名となったと思われる掲句。句意はと考えるが、「マルコ伝」に拠るので、私のような浅学には意味不明。理が勝ちすぎている嫌いがあるが、聞くところによると、「マルコ伝11章には、キリストが実をつけない無花果を呪って枯らす」話があるそうだ。地球上の人類全体に向けて、これではさみしい隠喩じゃないのかと、嘆きとも問いかけとも。他にも、表現活動にかかわる「剽窃の最後の頁イースター」「前衛は鶏小屋に首突っ込んで」がある。「剽窃」とは穏やかならぬが、それが発展して本物になれば、肯定されるべきものだということか。俳句の類想類句では、それを上回る佳句であればよし、ということになるが、評論では如何なものか。後者の句の「前衛」は、侃侃諤諤、百家争鳴の態。批判的なのか楽しんでいるのか、正直読めない。
意外な展開に驚かされる好句は次の通り。
風死すやタトゥーの肌も躊躇はず
文楽めそめそと太夫炬燵欲し
白菜の芯冷えるまで立つ廊下
夢うつつ身は逆走の雪しまき
命脈は波打ち際の桜貝
皮薄き男の矜持蜜柑剥く

〇白鳥帰る青うつくしくくちうつし    望月 士郎
   第一句集『海市元町三‐一』(2023年11月、文學の森
集名を見て、どういう因縁、どういう拘りのある住所だろうと大抵の人は驚きを以って思うだろう。それは、この句集を読んでのお楽しみだが、掲句のような一見言葉遊びのような手法の句が独特で美しい。そして、この言葉遊びは侮れない。
「三月のひかり水切りりりりりり」「「そらいろの空はだいろの人はるうれい」。字ズラも造形も色彩も響きもたのしめるのだ。他に、
春の闇そっと赤子を渡される」
三月十一日鉄腕アトムのネジ拾う
老人に初めてなってみて栄螺
ブランコを漕ぎつつ奴隷船のこと
蝸牛いつもひとりの時に遇う
母眠る眉間に繭をひとつ置き
転生のまずは一旦みずくらげ
人形を躾ける少女敗戦日
ヒロシマ以後ひとりに一つずつ玉繭

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ミニチュアカーの展示ではありません。
(東バイパスにあるトヨタの販売店)
信号待ちの時に助手席から撮りました。
長男が、これ凄いねえ~
どうやって上に上げたんかなあ~って。

今年も、「紅はるか」を植えてみた。
植えてから一か月経ったようす。
あと2本は他の場所に植えてみた。
食糧不足に備えて(笑)

コメント

昨年の『現代俳句年鑑 ’24』の「俳誌プロムナード」には

2024-06-01 11:23:29 | 俳句
『We』第15号から、
次の17名17句を有料掲載掲載していただきましたが
今年(『現代俳句年鑑 ’25』も
その提出季節がやってきました。

ボリュームは音楽変える地虫鳴く      江良 修 
さくらさくら噤む少女のうなじから     小田 桐妙女
眦のかすかな水を知る螢          男波 弘志
落ち葉掃く隣りの隣りのその人も      柏原 喜久恵
吃音の非ざる滝に火をつける        加能 雅臣
父の手がのぼる金輪際朧           斎藤 秀雄
菜の花にどこまで奥のへびにらみ      櫻井 天上火
狼ヨ我ガ剖(さ)キシノチ其(そ)ヲ遊ベ     竹岡 一郎
あっほらいまたんぽぽの絮彼女だろ     竹本 仰
地球儀に水を零して春の海         林 よしこ
冒涜としてパンに顔 雨降りやがる     早舩 煙雨
やや寒の微熱にふるえる不服従       阪野 基道
さくらんぼ替えのパンツを忘れたり     松永 みよこ
(架空の画題)ささやいた順にエリカ    未  補
気を入れて桜は冬の樹となりぬ       森  さかえ
長靴とレモンが一個早春賦         森  誠
縊る手を持つのはあたし姫女苑       加藤 知子

今年は、17号から17名17句を提出予定です。
もし、17号参加者でご希望句があれば
6月10日までにメールしてください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
遅れて、
母の日プレゼントが届きました。
紅茶リクエストしていたので
次男嫁さんから
日比谷新店舗限定の
ラデュレの紅茶だそうです~
(わざわざ!?行ってくれたみたい)
たしかに香りも味も上品でした。

このところ、
3月以来溜まっていた疲れが
一気に噴出しているようで
佳いティータイムになりそう~


コメント

桑の実のジャム

2024-05-27 23:44:38 | つれづれ

まるで、芋虫
を煮たような形状ではありますが
桑の実です!
昨日、
庭の桑の実を収穫し洗って冷凍したのが1キロできたから
ジャム作りませんか?
と、
昨年12月頃だったか?
知り合った人から電話が来て
貰いにいった。

あちらは県内移動の転勤族
こちらは全国移動の転勤族という
転勤族のよしみで、
かつとても気のいいご夫婦だったので
直ぐに仲良し?になったのでした。

桑の実が毎年沢山取れて困るほどだから、
時期がきたらお電話します
みたいになっていたのだが~

もうあれやこれやで忘れていて
電話きて、名前仰るけれど
う~んこの人だれ?
うちのと、物件見にいって、
そのご近所さんだったのだけど
どうやって行ったけ?状態。
小さな○○公園の近くだったことだけは
覚えていて~

桑の実って初めて食べました。
クセがなく、けっこうイケる
お砂糖降りかけたら
もっと美味しくなり、この味にハマりましたよ。

この種は、おそらく
お蚕さんが食べるフツーの桑の実より
大きいのではないかと思いました。

今年の出来はあまり良くなくて
少なかったそうで
辞退したのですが
どうぞどうぞと~

水は全く入れずに
砂糖を振りかけ、しばらくおいて
水分が上がってきたら火にかけて
ことこと煮るのだそうで
濃厚なジャムが出来上がりました。

果汁が沢山出たので
ゼラチンゼリーにもして
お隣にお裾分け
お隣さんも初めてだそうで。

是と言って大きな特徴はないけれど
ベリー系っぽいかなあ
意外な味を味わせてもらい、感謝。


本日は、出かけるところがいくつかあり
いろいろと忙しく
持ち株が高騰していたにもかかわらず
売らんかった。
明日も騰がってくれないかなあ~

いつものことだけど
ホールドと決めていても
騰がってくると
やはり売らされるというか
利確したくなるんだなあ

きょう、初めて知ったこと
「受け身」と「受身」の表記について
違いがあるということ。
古文の試験では
「受身」と書かないと正解ではないそうで~

へえ~面倒くさいこというんだなあ
と思いましたが、試験とはそういうものだそうで。

「受け身」と「受身」で
本質が変わるのであればわかるけれど。
どっちでも〇でいいじゃん!
私には苦手な思考です。





コメント (2)

最近の写真7選

2024-05-26 07:45:28 | 俳句

句会場に行く途中のさつき満開

第1回羅生門勉強会句会(5月22日)
ちょっと高めのランチを食べながら
(会場費とおもえば~)

時期的に夜には蛍も乱舞?するらしい。

「We」の関係者だけの句会を初めて開きました。
女性5名出席、欠席投句2名、評のみ参加1名
事前投句5句提出、
事前選句選評していたので
十分に話す時間もあり
制限時間2時間半は、
いい塩梅でした。

久しぶりの句会は面白かったです。

この「羅生門」にいたるには
「市立体育館前」電停下車後、
このジェーンズ邸(地震後移築された)を左に見ながら
(写真左端に昼寝の男性が見えました)
井手に沿って歩いていき、右折して右折して~
「羅生門」は
実に分かり難い場所にありました。

会場はべつのところで
次もあればいいなあとは思いますが
取り纏めとプリントアウトまでの作業等があり
他の俳句しごとがけっこう忙しい身としては・・・。


いつもお世話になっている整骨院の
道路向かいの
樫の木?(5月23日)
特有の生臭い匂いです。



狭庭の花と蝶(5月25日)

今年は、
花もアゲハも訪れが
早い気がします。

コメント

熊本県現代俳句協会 会報 2024年度 第1号  現代俳句くまもと 第26号 

2024-05-14 11:20:13 | 俳句
【巻頭エッセイ】

田んぼの宇宙          貴田 雄介

 高校生の頃から本を読むのが好きで、大学生になり自分でも詩のようなものを書き始めるようになった。大学在学中に小劇場の世界と出会い、それから十五年演劇、劇場、文化、芸術の仕事に携わることになる。小劇場制作の仕事は、三ヶ月無休で朝から晩まで事務所や稽古場に篭り働きづめで詩を作ることはなかった。
 二〇一六年に熊本に移住して地震に遭い、大阪に帰るかどうか迷った末に、熊本に止まることにした。結婚し、双子の娘が生まれた時、丁度コロナウィルスが出始めた頃で一年の育児休業することになった。自分の人生に句点が打たれたように感じた。
 社会人になってから離れていた詩作を再開した。子育ての合間に書くには短詩型が良かった。先生についてきちんと学んだ訳ではなく、未だにどうすれば詩心が生まれるのかよくわからず、わからないから作り続けている。
俳句を始めたのは義父の影響だった。彼は御船町で五十年にわたり、有機無農薬の農業を営んできた。種蒔きや稲刈りなど人手が必要な時には、僕も手伝いに行く。
 田んぼや畑に立っていると、多くの生き物と出会う。雨や風、雷など大きな自然現象に意識を向ける時間も増えた。美は自然に宿っているのだとしみじみ感じる。これからも日々の暮らしの中に農的な生活を過ごす時間を作り、自然と向き合いながら詩作に励みたい。
幾万の虫と親しく田に屈む    雄介

2023年度総会報告
2024年4月13日13時から、くまもと森都心プラザ6階にて開会。議長中山宙虫。出席9名、委任状6名にて総会成立。第1号議案から第3号議案まで、活発な討議を経て成立。
〇活動報告と会計報告について
県協会としての活動をもっとしてほしいという意見が出たが、前年度は、総会・総会後句会や動物園吟行、第14回九州現代俳句大会開催(主管)、会報3回発行、後援事業として、荒尾の御田植祭俳句大会や滔天忌俳句大会後援があった。これ以上の活動は、現会長加藤としては手一杯で考えていないので、次の会長に要望してほしい。(加藤の任期は、来年3月まで。)
〇第3号議案の、総会に提出した改正案について。
現代俳句協会の一般社団法人化に伴う最低限の改正案。規約第9条(経費)等の改正の場面で、色々意見が出て、次の総会でも審議することにはなったが、提出した改正案が一応成立したと議長が宣言したことを報告します(中山宙虫議長にも確認済)。

***2024年度役員新体制***
会 長 :加藤 知子
副会長 :中山 宙虫
事務局長:貴田 雄介
幹 事 :吉良 香織
     籾田 ゆうこ
顧 問 :西田 和平
・・・・・・・・・
会計監査:西村 楊子
2024年度は、若い会員を役員に迎えて、引き継げるところはそうしていきたいと思っています。
皆様のご協力をよろしくお願いします。

≪新会員≫
◎籾田ゆうこさん、独自会員から法人社員へ
◎貴田雄介さん、独自会員から法人社員へ
◎佐竹佐介さん、法人社員入会(2024年1月)

≪現代俳句年鑑2024参加者一句抄≫

星流るソープランドの飼い猫へ    青島玄武

片付けて夕べ明るき韮の花      荒尾かのこ 

さえずりや椎骨三個増えている    加藤知子 

青野行く試歩の耳朶あつくして    志賀孝子 

地球儀に水を零して春の海      林よしこ 

スパムを絡め街につばめが巣をかける 中山宙虫

弁当屋うな丼かくも薄きもの     右田捷明 

群声の蝉に放水兩得す        汀圭子


★第32回ヒロシマ平和祈念俳句大会
川崎益太郎特選
水葬は引揚げの棘敗戦忌       右田捷明
★第59回滔天忌俳句大会
秀作:潮の目の横一文字滔天忌   荒尾かのこ
佳作:大陸を駈ける駿馬や冬北斗   徳山直子
〈参加者一句抄〉
着弾地無益を睨む滔天忌       右田捷明
滔天忌夕日は色を惜しまない     林 紀子
靴底の小石がとれぬ滔天忌      西村楊子
滔天忌右往左往の昨日今日     佐藤惠美子
★令和5年度山中湖俳句大会
入選:富士山を容れ夏の湖静かなり  貴田雄介
★令和5年度川端康成文学館俳句コンクール
佳作:手を上げて道譲り合ふ秋の風  貴田雄介
★瀬戸市文芸発表会 窯句火第72号 俳句部門 
田口風子特選・ 加藤かな文入選 
秋風に乗り車椅子朗らかに  貴田雄介
 
***〈お知らせ〉***
・『現代俳句年鑑‘25』への参加のお願いします。
締切は、本年5月末、参加費は、5句で3千円。
既に投稿用ハガキは手元に届いていますが、協会ホームページからも入力できます。
・第61回現代俳句全国大会が、
本年11月16日、
「ホテル日航奈良」にて開催されます。
記念講演:坪内稔典「俳句の未来」
講評:高野ムツオ会長他
つきましては、投句をよろしくお願いします。
3句1組・2千円。何組でも可。
4月号『現代俳句』の巻末に投句用紙と振込用紙が綴じ込んであります。
Webからも投句できます。
7月31日(必着)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

熊本県現代俳句協会 会報 第26号

2024年(令和6年)5月15日 発行

編集発行人  加藤 知子

会 長    加藤 知子

熊本市北区龍田陳内三丁目 19番 27号

電話 :096 337 2062

メール:kumamoto_gendaihaiku@yahoo.co.jp

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
愚息の、
おそらく小学1・2学年の頃の落書き
うさぎのさかだち~
うさぎのてつぼう~
くまの玉のり~
ぞうのおてだま~
年季の入った段ボールの側面に描いてありました。
愉しい絵なので~
コメント