四季の書斎 世界は破滅に向かっている。

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バカのベール 御手に頼りて

2010年01月30日 22時04分03秒 | 文学・思想
古書頼りとは自己解決がなかなか出来ない人間が古書を読み古書を頼りにするという意味である。

本とは木に一本線が入るところから始まる。

紙は木から出来ていることは御存じであろう。
ヨーロッパやエジプトでは羊の皮を使っていた時代があり、エジプトではパピルスなども使われ、中国では竹に文字を書き、亀の甲羅文字を記入していた時代もある。

今では大抵のところで紙が使われている。

本とは基本的には社会の主軸である。
もし、本がなければわれわれは古代のことを理解することをできないであろう。
遺跡や生活用品が発掘されたりするが、それだけではいったい何のことであるかは理解できないと思える。

日本の歴史も世界の歴史も書き留められることは無かった。

本がなければ主要な宗教や哲学も継承されなかったであろう。
ヤスパースが「枢軸の時代」と言った仏教・基督教・儒教・道教・ギリシア哲学も今に伝わって来なかった。

本当のこととは、これらの古典書を当てがって自分の考えや行動を考える。
本質は本の質のことでもある。内容ある立派な考えの書物は立派に装幀される。

われわれの脳は、世界に対して正しい考えを導くことは困難である。
すべての生きるものは正しく考えることはできない。
そのためにも学習は必要であった。明治までは日本でも学習の必要性は事の他重要であり、ものごころ付いた頃から『論語』は必修の書物であった。つまり書物にも特別の書物があり、聖人の学問として重んじられたのである。

プラトンの『国家』に出て来る「洞窟の譬喩(ひゆ)」は重要である。
洞窟では人々は入り口を背にして経っており、光は外から洞窟の壁に向かって入ってくる。壁に映るのはわれわれの影であり、われわれそのものではない。ただし、我々は常に頭を固定され壁に移る影の世界しか見ることができない。結局、本当の存在物は知らないでこの世を去ることになる。

「バカは死ななきゃ治らない」あるいは「バカは死んでも治らない」のかもしれないのである。

なんとも恐ろしい世界に我々は迷い込んできたものである。
それにはそれなりの意味があるのだろうが、それを考えたのが宗教である。

ヤスパースの言う「枢軸の時代」は読書家ならことの他重要な書物が花開いた時代だと感じていることだと思う

確実に言えることはわれわれは「バカのベール」で包まれている。どのように数学を駆使しても技術を獲得しても、やはり「バカのベール」に包まれていることに気づかねばならない。

知れば知るほど「バカのベール」が溶解していくのを感じる。


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子供が生まれてくる。赤ん坊が生まれてくる。
その赤ん坊はすでに何をやるかどういう人生をたどるかは、はたして決まっているのであろうか?

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