四季の書斎 世界は破滅に向かっている。

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都市間の格差 唯物史観の『資本論』が読まれるようになってきた。

2010年09月28日 06時45分51秒 | 日毎起こること
東京から離れると、関東6県との開きは相当な差がある。


東京都
神奈川県
埼玉県
千葉県
群馬県
茨城県
栃木県

地価が高いという点は東京はダントツであるが、交通や衣食に関しては東京は安い。勿論高級レストランが有るところは東京と神奈川になるが、千葉や埼玉は少し落ち、他の県は格段に落ちていく。

上州はうどん、下野は餃子とラーメン、下総は梅干?

高崎も前橋もそれほどパッとしない。宇都宮に至ってはかなりのくすぶりを示している。水戸に至っては廃墟になりつつある。

交通の便が悪いから群栃茨らの道で、車がなくては生活ができない。三県を結ぶ50号線沿線では一家に一台ではなく、一人に一台の車が必要である。

そのため、交通費にかかる経費は莫大なものになる。ほとんど車のために仕事をしているようなものである。若者は車を持つために、運動着で過ごしている。

景気が悪いため時給は650円くらいから始まり、月の給料が12万円前後のところが多くある。自活している若者は、家賃と車代と保険で残りは幾らもない。

関東3県は飢餓海峡に近い。どうして関東なのかと訝ってしまう。

東京のように電車で移動バスで移動ということは、ほとんど考えられない。
車がないと市内の中でも行き着くことができない場所がたくさんある。
年寄りはまず無理である。

買い物も車の所有を前提にスーパーなどは郊外に移転している。
ほとんどの物は配達ではなく、車で持ち帰りであるから、手持ちできないような物は買うことができない。

つまり18世紀あたりの不平等社会に逆戻りになり、『蟹工船』や『資本論』が読まれるようになってきた。

そもそもマルクスの思想や社会主義の思想は、唯物論である。
物が主体で人間は物から生み出され、人間の価値は労働にある。つまりどれだけ生産に携わりどれだけ製品を生み出すかの価値に掛かっている。

そしてブルジョアとプロレタリアとの二分化の考えを広め、「万国の労働者よ、団結せよ!」というスローガンが生まれたのである。

しかし、今は団結するあてもない人々がこの国をさまよっている。携帯もインターネットも根本的には団結に使われることが少なく、分裂の要素をそこに持っている。

では、twitterで団結の要素が生まれているであろうか?

名々それぞれがそれぞれの好き勝手に生きるスタイルが定着しているから、ブルジョアに対向する手立てを全く持っていない。

頭の中には、問題意識も解決意識も湧いてこないようである。
生活の権利を主張することもなく、エチゼンクラゲのように、いつの間にか発生しフラフラと流れながら、いつの間にか消滅しているような存在でしかなくなっている。

そんな存在は支配者層からみれば痛くも痒くもない存在でしかない。
いくらでも首をきり、いくらでも値下げをし、欲しい時に求人を出せば集まってくる。
デフレの意味は労働者の価値のバロメーターである。

つまり安い賃金でも働くという、あのスタインベックの『怒りのぶどう』の世界である。怒りのぶどうでは怒りをもつ労働者たちが存在するが、いまの日本人は怒りさえ持たない。持っているのは携帯電話だけである。

人間の値打ちがなくなれば、価格が安くなるに決まっている。おざなりの国の決めた教育程度では、大学を出ても実力はたかが知れている。就職先はあっても実力が伴わないため、雇う気もしない。

社会は高機能の時代になっている。携帯電話を手放せなくとも、携帯電話の原理さえ勉強しようとはしないのである。英語は話せて当たり前、中国語も韓国語もロシア語も必要とされる。

つまり、積極的に学問を身につけることができないで、塾などへ行き、ただ教えてもらうことさえも理解出来ないで、どうして生活できるだけの賃金を稼げるというのであろうか。

海外からはどんどん優秀な人材がやってくる。やってこないのは医師の世界だけである。実力が表面に出て日本医師会の信頼を失うからである。

とにかく、高度知的社会にあって、知的でないものはTVのバラエティを見て馬鹿笑いしていればよい。賃金はますます安くなるであろう。

もし、嫌なら『資本論』位は読んで武装すべきである。翻訳ではなく、せめて英語で、さらにドイツ語で読めるようになれば、少なくとも650円の時給が980円以上にはなるであろう。知識を活用すれば時給1万円も現実のものになる。金儲けをする人間は時給100万円以上を稼ぎ、一般人の給料を独り占めにするであろう。

これが格差社会である。たぶん親たちは何のために勉強するかは判っていない。
たぶん、日光の猿と同じで、一冊の本も読んだことがない人たちであろう。

猿は工場で労働しなくとも良いが、人間は喰うためには労働をしなければならない。
豊かな家庭に生まれない限りは、50歳まで小遣いを貰える身分にはいないはずである。

天皇陛下にもやはり公務があるのだから、仕事をしないで小遣いをもらっている人間は極僅かで誰からも尊敬されない。

貧しくとも金がなくともシュリーマンのように労働しながら学習方法を見つけ、自らに義務を果たす人間になれば億万長者も夢ではない。携帯でゲームをやっているようなところに神はやってこないであろう。

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