元気の源

猫が大好き、動物が大好きな、パステル画家・山中翔之郎のブログです。

瞳・・・小宇宙

2011-11-08 02:31:34 | My Works -瞳シリーズ-
          『 Green Eyes 2 』


猫の瞳にフォーカスを絞って描いた小品群 “瞳シリーズ” の中の一点。

2000年7月に開いたボザール・ミュー第3回目となる個展は、ギャラリーの宮地オーナーと相談して、小品を中心に・・・ということになった。
その年の3月に開いた個展のテーマはノラ猫。 それからまだあまり間が空いていないということもあって、2回目とはちょっと違った雰囲気で・・・と考えた結果だった。

さて、小品とは・・・?
構想を練り始めた時に、まず浮かんだ疑問だった。
もちろん小さな作品であることは言うまでも無いが、ただ単にサイズの問題だけではないような気がした。
小さな画面だからこそ表現できることは・・・?
考えたに考えた抜いた末に思い浮かんだのが、顔の“どアップ”だった。
猫の持つ魅力の象徴ともいえる“瞳”を中心に、実物よりも大きくなっても構わないから・・・と開き直った。 場合によっては耳が入らなくてもよい。 両の眼と、その中央やや下に位置する鼻の三角形にヒゲが加われば、もうそれだけで猫の魅力を充分に表現出来るのではないかと考えた。
果たして・・・、この作品と同じような“どアップ”構図で、様々な色をした何種類もの猫の瞳の絵が出来上がった。 

宮地オーナーによって、個展のサブタイトルが付けられた。
それが今回のブログタイトルに使った『 瞳・・・小宇宙 』 。
出来上がってきたDMに印刷されたその文字を見たとき、正直なところ何だか少し照れ臭かった。
しかし、初日を翌日に控えて飾り付けを終え、ギャラリーの中央に立って周りを見回した時、決して広いとは言えないその空間がその時だけはいつもよりずっと広く感じられた。
素敵なサブタイトルを付けていただいたオーナーに、心の中で感謝した。


前回の話題とちょっとばかりリンクするが、中学を卒業してからもずっと付き合いが続いている数少ない同級生の一人にO君がいる。
彼は私が絵の世界に飛び込んでからもずっと、家族ぐるみであたたかい応援をし続けてくれている。 
今回取り上げた『 Green Eyes 2 』を購入してくれたのは、その親友O君だった。

この絵と同じチンチラゴールデンを飼っていて、そのコを譲り受けた先にお礼として・・・ということだった。
その後この絵がどうなったのか、O君から聞かされることもなく、またこちらから敢えて尋ねることもしないまま何年間かが過ぎた。 そして・・・・・・、
「そういえば、あの絵は・・・?」
何回目かの個展にご夫婦で来てくれたO君をつかまえ、思い切って訊いてみた。
するとちょっぴりバツの悪そうな笑みを浮かべながら、傍らの奥さんと顔を見合わせ、
「実は・・・」
ご自分たちがとても気に入ってしまって、結局は自宅の壁に・・・とのこと。
「な~んだぁ・・・」と、わざとらしく呆れ顔をしながら、本当は心の中でめちゃくちゃ嬉しがっている自分がいた。

この絵の中の瞳を思い出すたびに、O君の人懐っこい笑顔が重なって見える。
彼とのかけがえのない友情を、いつまでの大切にしていきたいと思う。
コメント (4)
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