『 寧音 永遠のまなざし 』 パステル(擦筆による) 32cm×24cm
10月前半の横浜Art Gallery山手での個展では、目玉として描いた“ 瞳シリーズ ”の新作3点が当然のように来廊された方々の人気を集めていた。
その一方で、その3点に負けず劣らずの注目を集めた作品があった。 それが今回ご紹介するこの作品『 寧音 永遠のまなざし 』だった。
実際にお出かけいただいた方なら覚えていらっしゃるかもしれないが、ギャラリーに入って左側の大きな窓に続く壁・・・ワンちゃん作品『 信頼 』の下に、まるで窓の外の景色を眺めているように飾られていた。
何人もの方々がその前で足を止め、少し腰をかがめるようにしてじっと見入っていた。
しばらくすると、静かにこちらを振り返りながら・・・、
「 これは・・・? 」
そのあとに続く言葉は様々だったが、そのどれもに共通していたのは何か不思議と惹かれるものを感じて・・・ということだった。
そのたびに、私は幾度となくこの絵のエピソードをお話しした。
タイトルにある“ 寧音 ”は「 ねね 」と読む。 絵の中の子の名前。
つまりこの作品は寧音ちゃんの肖像画として描いたものだった。
山口県下松市在住の N さんご夫妻とは、まだ私がボザール・ミューで個展をやり始めたころに一度お会いしただけだった。 遠路ということもあって、個展のたびにご案内させていただいても、そう簡単にお出かけいただくわけにはいかなかった。
それでもいつもご丁寧にお手紙をいただいたり、元さんが旅立った時には手作りのフラワーアートをいただいたり・・・、そんなお付き合いをずっとさせていただいていた。
今年の4月、シャトン・ド・ミューで最後の個展の時に何年か振りでおでかけいただき、寧音ちゃんの肖像画のご依頼をいただいた。
実は昨年11月に寧音ちゃんはお星さまになっていた・・・。
その後メールでのやり取りを積み重ねながら、N さんがイメージされている絵の雰囲気を段々と絞っていった。
元さんを描いた擦筆画作品の感じを望まれていたので、同じように擦筆を使うことにした。
しかし、いわゆるモノトーンにしてしまうと、ちょっと物足りなさを感じた。
そこであくまで擦筆を使った描き方で、モノトーンを基調にしながらも、眼と毛並みの部分には本来の色を感じさせる色味を加えることにした。
擦筆画の中で新たな試みをするチャンスをいただいた。
そして出来上がったのが、この『 永遠のまなざし 』だった。
「 もしできることなら、個展で飾っていただけますか・・・ 」
そんな N さんのご希望に、Art Gallery 山手の雰囲気はピッタリだった。
会期中には遠路お出かけいただいて初対面!
お二人の表情を見て、ホッ・・・。
やっと私の中で「完成」の二文字が浮かんだ。
改めて思った。
肖像画はそのご家族の思いが描かせてくれるのだと・・・。
そしてその子を愛するその思いが絵に宿り、今回ご覧いただいたたくさんの方々にも、他の作品とはちょっと違った何かを感じさせたのだろう。
今は既に N さん宅の窓際に飾られている・・・。
寧音ちゃん、絵の中で永遠に・・・!
10月前半の横浜Art Gallery山手での個展では、目玉として描いた“ 瞳シリーズ ”の新作3点が当然のように来廊された方々の人気を集めていた。
その一方で、その3点に負けず劣らずの注目を集めた作品があった。 それが今回ご紹介するこの作品『 寧音 永遠のまなざし 』だった。
実際にお出かけいただいた方なら覚えていらっしゃるかもしれないが、ギャラリーに入って左側の大きな窓に続く壁・・・ワンちゃん作品『 信頼 』の下に、まるで窓の外の景色を眺めているように飾られていた。
何人もの方々がその前で足を止め、少し腰をかがめるようにしてじっと見入っていた。
しばらくすると、静かにこちらを振り返りながら・・・、
「 これは・・・? 」
そのあとに続く言葉は様々だったが、そのどれもに共通していたのは何か不思議と惹かれるものを感じて・・・ということだった。
そのたびに、私は幾度となくこの絵のエピソードをお話しした。
タイトルにある“ 寧音 ”は「 ねね 」と読む。 絵の中の子の名前。
つまりこの作品は寧音ちゃんの肖像画として描いたものだった。
山口県下松市在住の N さんご夫妻とは、まだ私がボザール・ミューで個展をやり始めたころに一度お会いしただけだった。 遠路ということもあって、個展のたびにご案内させていただいても、そう簡単にお出かけいただくわけにはいかなかった。
それでもいつもご丁寧にお手紙をいただいたり、元さんが旅立った時には手作りのフラワーアートをいただいたり・・・、そんなお付き合いをずっとさせていただいていた。
今年の4月、シャトン・ド・ミューで最後の個展の時に何年か振りでおでかけいただき、寧音ちゃんの肖像画のご依頼をいただいた。
実は昨年11月に寧音ちゃんはお星さまになっていた・・・。
その後メールでのやり取りを積み重ねながら、N さんがイメージされている絵の雰囲気を段々と絞っていった。
元さんを描いた擦筆画作品の感じを望まれていたので、同じように擦筆を使うことにした。
しかし、いわゆるモノトーンにしてしまうと、ちょっと物足りなさを感じた。
そこであくまで擦筆を使った描き方で、モノトーンを基調にしながらも、眼と毛並みの部分には本来の色を感じさせる色味を加えることにした。
擦筆画の中で新たな試みをするチャンスをいただいた。
そして出来上がったのが、この『 永遠のまなざし 』だった。
「 もしできることなら、個展で飾っていただけますか・・・ 」
そんな N さんのご希望に、Art Gallery 山手の雰囲気はピッタリだった。
会期中には遠路お出かけいただいて初対面!
お二人の表情を見て、ホッ・・・。
やっと私の中で「完成」の二文字が浮かんだ。
改めて思った。
肖像画はそのご家族の思いが描かせてくれるのだと・・・。
そしてその子を愛するその思いが絵に宿り、今回ご覧いただいたたくさんの方々にも、他の作品とはちょっと違った何かを感じさせたのだろう。
今は既に N さん宅の窓際に飾られている・・・。
寧音ちゃん、絵の中で永遠に・・・!