元気の源

猫が大好き、動物が大好きな、パステル画家・山中翔之郎のブログです。

めぐる思い

2013-03-30 13:34:09 | 日記
     『 めぐる思い 』     



望むと望まないとにかかわらず、また一つ年を重ねた。

この時期はいつもバタバタしていて、何やら落ち着かない気持ちのままに新たな一年が始まってしまう。
冬から春へ・・・大きな季節の移り変わりの真っただ中。 
一般的には年度替わりの時期。
そして私個人にとっては、間近に迫った毎年恒例となっている個展の準備に追われて、青息吐息の毎日。


今年も4月15日(月)から21日(日)までの一週間、銀座のボザール・ミューで個展を予定している。
春はノラ猫をテーマにして描くことが多かったが、一昨年2月の愛猫元さんとの別れのあとの2回は、元さんを偲んで描いた作品が中心だった。
さて今年は・・・?
何か冒険をしてみたいと思った。
冒険・・・というと大袈裟に聞こえるが、ギャラリ-内の雰囲気をこれまでとはちょっと違う空間にしたいと思った。

昨年から少しずつ描くようになったペン描作品と、これまでずっと続けてきた色彩豊かなパステル画をコラボさせてみようと思う。
懐かしい作品に今の気持ちを描き加え、新たな色彩溢れる世界に・・・。 そこにペン描に黒・セピア系・白だけの最小限の色を加えただけで描いた作品と、ペンだけの小品を混ぜて展示することで、眼だけでなく心で見る色彩・・・を感じていただければと思う。

はたしてどうなることやら?
カッコいいことばかり言ってしまったが、ただのごちゃごちゃ展示になってしまうかも・・・???
まあ、それならそれなりの楽しみ方もあるのかな・・・と余り堅苦しく考えず、お出かけいただいた方々と一緒に楽しいひとときを過ごせればと願っている。


今日ご紹介した『 めぐる思い 』は、2006年秋の個展に初出品した作品。
その後まったくと言っていいほど展示する機会の無いままだったが、今回の個展の構想を練っている時にふと頭に浮かび、どうしても皆さんにご覧いただきたくなって出品リストに入れた。
このタイトルも、今の自分の気持ちにどこか通じるものがあるのかもしれない。

一方もうすぐ出来上がってくるDMには、この『 めぐる思い 』とは全く違った雰囲気の新作を使うことにした。 
まさに『 めぐる思い 』の色彩に対して、モノクロ・・・。
その画像はまた改めて個展のご案内の時に・・・。


知らず知らずのうちに、いろいろ思いをめぐらせている自分がいる。
そんな時の視線は・・・、過去を向いている時の割合が少し多くなってきているように感じる。
年を重ねれば、それも当然なのかもしれない。
しかし、人生まだまだこれから!
もちろんこれまで歩んできた道程を、そして数々の素晴らしいご縁を大切にしながら、昨日よりも明日に向かって大いに思いをめぐらせたいと思う。
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待ちわびた瞬間(とき)

2013-03-25 14:48:03 | My Works -ノラ猫たち-
               『 待ちわびた瞬間(とき)』



この冬は例年になく厳しい寒さだったのに、春の気配が感じられるようになったと思う間もなく、気が付いたら桜が満開に・・・。
季節の移り変わりの早さになかなか付いていけない自分がもどかしい。
寒さに縮こまりながらあんなにも待ちわびていた春の訪れ・・・。
その象徴ともいえる桜を大いに楽しまなくては!



今回ご紹介する作品のモデルは、江東区深川の富岡八幡宮近辺に住むノラ。
初めて出逢った時、「前世は深川芸者?」と思えるような“品”を感じさせるたたずまいに惹かれた。
たまたま気が向いて通り掛かっただけだったので、残念なことにカメラを持っていなかった。
その後そのコに会うのが目的で、カメラを片手に何度も同じ場所へ出かけた。 しかし、間が悪かったのかなかなかその姿を見つけることができなかった。

そうして半年ほどが過ぎた翌春のある日、(今日も会えないかな・・・)と、半分あきらめ気分で同じ場所へ向かった。
再会は突然だった。
その辺りでもひときわ立派な桜の樹の根元が植込みの切れ目から見えた時、そこに彼女(多分?)が・・・居た。
長い年月を感じさせる大きな瘤のように盛り上がった根の上に、まるでそこが自分のために用意された舞台であるかのように、どん・・・と座っていた。
斜め後ろからの逆光に白毛の輪郭が輝いて見えた。
まさに“待ちわびた瞬間(とき)”だった。
多分しばらくの間、身動き一つせずに固まっていたと思う。
少しでも動いたら、彼女がさっと姿を消してしまいそうな気がしたのかもしれない。
しかし彼女はそんな私の不安を無視するかのように、泰然自若といった様子で、スッと目を細めた。
それからどれくらいの時間だったかはっきり覚えていないが、「久し振り」「元気だった?」「邪魔してごめんね」「もう一枚、もう一枚・・・」などと口走りながら、私は無我夢中で持参したカメラのシャッターを押し続けた。
当時はまだフィルムカメラ。 気が付いたら36枚撮り1本をすべて撮り終えていた。

そのあともたびたび彼女に会いに出かけたが、遠目で“らしき”姿を見ることはあったが、あの時のように対峙することは二度と無かった。

彼女の姿を絵にすることができたのは、再会の時からさらに数年経った2010年春のノラ猫個展。
その時は、彼女との出逢いと再会の喜びだけを思いきり描いた。



そしてそれから一年後、あの大震災が起きたすぐの個展に再びこの絵を出品した。
もちろんただ数を合せるためなどではない。
新たな思いを込めて、彼女の足元から伸び始めた新芽と、頭上の幹からちょこんと出ている蕾を描き加えた。

被災された方々が、今何を望み、その実現をどれほど待ちわびているか。
それはきっと人それぞれ、様々なのだろう。
そしてその中には、失われた尊い命・故郷のなつかしい景色との再会も・・・。
たとえそれが現実的には不可能だとしても、せめて心の中で再会してほしい。
そのためにも、新たな日々の想い出を少しずつ紡ぎながら、平穏な生活を取り戻すことができますように・・・。
毎年春の訪れとともに咲く桜の花が、きっとそれぞれの待ちわびる瞬間を引き寄せる力になってくれる。 そんな気がした。



たいして遠いわけではないが、もう何年も彼女と出逢ったあの深川の秘密の場所(?)に行っていない。
久し振りに行ってみようかな・・・。
初めて会ってからもう10年余りが過ぎている。
今も元気にしているだろうか?
それとも・・・???
たとえ彼女とは会えなくても、きっとあの桜の樹はそのままで、今年もたくさんの花を咲かせているのだろう。
待ちわびた瞬間の感動・・・その名残りだけでも感じることができるかもしれない。
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神戸から名古屋へ・・・

2013-03-25 14:41:59 | 展示会

しばらく振りになってしまいました。

その間に桜は満開に・・・。

そして神戸で開かれていた“ 震災で消えた小さな命展 2 ”は無事終了。
残念ながら私は行くことができませんでしたが、ホームページを覘いてみると、たくさんの方々にご覧いただけたとのこと。
本当にありがとうございました。

引き続き明日26日から、今度は場所を名古屋に移して開催されます。
お近くの皆さま、春休みに名古屋方面へお出かけの皆さま、ぜひお立ち寄りください。

詳しくは下記の通りです。


 ◆2013年3月26日(火)~3月31日(日)
会場: 愛知県名古屋市/名古屋国際センター第2展示室(4F)

住所: 〒450-0001 愛知県名古屋市中村区那古野1丁目47番1号
時間: 10:00~20:00(最終日は17:00まで)
入館料:無料
電話: 052-581-5679



以下会期中に開かれるイベントのご案内です。


 東日本大震災復興支援チャリティー
 震災で消えた小さな命展 お話し会

うさ(画家・絵本作家、「震災で消えた小さな命展」代表)
                ×
松田朋子(漫画家・「震災で消えた小さな命展」参加作家)
日時: 2013年3月26日(火)
午後2時~4時(午後1時半受付開始)
場所: 名古屋国際センター第一研究室
〒450-0001 愛知県名古屋市中村区那古野1丁目47番1号
参加費: 無料
お問い合わせ、お申し込みは...
      受付窓口/伊藤まで
      電 話:090-4194-7803
      メール:liaisonsirakabe12@mediacat.ne.jp


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“ 小さな命展 2 ” 神戸へ

2013-03-10 01:12:02 | 展示会

京都での展示を6日に終了した“ 震災で消えた小さな命展 2 ”は、13日から神戸に場所を移して開催されます。

神戸展の会場は、大丸神戸店の美術画廊とのこと。
本展と併せて、参加作家が2点ずつを出品しての展示販売会も開かれます。
こちらの売上の一部は、震災関係先へ寄付されるとのことです。

私が出品作のうちの1点が、この『 初めて君と逢った日 』。

              
              『 初めて君と逢った日 』


震災の前年、2010年春のノラ猫個展に描いた作品。

縁あって家族の一員となった動物たちが震災の犠牲になってしまったことは大きな大きな悲しみ・・・。
しかし初めて出逢った時の目の輝きは、きっといつまでも心の中で光を放ち続けてくれることと思います。
タイトルにそんな願いも込めて、この絵を選びました。

参加作家皆さんそれぞれの思いがこもった作品ばかりがずらりと展示されます。
どうかたくさんの方々にご覧いただけますように・・・!

詳細は下記の通りです。


2013年3月13日(水)~3月19日(火)
会場: 兵庫県神戸市/大丸神戸店7階美術画廊
住所: 〒650-0037 兵庫県神戸市中央区明石町40番地
時間: 10:00~20:00(最終日は17:00まで)
入館料:無料
電話: ぎゃるりー神戸/078-251-8880
※「参加作家展」も同時開催。「参加作家展」の絵は販売もいたします。

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2013 黒猫展 終了しました!

2013-03-02 11:37:33 | 日記

2月28日をもって、今年のボザール・ミュー黒猫展が終了いたしました。
寒い中をお出かけいただきました皆さま、本当にありがとうございました。

私の第二の人生、絵描きとしての始まりの場ともいえる黒猫展・・・。
1999年から毎年参加し続け、今回で15回目が無事に終わりました。

毎回黒猫展終了と同時に3月がスタートします。
“ 3月 ”という言葉を見ただけで、いよいよ春近し・・・と心はうきうき。
しかし2年前にあの大震災が起きてからは・・・、昨年、そして今年と、春の気配を感じる喜びと同時に、改めて気持ちの引き締まる思いがします。

黒猫は幸運の招き猫と言います。
あの大震災で犠牲になったたくさんの尊い命のご冥福を改めてお祈りするとともに、今もなお復興の道程を歩み続けている方々の元に、あの時の悲運を超えて余りある幸運が訪れることを願うばかりです。

“ 当たり前 ”であることのありがたさに感謝しつつ、また来年も当たり前のように黒猫展が開催され、新たな気持ちで春の訪れを迎えることができますように・・・。

ご来廊、ありがとうございました。
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