元気の源

猫が大好き、動物が大好きな、パステル画家・山中翔之郎のブログです。

思わず ちょっかい

2010-05-31 17:21:09 | My Works -ノラ猫たち-
今回の作品のタイトルは 「思わず ちょっかい」
4月のノラ猫個展に出品した新作の一つです。

以前ご紹介した「ぽかぽか ごろん!」のモデルになった子と同様に、谷中のノラの中でも愛想の良さBEST 3 に入る三毛がモデルです。
正確に言うと・・・、愛想が良いというより、目立ちたがり屋・・・かな?

初めて逢ったのは、もう7~8年も前のことです。
ノラの姿を探して共同墓地の中をウロウロしていると、かなり離れたところからこちらをじっと見ている一匹の三毛・・・。
目が合うやいなや、小走りで近づいて来るではありませんか。 そして4~5メートルほどまで近づくと急にそのスピードを緩め、ゆっくりと歩き始めました。
その足取りは、まるでファッションモデル気取り・・・。
「どう? あたし、なかなかの美猫でしょ」とでも言わんばかりに、長い尻尾をピンと立てて、おすまし歩き・・・。
思わず取材用カメラでカシャ、カシャ、カシャ。
すると、ファインダーの中のその子が急に立ち止まり、左手(前足?)でチョンチョン、何かに向かってちょっかいを出し始めました。
先ほどのモデル然とした姿は何処へやら・・・。 すっかり猫の本能丸出しのしぐさに、シャッターを切りながら思わず笑ってしまいました。

この三毛、正確な年齢は本人(猫)に訊いてないので分りませんが、その時はたぶん2~3歳・・・? 猫としては一番元気な盛りです。
自信に満ち溢れた姿といい、好奇心旺盛なところといい、まさに若さの象徴でしょうか。
「最近、忘れてやしませんか?」
そう言われそうで、ドキッとします。

“ちょっかい”というと誤解を招くかもしれませんが、年齢に関係なく、いつも、いつまでも、いろいろなことに好奇心を抱く気持ちを持ち続けていきたいものです。
とりあえず“ちょっかい”を出してみないことには、本当の魅力はわからないかもしれませんから・・・???


モデルの三毛ちゃんにはしばらく逢っていませんが、相変わらずあちこちにちょっかいを出しながら、元気にすまし顔で歩いていてもらいたい・・・。
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白黒猫展のご案内

2010-05-28 00:22:53 | 展示会
明日5月29日(土)から6月5日(土)までの8日間、銀座ボザール・ミュー恒例の白黒猫展に出品します。

DM左側の作品は、4月のノラ猫個展に出品した「ちょっ!ちょっ!ちょっ!」です。
前回取上げた 「キラキラ 木洩れ日がゆれる」も出品する予定です。

この真面目な(?)2点のほかに、墨とパステルで描いた遊び心いっぱいの小品も2点出品します。
例えば、こんな・・・↓

  

私の他にも、たくさんの作家さんたちの魅力的な白黒猫作品が並びます。
ぜひお出掛けください。

詳しくはボザール・ミューのホームページを・・・。
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キラキラ 木洩れ日がゆれる

2010-05-27 02:15:46 | My Works -ノラ猫たち-
それは・・・、今にして思うと不思議な感情でした。

まだ絵の世界でヨチヨチ歩きを始めたころのこと。

「わぁ、写真みたい・・・」

私が描くような写実的な絵に対して、それはたぶん間違いなくお褒めの言葉だと分っていても、なぜか素直に受け止めることができない自分がいました。

(写真ではなく、絵・・・です!)

心の中でそんな訳の分らない反発をしながら、きっと中途半端な笑顔を浮べていたような気がします。
突っ張っていたのかな?
自分の絵に、自信が持てなくて・・・。

それが・・・、いつの頃からでしょうか???
あれほど感じていた抵抗感は姿を消し、「ありがとうございます」とお礼の言葉が自然と口から出るようになっていました。
ある日突然・・・とか、何かきっかけがあって・・・という訳ではありません。
あえて言うなら・・・、少しずつ少しずつ絵描きとしての経験を重ねることで、多少は素直になった・・・ということ???


どうか誤解のないように・・・。
私はけっして写真嫌いではありません。
むしろ子供の頃から大の写真ファン。 絵の方がずっと苦手でした。
まだ小学生だというのに、父親に散々ねだって買ってもらったカメラは、生意気にもペンタックスの一眼レフ。
それを初めて手にしたときの嬉しかったことといったら・・・。
そのズシッとした重量感、フォーカルプレーンの軽快なシャッター音を、今でもはっきりと覚えています。
現在でも絵の制作の参考資料として、写真は欠かせない存在です。
特にノラ猫の取材には、絶対必要不可欠!
写真の持つ表現力に惹かれながら、素人なりの写真を撮っています。


最近年齢と共に素直さが増し(?)、私が感じる写真的な魅力を、自分の絵の中にも取り入れてみたいと思うようになりました。
4月のノラ猫個展では、そんな思いが込められた作品も何点か・・・。

「キラキラ 木洩れ日がゆれる」は、その代表作ともいえるものです。

焦点の合わない木洩れ日の様々な光が丸くなってゆれる様は、まさに写真的な望遠効果(専門用語は分りません)の素晴らしさ!
この雰囲気が大好きで、お気に入りのノラをどうしてもその中に描いてみたかったのです。


「わぁ、写真みたい・・・!」

この絵に対するこの言葉は、これまでいただいてきたものとはまた一風変わった意味を持つ、特別な褒め言葉なのです。

「ありがとうございます」

たぶん満面の笑みでそう答えると、まるでおまけのご褒美をいただいたような言葉が続きました。

「でも・・・、これ・・・、絵なんですよね」

ニヤッとしながら、心の中で(ヤッタァ!)

あのころのムキになっていた自分が、ちょっと恥ずかしい・・・。

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四匹の仔猫

2010-05-25 00:28:06 | My Works -肖像画-
「うちの子たちの絵を描いてくれる?」

1999年1月、まだ私が絵の世界に飛び込むよりも前、従姉妹からそんな話がありました。

(えっ、人物画?)

勝手にそう思い込んだまま、手渡された写真を見た途端に思わず大笑い。
そこには四匹の可愛い仔猫が写っていました。
そう・・・、家族の一員である動物たちはみんな“うちの子”。 その頃の私は、まだそういう言い方に慣れていなかったようです。

その四匹、当時はすでにバラバラに貰われていった後。
愛くるしい一緒の姿を絵に残しておきたい・・・とのことでした。
きっと私に対する心配と励ましの気持ちから、懐かしい写真を探し出してきてくれたのだと、今でも感謝しています。

もとになったその写真、実はひどいピンボケでした。
同じような色合いのチンチラ四兄弟姉妹。
一見どれも同じように見えて、う~~~ん。
それでも何とかそれぞれの個性を見つけようと、何枚も必死にデッサンを描いたものです。


その時から10年近く経ったころ、この絵と再会する機会がありました。
改めて四匹を目の前にすると、当時の自分を懐かしく思い出す一方で、その絵と初めて逢ったような不思議な感覚を覚えました。

ふと思う時があります。
絵は、その作者がサインを入れた時が“完成”ではないのかもしれないと・・・。
それは確かに大きな一区切りであることに間違いありません。
しかし、それが“完結”ではないように思えるのです。
制作依頼をいただいたり、個展などで買い上げてくださったり、そのきっかけはいろいろでも、一旦作者の手を離れた瞬間から、絵は一人歩きをし始めている・・・。 そしてそれぞれの新しい環境が、更にそこで大切にしてくださる方々の思いが、その絵を熟成させてくれるのではないかと・・・。

だからかもしれません・・・。
久し振りに自分の絵と再会すると、確かに自分自身が描いた絵なのに、「よく描けたな、こんな絵・・・」と思ってしまうは・・・。

技術的なことは超えて、その時にしか描けない絵がある。
いや、本来絵とはそういうものなのかもしれません。
少なくとも、私が描く絵はそうでありたい。
その時その時の私が、きっと全身全霊を込めて描いているはずだから・・・。
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いつもそこに君がいる

2010-05-21 15:47:49 | My Works -我が家の元さん-
君にそんな顔でジッと見られると

心の中を全部読まれているような気がする

20年近く付き合ってきたのだから

そんなことぐらい当たり前かな

ただ人間の言葉を話せないだけ

いや 話さないだけ?

ぼくらの言っていることは みんな分っているんだろうな

ときどき自分に都合の悪いことだけは

分らない振りをしているようだけど


ありがとう


君がいつもそこにいてくれるだけで

その穏やかな息づかいとぬくもりを感じているだけで

それだけで ぼくは十分・・・
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東急たまプラーザ 展示終了

2010-05-20 00:50:54 | 展示会
東急百貨店たまプラーザ店で開かれていた「猫を描いた作家展」が終了しました。

私は15日土曜日の一日だけでしたが会場にいました。

それをご存知で来てくださったのでしょうか?
お母さまと息子さんのお二人から、愛犬の肖像画のご依頼をいただきました。
そう・・・、「ペットの肖像画承り会」も同時開催されていたのです。
お預かりした3枚の写真を見ながら、その子の自慢話や、絵にする上でのいろいろなご希望を聞かせていただきました。
その時の、お二人の嬉しそうな顔といったら・・・。
まさに家族の一員なのですね・・・。
肖像画を描く時、それは犬も猫もどんな動物も関係なく、飼い主さんの愛情を直接感じることが出来るのは何よりもの助けとなります。
「よし! 精一杯描くぞ!」
思わず気合が入ります。

同じ日に、後ろ姿の白猫をつれて帰っていただいたKご夫妻。
そして、オッド・アイ(金目銀目)の白猫と、スヤスヤ眠る仔猫の里親になってくださったWさん。
更に、直接お会いできませんでしたが、会期中お出掛けいただいた皆様。
本当にありがとうございました。

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ワンコも大好き!

2010-05-18 15:31:22 | My Works -ワンコたち-
「ワンちゃんの絵は描かないんですか?」
よくこんな質問をいただきます。

ズバリ・・・・・・描きます!

「猫が大好き、動物が大好き・・・」とブログタイトルに添えてあるとおり、猫だけでなく、犬も、そのほかの動物も大好きですから・・・。

確かに猫の作品が一番多いのですが、機会さえあれば他の動物も描いています。
特に犬の絵は肖像画として描く場合がほとんど・・・。
これまでに描かせていただいたその数は、猫の肖像画と比べても決して引けを取らない・・・どころか、多いくらいです。
ただし当然のことですが、肖像画は完成と同時に納めてしまうので、飼い主さん以外の方々にご覧いただくことはまずありません。
文頭のような質問をいただいても不思議はないのかもしれませんね。


それでも、肖像画とは別に描いた犬の絵が数点ですが手元にあります。
今回はその中から2点を・・・。

まずは、犬の絵として一番最初に描いた作品 「Long Ears」
サインと共に書いてある「’98」という年代のとおり、まだ絵を描くことを仕事にする以前の作品です。
バセットハウンド特有のこのダラ~とした何とも愛嬌のある顔を絵にしてみたいと、画材に関する知識も、技術的な経験も無いまま、ただがむしゃらに描いたことを今でもはっきりと覚えています。
自分自身が描いた絵にもかかわらず、もう一度同じように描いてみようと思ってもそれを許さない、“無心”の大切さを感じます。


もう1作は柴犬をモデルに描いた 「待ちぼうけ」



この子の肖像画を描かせていただいたとき、何枚かお預かりした写真の中にものすごく惹かれる1枚が・・・。
肖像画とは別にどうしても自分の為に描きたくなりました。
これはそうして出来上がった作品です。

毎年1月に開いている築地・聖路加画廊での個展の際は、必ずこの作品を展示しています。
肖像画の見本も兼ねながら、やはりたくさんの方々にご覧いただきたくて・・・。

「参考出品」という表示に、「え~っ、売ってくれないんですか~~~?」と残念がってくださる方が毎回いらっしゃいます。
「もしその気になったら、私が一番だから・・・」と、冗談とも本気ともつかない、嬉しい言葉をくださる方も・・・。

ありがとうございます。
でも・・・、ごめんなさい。
当分は気が変わりそうにありません。
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ぽかぽか ごろん!

2010-05-14 02:56:06 | My Works -ノラ猫たち-
4月のノラ猫個展出品作から「ぽかぽか ごろん!」

モデルは谷中のノラ。
共同墓地には何匹ものノラ猫がいますが、その中でもこの子の愛想の良さは一番。

「やあやあお久し振り。 また来てくれたの・・・」

取材に訪れるたびに、どこからともなく現れては、目の前でごろん!
まるでそれが挨拶かのよう・・・。
ノラ猫はなかなかお腹を見せたりはしないものですが、よほど人に慣れているのでしょうか。
そんな無防備なポーズでの歓迎は、けっして悪い気はしません。
もしかしたら、飼い猫出身の家出組?
一見なんの苦労も知らないように見えるその表情の裏には、他人ニャー話せない波乱万丈の人生・・・いやニャン生が隠されているのかもしれません???

ぽかぽか陽気の中で、右に左に、ごろん、ごろん・・・。
その気持ちの良さそうな顔を見ているだけで、体じゅうが優しい気持ちでとろけそうになり、思わずニコニコしている自分が嬉しくなります。


最近では谷中に住むノラ猫の数がだいぶ減ってきたと聞きます。
そりゃ好き嫌いは人それぞれで、猫の苦手な人にとってはノラ猫の存在など許せないのかもしれません。
しかしその一方で、一匹のノラ猫との出会いがその人の心に潤いを与え、けっして大袈裟ではなく生きる力になることもあるのです。

ノラ猫たちにも多少の協力はしてもらうとしても、頭の良いはずの人間たちが、ただ好き嫌いを主張するだけでなく、お互いにもっと知恵を絞りあってもいいのではないでしょうか。
同じ地球で、同じ日本で、同じ町で、ずっと前から共存してきたのですから・・・。
ノラ猫もいないような世の中になったら、それはちょっと寂し過ぎます。


ああ、また“ごろんちゃん”に会いたくなってきました。
元気にしてるかな・・・?
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百貨店展示のお知らせ ふたつ

2010-05-12 00:00:34 | 展示会
・東急百貨店たまプラーザ店

 5/13(木)~19(水)の一週間、東急百貨店たまプラーザ店4階のアートサロンで開催される「猫を描いた作家展」に出品いたします。

 小品も含めて10点余り。
 元さん作品のほかに、仔猫作品も・・・。

 
 
 前回ご紹介した「やっと気付いてくれた・・・」が、チラシに登場しています。

 15日(土)13:00ごろから17:00ごろまで会場にいる予定です。
 お近くにお出掛けの際は、ぜひお立ち寄りください。
 
 詳しくは東急百貨店たまプラーザ店のホームページを・・・。



・プランタン銀座

 5/21(金)~27(木)の一週間、プランタン銀座恒例「猫・ねこ・ネコ アート&グッズフェア」 “ボザール・ミュー”のブースに出品いたします。

 もう37回目になるのですね。
 ボザール・ミューさんはその第1回目からずっと出展し続けているとのこと。
 スゴイッ!
 
 私の作品は2~3点ですが、このブログでご紹介した「ハラハラ 初めて塀の上」も出品予定です。
 ぜひ原画をご覧ください。

 詳しくはプランタン銀座のホームページを・・・。
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感激! エッグアートの世界

2010-05-10 15:36:08 | 日記
昨日、フォーシーズンホテル椿山荘で催されたエッグアート展に行ってきました。

作者の清水和美さんとは、猫ご縁・・・とでも言ったら良いのでしょうか。
これまでに何回となく私の個展に来てくださっています。

もう5~6年ほど前のこと。
個展中にお持ちいただいた清水さんの作品を通じて、初めてエッグアートというものの存在を知りました。
あの頃はまだ始められたばかりだったのでしょうか。

ニワトリのそれよりは少し大きい(カモかアヒル? それともダチョウ???)卵の殻の中に広がる不思議な世界に、なんとも言いようのない感動を覚えました。
それ以来、「ぜひ個展を・・・」と、お会いするたびに勝手な希望を・・・。
それが今回ついに実現され、本当に嬉しくてたまりませんでした。

“朗読ミュージカルから生まれたタマゴたち”というタイトルが付けられてあるように、その公演会場内に展示され、ミュージカルに登場する様々な種類の動物たち・いろいろなシーンが、ほんの10~15cmほどの直径しかない空間の中で見事に表現されていました。
その緻密で繊細なことといったら・・・。
ただその作品を見るだけでも驚きなのに、そのモチーフとなったミュージカル鑑賞と同時に・・・ということが、更に楽しさを増してくれたようです。

その方法は違っても、同じ表現者としてたくさんの刺激とエネルギーをいただきました。
素敵なひとときを、本当にありがとうございました。


残念ながら、画像がありません。
可能ならば、あとからでもアップしたいと思います。
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やっと気付いてくれた・・・

2010-05-08 01:59:58 | My Works -我が家の元さん-
個展前などの追い込みの時期は別として、私の制作時間は、基本的に夜中。

なぜか昼間は、自分の周りの空気が動いている気がして、どうも集中できません。
家族がそれぞれの部屋に戻り、外を走る車の音が聞こえなくなる、夜も日付が変わる頃・・・。
ざわついていた空気が落ち着きを取り戻し、スッとその動きを止めたかのように感じられる瞬間があります。
そこからが本格的な制作タイム。

夜中の2時を過ぎれば、集中力もMAXに・・・。
そんなとき・・・、足元のあたりにフッとある気配を感じることがあります。

思わず目をやると、そこにはただジッとこちらを見上げてる元さんの姿が・・・。
いつからそこにいたのだろう???

「やっと気付いてくれたか・・・」

その瞳は、明らかにそう言っています。
体じゅうから力がス~~~ッ。

「なんだよ、ノッてるところだったのに・・・」

一応文句を言いながら、元さんにごはんをあげるため席を立ちます。

「だから啼くのを我慢して、気付くまで待っててやったんだよ」

とでも言いたげに、長いシッポをゆらゆらさせながら前を歩く元さん。
そのうしろ姿に、邪魔された腹立たしさもなぜか消えてゆきます。

こんなことが、何年間も毎日のように繰り返されてきました。

それでも時には、お腹の調子でも悪かったのか、それとも単に気が向かなかったのか、その真夜中の行事が無いことも・・・。
そしてそんな時に描いた作品に限って、なぜかその出来が気に入らなかったりして・・・。


ある時こう思いました。
制作する上で“勢い”は大切なのですが、余り集中して“勢い”が付き過ぎると、いわゆる“描き過ぎ”の状態になって、取り返しのつかなくなることがあります。
だからきっと元さんの真夜中のごはん催促が、私の余分に入り過ぎた力を適当に抜いてくれているのだろう・・・と。

ごめんよ、いつも文句言って。
これからも上手に(?)邪魔しておくれ・・・。
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横浜“猫の展覧会” 終了しました

2010-05-07 11:31:46 | 展示会
2日遅れのご挨拶になってしまい、ごめんなさい。

5日、横浜のアートギャラリー山手で開催されていた“猫の展覧会”が終了しました。

一緒に参加された作家の方々・・・高田雄太さん、西誠人さん、東マユミさん、與倉豪さん、吉沢深雪さん(五十音順)、企画&会場のアートギャラリー山手さん、大変お世話になりました。

そして何よりも、お出掛けいただいた皆様、本当にありがとうございました。

また“次”の猫つながりを楽しみにしています。
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横浜山手に行ってきました

2010-05-04 03:17:25 | 展示会
先日ご案内した「猫の展覧会」に顔を出してきました。

午後1時過ぎ、みなとみらい線終点の元町中華街駅に着くと、人の多さにびっくり・・・!
そういえば、今まさにゴールデンウィークの真っ只中。
その前まで続いていたおかしな陽気の埋め合わせをするかのように、今年の連休は毎日好天続き。
やっぱり外に出掛けたくなりますよね。

さすが観光地だけあって、港の見える丘公園一帯に続く谷戸坂は、上り始める人、降りてくる人でいっぱい。
その中に猫好きさんがいたとしたら・・・、坂の中腹に位置するギャラリーの看板に気付かないはずはありませんね。
光栄にも私の出品作を使っていただき、原画よりも大きなサイズ(?)でプリントされた茶トラのノラ猫がにらみを利かせています。

「猫が好きだって? だったら、ちょっと寄っていきな。 急ぐ旅でもないんだろう」とでも言っているよう・・・。

すごい顔・・・と、描いた私自身が心配していたけれど、結構しっかりと招き猫をしてくれているようで、安心しました。
おまけに、本物のノラちゃんたちも周りをウロウロ・・・。

そのお陰でしょうか、お客様の切れることがほとんど無いほどの盛況ぶり。
猫好きさんパワーに圧倒されながらも、エネルギーをたくさんいただいてきました。


残すは4日、5日の2日間だけ。
ぜひお出掛けください!
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