発展した時代、昭和に生きた若者の徒歩+ヨット旅日記
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世界徒歩大旅行記3万4千キロを終え、追加編:ヨット
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日本、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの約15,000kmを歩き終わり、1983年10月10日から1985年9月27日まで約2年間シンガポールからポルトガルのヨーロッパ大陸最西端であるリスボン近くのロコ岬まで約19,000km徒歩で横断。
その後、ポルトガルからヨットに乗るストーリー
14、ヨットに乗る-645
その2
コンパス、舵
ヨットに乗り、しばらくしてからのことである。
ある時、船の持ち主のアレンは英語が世界の中でもいかにも優秀であると言う話をしだしたのであった。
例えば、Have という単語の中にもいろいろな意味があり複雑なのだと言った。
どうだ、英語は奥が深く優秀なのだが、日本語はそんなことはないだろうと彼が言うのであった。
僕は、日本語は同じ発音でも意味が違うことがたくさんある。
例えば、「はし」と言う発音でも「端」「橋」「箸」などの様に意味がいろいろ異なるし、日本語は漢字、カタカナ、ひらがなを使い分けなければならないのだと言ってやった。
その後、ヨットの位置がどこなのかを知るために六分儀で計っていた時である。
僕は土木科の出身であるので、角度を測ることは慣れていた。もちろん他の白人はその様なこともできないのであった。
それで、アレンと2人でヨットの位置を出していた。
彼は海のバイブルと言われる本の中にその六分儀で計った角度さえ入れれば、自動的に表から現在のヨットの位置が出てくるのだとその本が優秀だと言うのだ。
それで、角度の話が出てきたので、僕が地球の位置を出す根本はサイン、コサイン、タンジェントの話を出した。
それを聞いたアレンが何のことか分からないと言うので、直角三角形の話をするためにX2+Y2=Z2であるなどと図を描き説明をしたのであった。
そしたら、アレンは「私には分からない。」「私は高等な学校を卒業していないのだ。」と言うのであった。
この高等な学校とは大学か大学院のことではないかと思うが、直角三角形の公式などは高等な学校を卒業しなくても日本では中学校でさえ習うことである。
彼はその様に自分で私はそんなに頭はよくないのだということを自ら言ったことになった。
さすがに、その後からは彼は僕に「頭を使えよ。」という言葉を言わなくなった。
何と気持ちがいいことであろうか。彼に勝ったような気分である。
ところが、その後は僕自身に納得が出来ないのであった。
どの様なことかと言うと、今まで歩きの旅で僕が学んできたことの中には前にも書いたのだが、以下のようなことがある。
1、すべての物に心をもって接しなさい。
動物、植物、無機物までもこの世の物すべてに対して、、、
これは即ち、「すべてのものに愛をもって接しなさい。」という意味である。
では、この愛とはどの様なものなのかと考えると一時的に燃え上がるような恋愛の愛ではないと思うのである。
それではどういう愛だろうか?それはすべてを与える「親の愛」であろうとおもうのである。
この様な愛であれば世界が一つになるし、平和は現れると思うのである。
ところが、僕はどういう人間だろうか?親の愛を持っているのだろうか?
即ち、人種差別をしているアレンを愛することが出来ているだろうか?と思うのである。
親であれば、人種差別をしているまだ未熟なアレン(歳は僕よりか取っていても)を許してあげて愛さなくてはいけない。
そうでなければならないのだが、僕の心の中にはアレンが「人種差別をする悪い奴」でしかないのである。
彼を見ると何だか許せないのである。
それは僕自身がまだ、未熟であるからであろう。
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筆者は現在、韓国に在住して、以下の様な韓国ビジネスサポートをしています。韓国に関して聞きたいことがあれば、そのホームページをご覧になり、お聞きください。
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