ししょたま

司書資格を取得したので、
のんびりまったりな日々を少々。

読後感『砕かれた鍵』

2014年04月11日 | 私の本棚
逢坂剛『砕かれた鍵』 『幻の翼』に続く百舌シリーズ3作目

続発する警察官の不祥事やマスコミへの内部告発。
調査をしていた警察庁警務局特別監察官の倉木警視は捜査の中で、「ペガサス」という名前を聞く。

前作で結婚することになった倉木と美希(明星部長刑事)には既に、心臓に重篤な病を持って生まれた
男の子がいる。入院している病院に、間違って届けられた爆弾で、愛する子供と付き添っていた
美希の母が犠牲になる。

復讐を誓う美希、それを止めながら自身で捜査を始める倉木。見舞いに来て現場に居合わせた
元刑事の大杉も二人を助けながら「ペガサス」を追う。

爆弾テロ、警察内部の腐敗、美希に仕掛けられた巧妙な罠・・・。捕らえられた美希を助けるため大杉と
敵のアジトへ乗り込む倉木は激闘の末、ペガサスと相打ちになり死んでしまう。
「美希を頼む」と大杉に言い残して。


***

この本を2冊目として読んだから、明星美希が倉木美希になっていてしかも子供が生まれていたことに
すごく驚きました。しかも、主人公と思っていた倉木さんがあっけなく死んでしまうなんて。

1冊目の「叫ぶ夜」から、なんとなーくだけど、倉木さんの陰はどこか薄かったと思う。
作者は、倉木を主人公として愛していないのかなって思ったりもしたけど、3人の主軸の中でも中心中の
中心は美希と大杉だったのだと思い当たる。

作者が初めからそうしようと主軸を3人にしたのか。それともどこかでやめるはずだったのかわからないけれど。

しかしながら倉木にはまったくもって同情してしまう・・・。「叫ぶ夜」では奥さんを亡くし自身も
ボロボロになり、「翼」ではロボトミーをされそうになり、この「鍵」では、生まれたばかりの息子と
義理の母をなくし、最後は自身も死んでしまうのだから・・・。

私的には、倉木警視が活躍する話しをもっと読みたかったけどなー。
・・・倉木警視がいなくともこの「百舌シリーズ」は続くのであった・・・。

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