ししょたま

司書資格を取得したので、
のんびりまったりな日々を少々。

最近の読書

2017年10月04日 | 私の本棚
最近本を読んでいます。
図書館から、借りてきました。

今一番気に入っているのは、堂場瞬一さんの本。
もう何冊か呼んだけど、適度にハードボイルドチックでいいです。

もう2冊堂場本を借りてきているので、楽しみです。

『64(ロクヨン)』を読む

2015年03月12日 | 私の本棚
今、書店で売れている本№1という触れ込みの『64(ロクヨン)』を読んでみた。
4月からNHKでピエール瀧さんが主演でドラマ化されるというのも読みたくなった理由だ。

読んでみた感想・・・なんてみっしりした本なんだろうってこと。
ミステリー的な要素と、警務部対刑事部の人間模様が編み出すストーリーが縦糸と横糸のように編まれて
いて「みっしり」なのだ。

主人公は家庭と職場の両方で問題を抱えている。
主人公に与えられた問題、負荷、重荷は大きくて、読者も気が重くなるほどだ。

『矜持』という言葉が作中に使われる。
負荷と重圧に耐え、状況を打開するのはまさにこの『矜持』だ。
主人公、信頼する上司、同僚、各々が己の職分に対する『矜持』を守ることで打開策が見えてくる。
主人公が、「矜持」を確信し、腹をくくって突き進むところはすごくかっこいい。

これ・・・ドラマ化するのかあ。大変だろうなあ。
でも瀧さんが演じるのがすごく楽しみ。見よう・・・。

今クールのドラマではまるものがなかったので(あ、でも単発で見た御手洗潔は良かったけど。)、
次ぎのクールがすごく楽しみ。


昨日、同じ作家の前の作品(『陰の季節』)を買ったのでこれから読む予定。
早く読んでしまうともったいないなあと思っている。


安積班シリーズ まとめ

2014年07月02日 | 私の本棚
昨日も書いたんですけど、今野敏の「安積班シリーズ」ね、数が多いのでどれを読んだか
分からなくなりそうだったので、ここで整理しておこうと思う。

第1期
1.二重標的 ○
2.虚構の殺人者 ○
3.ガラスの殺人者

第2期
4.蓬莱 ○
5.イコン
6.警視庁神南署
7.神南署安積班

第3期
8.残照 ○
9.陽炎 ○
10.最前線 ○
11.半夏生 ○
12.花水木
13.安積班読本
14.夕暴雨 ○
15.烈日 ○
16.晩夏

見てみると、まだそんなに読んでいるというほどではないなあ。
特に、第2期あたりは全然・・・。
13の安積班読本は、たぶん読まない気がする・・・。

今、15の「烈日」を読もうというところなんだけど、その前が「二重標的」だったの。
そしたら、読んだ感じが「初め」っぽいのです。ああ、これがシリーズ初なのかなって
思いました。第3期に比べて、キャラが少し強いの。きっと書いているうちに、マイルドに
なっていったんだなってかんじ。

全部読んでみようと思ってます。

今野敏『安積班シリーズ』

2014年07月01日 | 私の本棚
最近読んでいるのは、今野敏の小説。
一番しっくり来るのは、安積班シリーズ。
それまで、海堂尊を読んでいたので、そのすっきりとした書き方にはまってしまったのだった。

こってりしたものの後にあっさりとしたものが食べたいのと一緒かな。
とにかく、今野敏を中心に読んでいる。
安積班シリーズも残り少ないのかもしれなくてさびしい。

他のものも探したが、STシリーズはあまり私の趣味ではない感じドラマはいいけどね)。
「特殊防諜班 組織報復」というのは面白かったなあ。
私が読んだのは第2段だったみたいなので、1作も読んでみたい。



読後感『イノセント・ゲリラの祝祭』

2014年06月04日 | 私の本棚
海堂尊『イノセント・ゲリラの祝祭』

田口・白鳥のコンビが活躍するシリーズだが、舞台は白鳥のホーム、厚生労働省。
田口は厚生労働省の会議にリスクマネージメント委員長として出席することになった。
その会議は、官僚主導の結論の見えたものだったが、白鳥や彦根という医療制度改革派と
官僚、そして解剖至上主義の学者たちの三つ巴の闘いの場であった。

***

面白かった!
会議の丁々発止のやり取りや、心理戦などがとても楽しめる。

一番最初に事件がおき、それがストーリーに絡んでくるのかと思ったがそうではなかった。
むしろその背後に潜む、検死制度の破綻にストーリーの主眼が置かれる。

田口の考えがすごく的を射ていて、それが周りの人を知らず知らずのうちにひきつけるのだろう。 
議論における良い「勝ち方」、彦根の危うさ、そんな田口センセイのものの見方が魅力的。

私はこういうものの方が楽しいみたい。
会議室が主な舞台、戦われる議論、そこにみえる人間模様。
これなら飽きない。


読後感『半夏生』

2014年06月02日 | 私の本棚
6月になって、暑い日が続いてますね。
先月は、1回しか更新しなかった・・・。もっと読書日記を書こうと思ってたのに。

***

今野敏『半夏生』

お台場で外国人が一人急病で倒れて亡くなる。
安積が上司に上げた報告から、本庁の公安部が動き始める。
一見病死に見える案件が国家を巻き込むバイオテロの様相を見せ始める。
これは単なる病死?それともバイオテロか?


***

テレビドラマでおなじみの安積班シリーズ。
これ、意外と面白かったです。さすが原作、奥行きがあって、
きちんと行き止まりになることなく回路が出来ている。

ドラマとは人物設定が少し(やっぱり)違うんだけど、そんなに違和感ないですね。
主人公はやっぱり、ドラマのほうがかっこいい。原作は少しヨレているのです。

でもその他は、原作に割りと忠実なのかな?
もっとも最新版とかは、だいぶ配役が変わったような?

内容の要約を書こうとするとなかなか難しくてかけなくなっちゃうんだけど、
このぐらいでもいいかな・・・。読んだものが分かればまあ、いっか!

読後感『ナイチンゲールの沈黙』

2014年05月15日 | 私の本棚
海堂尊『ナイチンゲールの沈黙』

東城大学医学部附属病院の小児科が舞台。
不定愁訴外来の田口もいつもどおり仕事中。
忘年会で大賞を取った小夜と翔子の看護師二人は、男に誘われて伝説のディーバ、
冴子のライブへ行くことになった。彼女の「ラプソディ」の歌声に心を乱される小夜。
だが突然冴子が倒れ、東城大学医学部附属病院への搬送に付き添うことに。

小夜は、小児科の看護師で担当する2人の子供はレティマで眼球摘出を余儀なくされる運命だ。
二人のケアのため、田口が、子供版不定愁訴外来を開く羽目になった。

子供のうち1人は5歳のアツシ、もう一人は14歳の瑞人だ。
瑞人は父と2人家族だが、父は病院に顔を見せず手術の同意書もとれないまま、病院は頭を悩ませる。
そんな時、その父親が殺された。

警察庁から出向中の加納警視正と玉村警部補が捜査を始め、あの白鳥調査官も加わって捜査は
にぎやかになる。
歌の不思議な力がキーであり、冴子と小夜の二人の歌姫が重要な役を果たす。


***

犯人は容易に分かる(そうとしか考えられないから)。むしろ今回は歌の力のほうがメインの
ストーリーですね。

脳の機能は分からないことのほうが多いから、非現実的だとは言い切れないけれど、歌を聴いて
聴衆が同じイメージを見るとかイメージを伝えるというのは少し時代の先を行っているのかなと思う。

今回は白鳥調査官の学生時代の腐れ縁として、警察庁から出向中の加納警視正が登場する。
『ジェネラルルージュの凱旋』で出てきた、田口、速水、島津の腐れ縁トリオといい、登場人物の
輪郭がより際立って楽しい。丁々発止のやり取りも魅力的。

この本は、犯人が誰かということよりも、むしろたくさんいる登場人物のそれぞれの「動き」を
追っていくほうがより楽しめると思う。

読後感『ジェネラルルージュの伝説』

2014年04月25日 | 私の本棚
海堂尊『ジェネラルルージュの伝説』

田口・白鳥シリーズの『ジェネラルルージュの凱旋』のスピンオフ。
ジェネラルルージュこと、東城大学附属病院の救急救命センター部長の速水の研修医時代、
なぜ彼がジェネラルルージュと呼ばれるようになったのか、その伝説について書かれた小説。

それは本の半分程度で、残りは、海堂小説の世界の解説や、人物紹介、医療用語などの説明が
収録されている。


***


面白かったけど・・・。
内容自体は、『凱旋』のほうでかいつまんで説明されているので目新しくはないが、
速水や、田口などの人物の過去が見得て楽しいということ。
分量的には多くないので、ちょっと物足りない。

たぶん、『凱旋』で思いのほか、速水人気が盛り上がったので、
その伝説を詳しくスピンオフとして作ろうということだったのだろう。

後半の解説部分は、するっと目を通した。

読後感『ジェネラルルージュの凱旋』

2014年04月18日 | 私の本棚
海堂尊『ジェネラルルージュの凱旋』

舞台は東城大学附属病院の救急救命センター。
ジェネラルルージュと呼ばれるセンター部長の速水にまつわるお話。ある日、田口のもとに
「速水部長は業者と癒着している。花房看護師長は共犯だ」という告発文が届く。
院長の高階に頼まれて、田口を敵視しているエシックス委員会に問題を持ち込む羽目になる。

容疑をあっさりと認めてしまう速水に審議不能となったエシックス委員会から、田口が委員長
であるリスクマネジメント委員会に審議の場は移る。

救命センターをやめようと辞表を出す速水は、後任者として腹心の部下である佐藤ちゃんを指名して
さっさと去ろうとするが、田口は磐石と思われた速水の目論見を「せこい手」を使って
ひっくりかえすのだった。


***

この本は、医療ミステリーではないといっていい。
今回の物語の見どころは、会議と救命シーンの2つ。殺人も起こらない。
でも、圧倒的な面白さで読者を引っ張ってしまうのだ。読み終わるのがもったいないくらいだ。

この会議でのやり取りが非情に面白い。それは、登場人物たちの個性や人間関係が垣間見えるから
なのだが、今回はこの会議での様子が物語りの一つの大きな見どころである。病院内の力関係、
肩書きの権限と責務、そんな中で田口は速水という同期を助けるべく奔走するのである。

もう一つは、最後に訪れる炎上火災の救命シーンである。ICUやホールで行われる救命医療現場の
パニック状態とそれを支配し、迅速に指示を出す速水の神がかり的な差配が読んでいてしびれる。

今回は白鳥の出番は少ないが、要所要所にはきっちりいていい味をだしている。
私としては、バチスタの栄光よりも断然こちらの作品のほうが面白かった。
繰り返し読んでも楽しめそうだ。

私は、ドラマ版も映画版も見ていないのだけど、ずいぶん話しが違っていたようですね。
でもこの原作を忠実にドラマ化するとなると大変なのかもしれない。
今、主要メンバーをどの俳優さんがやったらイメージどおりか、「理想のキャスティング」を考え中。

読後感『チームバチスタの栄光』

2014年04月17日 | 私の本棚
海堂尊『チームバチスタの栄光』上下


いまさらなんですけど・・・(笑)。どんなもんかと読んでみた。

舞台は、東城大学医学部付属病院。アメリカから、桐生恭一を招聘しバチスタ手術専門の
チームバチスタを立ち上げる。選りすぐりの優秀なメンバーで行われる手術は成功率も
特段に高く、賞賛されていた。

しかし、あるときから術中死が立て続けに3例もおき、原因の分からない桐生は病院長の
高階に相談し、不定愁訴外来の責任者である田口に内部調査を依頼した。田口の調査の
途中で、厚生労働省の窓際役人、白鳥が加わる。

白鳥の加入によって、桐生の秘密が暴かれ、そして犯人が浮かび上がる。


***

よ、読みにくかった・・・。
田口先生の独白のような形でずっと進むので、入るまでにちょっと時間がいった。
それと、映像の情報が先にあったので(でも見てはいない)、伊藤さんや仲村さんを
イメージして読もうとしたらすごく違った。もうそこからは、イメージフリーで読みました。

やっぱり原作はいいなあと思いました。
田口先生は、出世や評判を気にしない万年講師だけど、それは「面倒くささ」を放棄した
だけで、ちゃんと「優秀」であることは分かる。それが楽しい。

医療現場に隠れた殺人を見つけるということで、一見医療がメインのようにみえるけど
それを剥いでしまうとわりと単純な殺人事件でした。

映像をまったく見ていない私が言うのもなんだけど、割とシンプルなので映像にすると
なるといろいろ複雑にしないともたないのかもしれないなあ。
今度はぜひ、映像を見てみたいです。