人にはそれぞれ「これだけは譲れない」というモノがあると思う。たとえば、「キムチの素は桃屋でなければいけない」とか、「インスタントコーヒーはブレンディでなければイヤだ」などなど。
私の場合、福神漬はこの東京は上野の「酒悦」のモノに限ると思っている。これはお酒のつまみにもなる逸品だ。
だがやはり、カレーにこそ、コイツは似合う。包丁人味平が言っていた本当のカレーの3点セット。それは「辛いカレー」「水」そして「福神漬」。私にとって、カレーを喰う時のマストアイテムが、この「酒悦の福神漬」なのである。
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“酒悦の福神漬”,ガキのころ,実家の冷蔵庫に時々入っておりました.
ちょっとしたプレミアム扱いで大方は父の酒肴となり,コドモはお零れに大根(鉈豆や蓮根などは配合が少なくてなかなか当らなかった)を1~2片,白いご飯に載せて有難く頂いたものでした.空きかけの瓶にご飯を少量入れ,残りのたれや紫蘇の実を塗して食べた味の,なんと美味かったこと!
カレーに添えるなど恐れ多く,カレーの友といえば“桃屋の花らっきょう”でした.
そんな訳で,“カレーライスに福神漬”は,私のささやかなトラウマなのです.
子供の頃から福神漬とは赤いモノだと思い込んでおりましたが、大人になってからスーパーで見つけた酒悦の福神漬は、非常に驚きでした。早速買い込んで、喰ってみたところ、その妙に甘すぎない、それ単体で美味しくいただけるテイストに、驚愕しました。
確かに、カレーに添えるのは勿体ないかもしれませんが、福神漬は酒悦以外のモノは購入してはいけないと、私の脳髄が命令を下すのです。つまみとしても、秀逸ですよね!