獅子丸のモノローグ

☆気まぐれ不定期コラム☆

ボルボV40(D4&T3)試乗記

2015年10月16日 | CARS&F1

 ボルボV40というクルマは、以前から気になる1台であった。
 そのV40に、この度「クリーンディーゼルエンジン」と「1.5Lダウンサイジングターボエンジン」が搭載されたという。
 今後私が購入する可能性も、少なからずある、ボルボV40。
 私は尾車氏とともに、実態調査のため、ボルボのディーラーさんを訪問した。




 まず試乗させていただいたのは、最近何かと話題の「クリーンディーゼルエンジン」を搭載する「D4 SE」(8AT:税込車両本体価格399万円)。
 搭載する「2.0Lインタークーラー付ターボチャージャーDOHC水冷直列4気筒ディーゼルエンジン」は190psを発揮し、最大トルクはなんと40.8kgm!
 気になるJC08モード燃費は、20.0km/Lである。
 近年のボルボ車は昔と違って、ウエストラインがウエッジしているうえに曲面が多いので、後方視界や車両感覚把握性はあまり良くない。
 この点は、近年のマツダ車同様のネガだと、私は気弱に思う。
 

 さて、このディーゼルエンジン。レッドゾーンは、5000回転からだ。
 アイドリングでは、振動こそほとんど感じられないものの、エンジンノイズは結構室内に侵入してくる。
 現代の水準では、静かなクルマであるとは、決して言えないであろう。
 走り出しても、その印象はほぼ変わらず、フィール自体は緻密とは言い難い。
 だが、トルクフルなディーゼルエンジンの成せる技で、発進加速は非常に力強い。
 
 多彩な情報を提供してくれるメーターパネル。
 車載カメラが道路標識を読み取って、制限速度を表示するのが、面白い。
 足回りは基本的にしなやかで、語弊を恐れずに言えば、「まるでスバル車のよう」である。
 そして、どっしりとセンターに据わったステアリングの応答性も、悪くない。
 加えて8ATは、いつ変速したのかほとんど分からないほど、至ってスムーズなのだ。
 

 近年のボルボ車の特色である「フリーフローティングセンタースタックパネル」。
 ややボタンの数が多すぎるような気もしないでもないが、頻繁に使う部分は「4連ダイヤル」と「人型クライメートコントロール」で、慣れれば直感的に操作できそうだ。


 そして試乗中。尾車氏が、「ある事実」に気付いた。
 このクルマのウオッシャーノズルは、なんと、3箇所もある。
 一般的には、それは「左右2箇所のみ」が、大多数だろう。
 これはひょっとすると、ボルボが考える「悪天候時の前方視界確保へのこだわり」なのかもしれない。
 ただし、ボンネット上のこの出っ張りは、気にすれば、気になる。
 加えて、冬期間にスノースクレーパーでボンネットの雪や氷を削り取る際に、壊してしまうのではなかろうかと、なんだか不安になる。
 まあ、北欧車ゆえに、その辺は対処済みなのだろうとは思うが・・・




 続いて試乗させていただいたのは、「1.5Lダウンサイジングターボエンジン」搭載の、「T3 SE」(6AT:税込車両本体価格374万円)。
 そのネーミングから、近年流行の3気筒エンジンを積んでいるのかと思っていた。
 だが、実際は「インタークーラー付ターボチャージャーDOHC水冷直列4気筒エンジン」を搭載。
 燃料は無鉛プレミアムガソリン指定となり、最高出力/最大トルクは152ps/25.5kgm。
 そしてJC08モード燃費は16.5km/Lとなっている。


 レッドゾーンは、6500回転からで、ディーゼルエンジンよりも、当然ながら高回転型である。
 静粛性については、ディーゼルモデルよりは明らかに静かで、回転フィールもよりスムーズで爽快。
 このガソリンモデルも、どちらかといえば、「エンジン音をしっかり聴かせるタイプのクルマ」であると、私は認定したい。
 なお、このグレードのATは「6速」に格下げされてしまうのだが、実用上は、まったくノンプロブレムである。



 今回試乗させていただいたボルボV40の「D4vsT3」の関係。
 それは、マツダ・デミオの「ディーゼルvsガソリン」の関係を思い起こさせるものだ。

 さて、ここで、V40のディーゼルモデルとガソリンモデルは、どっちが得なのか、カタログ燃費で考えてみよう。
 10,000kmを走破するのに必要な燃料代を机上で計算してみると、
 ディーゼルの「D4」の場合、10,000km÷20.0km/L≒500L
    500L×軽油105円≒52,500円となる。
 そして、ガソリンの「T3」は、10,000km÷16.5km/L≒606L
    606L×ハイオク138円≒83,628円である。
 10,000km走っての燃料代を比較すると、「D4」の方が31,128円お徳となる
 そして車両本体価格を比較すると、「T3」の方が、250,000円、安い。
 燃料代で車両本体価格の差を取り戻すために必要な走行距離は、250,000÷31,128≒8.03なので、80,300kmとなる。
 となると、年間1万kmくらい走る人だったら、ディーゼルモデルの「D4」を選べば、ほぼ8年で、車両本体の価格差を取り戻すことが出来るのである。

 そして、エコカー減税についても、ディーゼルモデルの方が、より多額の恩恵を受けられる
 机上の計算では、「ディーゼルモデルの方が、お得」だと言って、差し支えなさそうだ。

 ただし、私が実際に購入するとするならば・・・
 私の個人的見解では、発進加速の力強さにおいては、ディーゼルの「D4」の圧勝だ。
 しかしながら、静粛性と
エンジン回転フィールについては、ガソリンの「T3」の方が好ましく思える。
 ディーゼルか、それとも、ガソリンか・・・やはり、気絶するほど、悩ましい


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