《試練》――現在史研究のために

日本の新左翼運動をどう総括するのか、今後の方向をどう定めるのか

沖縄からの通信~保良の弾薬庫説明会にみんなで押しかけよう

2018-02-24 20:20:17 | 沖縄問題

沖縄からの通信~保良の弾薬庫説明会にみんなで押しかけよう

 2月25日、沖縄防衛局は宮古島保良公民館でアリバイ的な「弾薬庫配備」住民説明会を強行すると通告してきた。3月4日には中央公民館でも行うことを明らかにした。保良の住民に限らずみんなで押しかけて追及しよう。

 防衛省の福田達夫政務官は1月17日、沖縄県宮古島市の市役所平良庁舎で下地敏彦市長と会談し、城辺の保良鉱山を選定したと正式に伝えた。その際下地市長は「(鉱山は)保良集落に非常に近い場所にある。地域の理解と協力を受けられるように努力をしてほしい」と賛成を述べている。

 これを報じるにあたって、琉球新報は「弾薬庫を市長容認、住民反対決議へ」と見出しに掲げた。

琉球新報記事2018年1月18日

 明確なことは、下地市長は地元保良部落会が反対していることを知りながら弾薬庫配備計画を「容認」したということだ。したがって「説明会」は、保良の住民の民意を踏みにじった下地市長と防衛省一体となった違法な説明会として強行されるものだ。

 保育園建設が地元住民の反対で中止となるニュースが報じられているが、法的な理由として地元住民が反対すればできないことが地方自治法第一条「地方自治の本旨」として規定されているからである。ましてや、国や地方自治体が地元住民の反対意思を踏みにじるなど法令違反でありそのこと自体が許されない。

 あ然としたのは、17日の会談で配られた防衛省の資料だ。5枚の資料のすべてに「調査・設計未実施」と書かれている。調査もしてない、設計もしてないという意味だから、根拠もなけば資料的価値もない代物だ。

 添付したウクライナでの爆発事故の影像を見て頂きたい。
ウクライナの弾薬庫爆発事故2017年3月23日 動画
 この事故によって半径10kmに避難命令が下った。予定地の保良鉱山では200m先に民家があり、半径400mには保良の大半が入ってしまう。半径10kmどころではない。火薬庫は人里離れたところに建設するものなのに、保良では集落に隣接して造ろうとしている。

 火薬類取締法と火薬類取締法施行規則では、同規則第二十三条1で「火薬庫は、第二項から第六項までに規定する場合を除き、その貯蔵量に応じ火薬庫の外壁から保安物件に対し次の表の保安距離をとらなければならない」と「保安距離」を定めている。保良の弾薬庫は「第二種保安物件」に該当するため、「爆薬40トン(以下)480m」の保安距離が設定されなければならない。配布資料のように仮に半地下式であっても「爆薬40トン(以下)340m」はとらなければならない。これでも保良集落の半分はかかってしまう。

 しかも、その「資料」はでたらめで、正確な位置や貯蔵弾薬の量も明らかにされていない。これでは「保安距離」を測りようもないし計算で出すこともできない。「爆薬40トン」を超えれば「保安距離」も伸びていく。弾薬の貯蔵量が明らかにされなければ「保安距離」も明らかにならない。もし「安全」というなら何をもって証明し担保されるのか。

 つまり防衛省がやろうとしているのは、初めに弾薬庫建設ありきということだ。邪魔になる保良の住民は出て行けということだ。戦前に行ったようなことをこの憲法下で行おうというもので、かつて例がない。独裁国家でなければこのようなことはあり得ない。防衛省は、その憲法に真っ向から挑戦することを下地市長の同意を得て宮古島でやろうとしているということだ。こんなことは、あのメチャクチャな辺野古でも行われていない。

 大福牧場での建設が下地市長の反対で白紙になったように、地方自治体が反対すれば国といえど強行はできない。これも地方自治法第一条「地方自治の本旨」があるためだ。千代田につづく保良の弾薬庫の建設は下地市長が白紙委任状を渡しているから行われているということだから、押しかける先は嘉手納の防衛局ではなく宮古島市役所だ。下地市長を雪隠詰めにしてでも「撤回」を要求しよう。そうすれば、防衛省も動けなくなる。

 千代田での着工につづいて、保良弾薬庫の着工はアララガマの名に懸けて阻止しなければならない。05年、旧伊良部町でやったように逃げる防衛局をとっ捕まえ、住民主催の説明会をやろう。

2018年2月24日

S.嘉手納(沖縄在住)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿