《試練》――現在史研究のために

日本の新左翼運動をどう総括するのか、今後の方向をどう定めるのか

友への手紙~権威主義と闘う党であるためには、どこに問題があったのか――水谷・岸「対談」を読んで

2016-06-18 20:02:41 | 『革共同政治局の敗北』の感想、批判
友への手紙~権威主義と闘う党であるためには、どこに問題があったのか――水谷・岸「対談」を読んで /●腐敗行為が組織に与えるダメージは甚大 /対談「自著『革共同政治局の敗北』を語る――党概念のコペルニクス的転換ができるか」を読みました。水谷氏と岸氏の人柄がにじみ出ており、これはこれで楽しく読みました。お互いがお互いを深く信頼し、激しい党内闘争を共に闘いぬいたかけがえのない同志関係であることも感じられました。/本題に入ります。『革共同政治局の敗北』は2006年3・14Ⅱを断罪し、その背景にあった党の路線的誤謬と清水指導の誤りを、著者ら自身の誤りへの自己切開を通して鮮明に浮かびあがらせた点に、その特徴があります。現在の革共同の衰退と混迷が、3・14Ⅱに凝縮されていることを鋭く突き出しています。多くの読者の共感と共鳴を得たのも、このあたりにあったのではないでしょうか。  対して「対談」は、「財政問題」と「男女関係の問題」という極めてシリアスな組織問題=思想問題を、「革命を目指す党の腐敗」として抉り出している点に特徴があります。 . . . 本文を読む

「党の革命」というペテン性――「自著『革共同政治局の敗北』を語る」を読んで

2016-03-30 10:16:26 | 『革共同政治局の敗北』の感想、批判
「党の革命」というペテン性――「自著『革共同政治局の敗北』を語る―党概念のコペルニクス的転覆ができるか」を読んで /福原 銀之助 /2016年3月25日 /1.『敗北』の補論としての意見 /上記の題名で『流砂』第10号に水谷保孝・岸宏一元革共同政治局員の意見が掲載された。この意見は言うまでもなく『革共同政治局の敗北 1975~2014』(以降『敗北』とする)での水谷・岸両氏による革共同政治局の歴史および現実の検証作業の補論である。親本である『敗北』が左翼本としては驚異的な売り上げを積み重ねており、その影響力は現在なお私の住む地域の図書館での貸し出しが15人待ちであることにも見られるように広まっており、その内容は衝撃的なものである。 /だが、『敗北』で書ききれなかったことや読者の批判などが水谷・岸両氏に寄せられており、それに応じる形で『流砂』に「意見」として掲載されたものと思われる(以降「語る」とする)。なお、この意見は水谷・岸両氏の対談形式となっており、読み手に取って理解し易い工夫がされている。私はここでこの「語る」について読書感想を述べたいと思う。 . . . 本文を読む

『敗北』本メモ⑧~⑩

2016-03-18 20:02:41 | 『革共同政治局の敗北』の感想、批判
『敗北』本メモ⑧~⑩ /白土kamui /2015年11月7日~12月19日 /ブログ:「狂おしく悩ましく」から転載  ttp://blogs.yahoo.co.jp/hutagoyama_1 /(承前) /◆⑧ 節目に沿って /●堅実全面論文の棚上げの意味 /桜 『前進』646号論文(「堅実・全面論文」73.08.06)にも触れているけれど、すう勢的「後退局面」の1文が削除されたというちまたの話は無視された。今が階級闘争の高揚局面か逆か?全体として運動にとって不可欠な議論をネグレクトしている感もある。74年=75年恐慌(オイルショック)を経て、清水さんの『現代戦争テーゼ』「恐慌⇒戦争」論に進まなかった現実。「豊かな社会」の出現。時代の変化への無関心と排斥。 /梅 とはいえ,堅実論文が本多さん自身によって「棚上げされた」こと、『清水選集3』では参考文献からも削除されたことの暴露は意味がある。90年代の転換の混迷期には、多くの人がこの古証文を引き出して必死に読んだものだったけれどね。 . . . 本文を読む

『敗北』本メモ①~⑦

2016-03-18 16:57:43 | 『革共同政治局の敗北』の感想、批判
『敗北』本メモ①~⑦ /白土kamui /2015年11月7日~12月19日 /ブログ:「狂おしく悩ましく」から転載  http://blogs.yahoo.co.jp/hutagoyama_1 /◆① 全体像と著者らの想い? /今回はできるだけ「中立的目線」を意識して書いてみたい。 /本書でいいたいことは、ほぼ全体の半分を占める第1部「3・14Ⅱ」だろう。 /2006年の関西の3・14(党の革命、3・14Ⅱ)での攻防と敗北、そして失脚がすべてといえる。「路線闘争を腐敗問題にすりかえて与田にテロ・リンチを加えたのは不当だ」というに尽きる。 /関西の3・14を受けての中野・天田さんそして清水さんの変貌の前に、いわば「抵抗勢力」として槍玉に挙げられて追放された過程が「本体」になる。 /関連する諸事件がそれなりに網羅され、ま、資料としては数少ないまとまったもの、ともいえるかもしれない。 入り口段階で2点の修正と指摘をしておこう。 ①当ブログでの修正。3・14当日の本社での「党内集会」について。 「留守番内閣云々」は誤認のようだ。(修正済み) ②西島文書による「天田と中野があらかじめ仕組んだ3・14」説は、この本では撤回されている。 . . . 本文を読む

現状分析の議論が尽くされていない――水谷保孝・岸 宏一「自著を語る」を読んで

2016-03-18 11:25:36 | 『革共同政治局の敗北』の感想、批判
現状分析の議論が尽くされていない――水谷保孝・岸 宏一「自著を語る」(『流砂』所収)を読んで 2016年3月14日/ 団 安喜良 /A.政治局における財政腐敗は想像を超えるものだ /『流砂』10号掲載の水谷保孝・岸宏一「自著『革共同政治局の敗北』を語る――党概念のコペルニクス的転覆ができるか」を興味深く拝見しました。 /「語る」でも様々な論及が為されていましたが、とりわけ革共同政治局の財政問題での腐敗とその根深さ、秋山勝行の犯罪には考えさせられました。その実態は想像を超えるものでした。 /わたしも病気で倒れるまで、組合支部を任されていたのですが、組合支部が比較的大きかったため、ストライキなどの大きな闘争に備えて1億円近い闘争資金を溜め込んでいて、その管理と運用には大変苦労しました。私が組合支部の活動に関わるようになったのも前任の財政責任者のマンション購入資金をめぐる使い込み問題からでした。この時には幸いにも当時の組合指導部の責任問題を厳格に処理することで決着がつきましたが、その後に組合員の信用を取り戻すまでは大変苦労しました。 /また、他の労組でも金銭問題から組織をおかしくするのを何件も目にしています。 /それにしても、政治局において、対談の中で述べられていたような資金管理の方法が取られていたのには驚かされました。相互間の監査体制もなく、組織の金を分割して管理して、それで問題が起こらないなどあり得ません。財政責任者が白井朗であったことは私も知っていましたが、白井は一体何をやっていたのでしょうか。 . . . 本文を読む