《試練》――現在史研究のために

日本の新左翼運動をどう総括するのか、今後の方向をどう定めるのか

2014年、世界情勢の特徴について

2015-01-31 23:52:20 | 世界の政治・軍事・経済―世界の動きⅠ
1)いかに闘うかを明確に// 2014年12月はアフガニスタンからの米軍を主軸とする国際治安支援軍ISAFの撤退が始まった。ISAFはタリバンを制圧できず、内実はたたき出されたのである。 オバマ米大統領は「撤退は政権公約の実行」というが、「米国は世界の警察官ではない」の言葉とは裏腹に、アフガニスタン、イラク・シリア侵略戦争は米国が帝国主義として世界の盟主たらんとする限り絶対に投げ出すことはできない。米国が帝国主義としての戦後世界の盟主を放棄することはありえ得ない。没落したとはいえ、相対的に巨大な軍事力と経済力を振り回してでも、帝国主義である限り帝国主義の世界支配とその権益を必死に守ろうとする。表向きの戦闘部隊の撤退以降も軍事顧問派遣・治安維持支援を口実にアフガン政権との緊張をはらみながら米軍は駐留し続ける。 米国内での黒人差別に対する怒りが暴動へ発展する事態や格差・貧困への怒りの拡大は、アフガン、イラク・シリア侵略戦争の敗北的撤退が生み出す米国社会の一種の戦後革命的土壌から不可避に生み出されたものなのだ。 . . . 本文を読む

2014年衆院選の結果が指し示すもの

2015-01-31 23:48:32 | 日本の政治・軍事―日本の動きⅠ
2014年衆院選の結果が指し示すもの// 昨年の日本の政治・軍事の動きには大きな結節点があった。それは、12月総選挙での与党の圧勝・安倍政権の継続と集団的自衛権の行使容認、それにかかわる安全保障法体制の骨格が明らかになったことである。  与党の圧勝とは言うものの、自民党幹部自身が「地元で有権者に直接接触している実感と違う」という意見もある中で、ではなぜ与党が圧勝したのか。小選挙区制度が自民党に有利に働く面があることは、よく言われている通りである。また直接の要因に株高があげられる。都市圏でも圧勝の根拠に、有権者の2割が株を保有しておりアベノミクスで株価が7割上昇したと言われる。  日経の公示直前の世論調査(12・2~3、日経と読売)によると自民党が300議席の勢い与党で3分の2(317)維持の可能性、野党では日共が公示前(8)の倍増の勢いで、他は伸び悩みとある。アベノミクスの負の影響(急激な円安や実質賃金低下)を訴える戦略が奏功していないという。内閣支持率は42%(マイナス2ポイント)、自民党支持率43%(8ポイント上昇)でこの議席なのだ。支持政党なしが13%。この調査はほぼ当たっている。  外交に関する世論調査(12・20、内閣府)で「親しみを感じない」が中国に83・1%、韓国に86・4%に上昇。中韓への安倍外交の国家主義的やり方とマスコミの排外主義宣伝などに影響されている。米国への親近感は82・6%である。 . . . 本文を読む

沖縄からの通信~辺野古新基地は「日本版海兵隊」の基地だった(改訂版)

2015-01-26 21:34:18 | 沖縄問題
A)政府・外務省が沖縄関係の外交文書を公開//  昨年12月の辺野古移設反対をかかげた翁長知事の誕生以来、安倍政権の閣僚は知事との面会をことごとく拒絶し、就任の挨拶さえできないという異常事態が続いている。辺野古新基地建設に反対しているというただそれだけの理由で、ことごとく冷遇され、話し合いはもとより、会うことすら拒絶されるということがつづいている。 //  そうした中、政府外務省は1月15日、これまで非公開扱いされていた外交文書の一部41冊を一般公開した。この中には、沖縄関係9冊が含まれている。1月15日は、県警が抗議する住民を暴力的に排除し辺野古の本格的な工事に着手した日。なぜこの日を選んで外交文書を一般公開したのか。いぶかる声が上がっている。//  ほとんどのメディアは、この外交文書の公開について1965年8月19日の佐藤首相の那覇空港での演説に集中し、米国による安全保障上の沖縄の重要性を盛り込めとする圧力に屈せず、修正しないまま行ったと賛美している。    この外交文書について、沖縄タイムスと琉球新報に掲載された同一のコメントで河野康子法政大学教授は「佐藤首相の沖縄訪問が広い意味で返還への原点となったと言える」と述べている。沖縄返還の「原点」とは、27年間の血のにじむような沖縄県民の本土復帰闘争であって、河野教授のような言説には怒りを覚える。 . . . 本文を読む