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沖縄からの通信~沖縄の貧困問題が示すもの 付)琉球新報、沖縄タイムスの関連記事

2016-01-29 20:02:33 | 沖縄問題
沖縄からの通信~沖縄の貧困問題が示すもの 付)琉球新報、沖縄タイムスの関連記事

●沖縄の貧困の現実を知ってほしい

 本土の多くの皆様にぜひとも読んでいただきたい記事があります。それは沖縄の貧困問題です。今回の宜野湾市長選挙敗北の背後にあるのも、また沖縄振興策が「威力」をもつのも、3世帯に1世帯という貧困の問題なのです。

 ネットにはアップされていませんが、新年以来今日まで沖縄紙でずっと連載されているのが、この貧困問題の特集です。復帰後11兆円の「沖縄振興策」が投じられながら、どうしてこのような貧困の現状におかれているのでしょうか。

 貧困問題の根底には、日米安保体制の要としての米軍基地を維持していくための、かつ沖縄をずたずたに分断していこうとする国内植民地的政策が沖縄社会にもっとも基本的なものとして貫かれている現実がある、というのが私の見解です。1世帯120万円の年間所得など、本土では考えられるでしょうか。月収ではありません。年間所得です。
 私は、構造的差別論のもっとも根底的な問題だと思っています。

2016年1月29日
S.嘉手納(沖縄在住)

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【資料1】琉球新報1月29日
子の貧困率、沖縄30% 県が調査、30億円基金創設へ

 子どもの貧困の実態調査を実施してきた県がまとめた県内の子どもの貧困率が29・9%であることが28日までに分かった。県単位の貧困率が出されるのは全国で初めて。県内の子どもの約3人に1人が貧困状態に置かれていることを示す。全国の2012年時点の同貧困率は16・3%で、沖縄は2倍近い厳しい状況であることが浮き彫りになった。県は深刻な子どもの貧困に対応するため、県独自に30億円規模の基金創設を検討している。

 県は、貧困率を算出するため全市町村を対象に住基ネットと住民の所得が分かるデータを集め、国の子どもの貧困率と比較可能な情報がそろう8自治体のデータを活用した。8自治体で県内の18歳未満の過半を超える。県は29日、会見を開き、今回の貧困率と併せて、県内の小中学生と保護者を対象にしたアンケートの中間報告を行う。

 県の基金は、16年度から現在の沖縄振興計画の21年度までが期間。16年度予算計上へ最終調整に入った。
 県は現在、「子どもの貧困対策推進計画(仮)」を策定中で、15年度中に決定し16年度から実行する。基金が創設されれば計画にも反映されるとみられる。
 計画策定に向け外部有識者らでつくられた「県子どもの貧困対策に関する検討会」などで、就学援助など「市町村の支援が必要な人に届いていない」という指摘が多く出されていた。県は基金を活用して、市町村の事業を支援する施策を検討していくとみられる。
 子どもの貧困対策では、内閣府沖縄担当部局が16年度事業として、10億円を計上し、居場所の運営支援や支援員の配置などを行う。そのため県は、内閣府とは重複しない形で事業を検討していくとみられる。

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【資料2】沖縄タイムス1月5日
沖縄3世帯に1世帯が貧困状態 子どもの貧困も全国最悪

 沖縄県内で必要最低限の生活を保つための収入がない人の割合を示す「絶対的貧困率」は、2012年に34・8%、また18歳未満の子どもがいる世帯の「子どもの貧困率」は同年で37・5%といずれも都道府県別で最悪、さらに伸びも全国平均を大きく上回ることが、山形大の戸室健作准教授の研究で4日、分かった。県内で3世帯に1世帯は貧困状態にあり、その層が急速に拡大していることが明らかになった。

 県内の貧困率34・8%は2位鹿児島県の24・3%と10・5ポイント、全国平均18・3%と16・5ポイント差で、伸びは07年から5・5ポイント(全国平均3・9ポイント)と急激に上がった。
 「子どもの貧困率」37・5%も、2位大阪府の21・8%と15・7ポイント、全国平均の13・8%より23・7ポイント高く、伸びも07年から6・8ポイント(全国平均3・8ポイント)増えた。戸室さんは「この20年間、沖縄は常に貧困率が最も高い地域。背景に、産業のぜい弱さや低賃金があるのではないか」と指摘した。
 また就業世帯のうち最低生活費以下の収入しか得ていない世帯(貧困就業世帯)の割合を示す「ワーキングプア率」も県内は25・9%と最悪で、2位の大阪府14・2%と11・7ポイント差と大きな開きがあった。

 研究は、12年の総務省「就業構造基本調査」を用い、世帯収入が生活保護費以下のデータを調べた。戸室さんによると、都道府県別の子どもの貧困率が明らかになるのは初めて。論文は、2月刊行の「山形大学人文学部研究年報」に掲載予定。
(中部報道部・安里真己)

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