《試練》――現在史研究のために

日本の新左翼運動をどう総括するのか、今後の方向をどう定めるのか

失敗を見おろす選良主義者は歴史のくずかごへ

2015-11-26 23:10:09 | 『革共同政治局の敗北』を論評する
失敗を見おろす選良主義者は歴史のくずかごへ /前田 年昭(組継ぎ本考案者) 2015年11月1日 /ブログ:「繙蟠録Ⅱ」から転載 / 水谷保孝・岸宏一『革共同政治局の敗北1075-2014 あるいは中核派の崩壊』白順社、2015.5は、主に清水丈夫政治局体制を対象としながらも、本多延嘉時代をも対象に「三つの負の教訓」と総括しており、なかでも「連合赤軍事件の外在化の誤り」(第11章第3節)には著者らが革命の志を持ち続けていることが読み取れ、共感を持って読んだ。72年の連合赤軍事件に対して、本多は「「総括」=リンチと銃撃戦は一つのものであり、たとえば「銃撃戦支持、リンチ反対」という立場は成り立たない」という「見解」を持ちながら「組織討議にはかけなかった。また対外表明しなかった」という。著者らは「しかしそれは、事態のもつ深刻さを同じ左翼として内在的にとらえ返すということからの回避にほかなら」ず、「誤りの根拠とその思想を内在的に批判的に解明し、それをのりこえる教訓化をはかるべきだった。そのことでラディカル左翼自身の「他山の石」とし、連合赤軍事件によって精神的打撃を受けている多くの労働者人民を励ますよう務めるべきだった」(pp.424-425)と総括しており、これは正しいと私は考える。 . . . 本文を読む

貴重な記録が満載だが、欠点も

2015-11-26 22:13:36 | 書評:『革共同政治局の敗北』
貴重な記録が満載だが、欠点も /ひまわり博士(編集者・ライター) /2015年6月18日 /ブログ:「ひまわり博士のウンチク 本と雑誌」から転載/ 著者の1人、水谷保孝さんから案内があり、出版を知った。水谷さんは現在、「図書新聞」の企画部部長で、書評などの掲載を無理矢理お願いしてずいぶんお世話になっている。/元革共同中核派の中心的な幹部で政治局員であった水谷さんは、2006年の党内クーデターおよびそれに係るリンチ事件を機に離党している。共著者の岸宏一さんも同様である。/「’70年安保」改訂反対闘争の敗北から、全共闘運動が挫折した最大の原因は、大衆からの支持が得られないどころか反発さえ買ったところにある。/広範な労働者など無産階級の現実を客観的に見ることなく、都合よく解釈し、党員からの反対意見を一切聞き入れなかった。それがすべてであると思い込み、セクト主義に陥った末、正義を勘違いしていた。現在の革共同中核派も、その路線をほぼ継続していると見ていい。言ってみれば思考回路は安倍政権と何ら変わらない。   . . . 本文を読む

ある左翼革命家の敗北と新たなる旅立ち(他1本)

2015-11-26 21:54:56 | 書評:『革共同政治局の敗北』
ある左翼革命家の敗北と新たなる旅立ち(他1本) /赤松 正雄(元公明党衆院議員) /2015年6月17日 ブログ:赤松正雄の「忙中本あり」から転載 / 先日、高校時代の友が出版した本の広告を朝日新聞の一面記事下で発見した。水谷保孝 岸宏一共著『革共同政治局の敗北』なるものだ。副題は、「あるいは中核派の崩壊」とある。革命的共産主義者同盟全国委員会、略して革共同と云われても私には良く分からない。中核派と云われて、ああ、あの過激な新左翼学生運動の集団か、というぐらいしか知識がない。水谷保孝(敬称は略す)は兵庫県立長田高校で同期だった。卒業後、彼は早稲田大学へ。同大学時代に、学費・学館ストライキで無期停学処分になったまま中退し、のちに佐世保エンタプライズ闘争で米軍基地に突入して逮捕されるなど、学生運動でならした男だ。こう書くと読まれる方は、彼がかなりの闘争的猛者だと思われるに違いない。二十歳のころから今に至るまで一貫してこうした運動に関わってきているのだから、それは当然だろう。しかし、その印象たるや、ひげを蓄えているところを除けば、高校時代と変わらぬ優しそうな雰囲気であった . . . 本文を読む

スターリン主義的党物神化論といかに闘うのか

2015-11-11 19:51:00 | 『革共同政治局の敗北』の感想、批判
スターリン主義的党物神化論といかに闘うのか /――『革共同政治局の敗北』を読んで /2015年11月8日/福原 銀之助 /私の体験としての「革共同政治局の敗北」 /この本を読んだ感想がブログ「《試練》-現在史研究のために」において、多くの人からある種の好意的な視点を背景に述べられている。それは、内容的・自己切開的に不十分とはいえ、著者らの事実関係を元にした真摯な思想的・政治的格闘と、自己批判的な立場性を鮮明化する努力が見られるからだと思う。/まず、冒頭に確認すべきことだが、私はこの本の評価は歴史が証明すると思っている。また、私自身についていえば80年代後半から展開された三度に亘る「一大カンパ運動(今回は預金の利子から段階的に必ず金を返却する、という言質の元に)」の完全な破たんによってダメージを受けたという問題がある。これについて返却不履行を問い糺すと、対権力との関係を口実に「告訴すれば反革命だ」という、卑劣な居直りに直面し、もはや革共同は革命党ではなく「詐欺集団」であることを深く認識をしたのである。/当時三里塚決戦から天皇決戦という革共同の歴史上かつてない日帝との政治的対決があった。したがって、闘争資金も必要だろう。だからと言って、ペテンにかけることでこの問題から逃げることはできない。 . . . 本文を読む

中核派による三里塚利用主義が明らかに

2015-11-11 18:13:17 | 『革共同政治局の敗北』を論評する
中核派による三里塚利用主義が明らかに /加瀬 勉(三里塚大地共有委員会代表)/2015年7月19日/「虹とモンスーン」アジア連帯講座BLOG(2015年7月25日)から転載 /【7・19三里塚闘争記事】 /7月19日、三里塚空港に反対する連絡会は、「成田空港『第3滑走路』計画を撤回せよ! 横堀現闘本部裁判勝利! 年間30万回飛行、飛行制限時間緩和を許さない! 反原発―再稼働やめろ! 沖縄・辺野古新基地建設反対! TPP反対!」のスローガンを掲げて東峰現地デモを行い、40人が参加した。(中略)/加瀬勉さん(三里塚大地共有委員会代表)は,冒頭、安保法案国会と自民党強行採決を糾弾し、①「三里塚50年の闘争と政党」②「三里塚の農民問題」について発言した(要旨別掲)。 . . . 本文を読む