Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

#82「もうひとつの卒論」

2023-12-16 | Liner Notes
 佐賀でのリモートワークのかたわら、仕事の都合で東京の職場に出社した際に、大学4年生の長女からめずらしく連絡がありました。

「明日夜どんな感じですかー?もしよかったら夜ご飯食べに行こう〜」

 でも、どうやらPCの不具合を直して欲しいとのことでしたが、そんな理由はさておき頼られることはいいもので、内定式も終わって大学生活も充実している話を聴くとホッと胸を撫でおろしてしまいます。

「もう、ほぼ卒論は書いたんだ。一度、パパに読んでほしいんだけど。。」

 国際関係を専攻した彼女の卒論テーマは〈ジェンダー〉。なぜ、そのテーマを選んだのか?世界中で存在する問題や課題をどう捉えているのだろうか?など読みながら話は尽きず、なんの疑いもなくごくあたりまえに男性らしさや女性らしさを意識するとはいえ、そもそも、〈わたし〉らしさとはいったいなにか?を考えるきっかけを与えてくれました。

 ひょっとしたら、「あなたが〈あなた〉であるということはどういうことなのか?」ということを〈わたし〉が両手で耳を澄まして知ることが共感に他ならず、そんな〈あなた〉を知ろうとすることが、〈わたし〉らしさなのかもしれません。※

初稿 2023/12/16
写真 「晨」朝倉響子, 1966.
撮影 2023/04/23(東京・都立図書館)
注釈 ※)α44F「晨」朝倉響子, 1966.


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