Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

§29「子供の宇宙」 河合隼雄, 1987.

2014-10-03 | Book Reviews
 「所詮、こんなものである」と語ってしまうとき、成長は期待できないことが多いような気がします。

 決して冒してはならない領域であったり、秘密や畏怖の念が無意識裡にあるとき、ひとは謙虚になり、相手の気持ちを汲むのかも知れません。

 相手の気持ちを汲もうとするがゆえに、予測が難しいからこそ偶然性や因果律に囚われることのない実存を了解せざるを得ないような気がします。

 とはいえ、夢のなかで鯉と出逢うとき、それは成長や幸運の暗示であったり、その纏う色や大きさ、群れ具合によって示唆する意味も様々だそうです。

 ひょっとしたら、経験の多さだけが成長につながるとは限らず、なんらかの兆しを察知する感受性でもって然るべき時に成すべきことを果たそうとするときが成長の兆しなのかもしれません。

初稿 2014/10/03
校正 2021/01/21
写真 纏う色に染まる光景
撮影 2010/05/02(岡山・後楽園)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする