Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

誤認逮捕

2006年02月28日 23時31分43秒 | 時事・社会
外国人と間違い日本女性を逮捕 埼玉県警、即日釈放

埼玉県警川口署は27日、旅券不携帯の外国人として入管難民法違反
容疑で逮捕した同県川口市の無職女性(28)が、その後の捜査で日本
人と判明したため釈放した、と発表した。
同署によると、女性がアジア系の外国人に見えたことや、ポルトガル語
が書かれた封筒を持っていたことなどから、日本人ではないと判断した
という。
パトロール中の署員が25日午後7時40分頃、川口市内の路上で女性を
見つけて職務質問。女性は当初「日本人です」と答えたが、さらに質問
すると何も話さなくなったという。身元確認ができないため、26日午前
5時過ぎに逮捕状を取って逮捕。女性の母親(58)の証言で日本人と
分かり、同日午後7時20分に釈放した。
                        (中国新聞 2月28日朝刊)


「外国人に見える」だけで逮捕されるなんて、恐ろしい話です。
今日はこのネタで行こうと思って、ネットで検索してみましたが、なぜか
Web上では記事が見つかりませんでした。
永田議員のメール問題なんかより、市民にとっては大事な問題だと思う
んですけどねえ・・・。
もっと恐ろしいことに、誤認逮捕は決して少なくないんです。今回のよう
に表に出てくることは稀ですが。
今回の女性は、そんなこと露にも思ってなかったでしょうし、入管難民法
や外国人登録法のことも知らずに、怒って答えなかったんでしょうね。
もちろん、素晴らしい警察官も大勢いますし、いつもチャランポランなこと
ばかりやってるわけではないでしょうが、かといって警察は常に市民の
味方で絶対安心、とは限らないと認識しておかないといけません。
悲しいことですが・・・。

Pentiment

2006年02月27日 15時11分02秒 | 『いま、会いにゆきます』
私にとっての昨年来の大ヒット映画『いま、会いにゆきます』の
サウンドトラックは、いまだに愛聴しています。DVDの本編は、
実は購入後一度も見ていなかったりするのですが、サントラを
聴くだけで映画の情景が目に浮かび、今も胸が熱くなります。
でもそのサントラ、実は重要な場面の音楽が漏れています。
巧の2度目の回想で澪とひまわり畑で再開するシーンと、澪が
永瀬を呼び出すシーンです。別に出来が悪いとも思わないし、
時間が足りなくてカットしたわけでもないし、何でかな?と
思っていたら、サントラ収録曲の他にも「組曲」がある、という
話を聞きまして、先日ようやくそのCDを入手しました。
松谷卓の『Pentiment』です。
組曲ですから、映画で使われたそのままではありませんが、
サントラには無いフレーズも含まれてて、まあ「外れ」では
ありませんでした。
正直に言うと、AC(公共広告機構)のCMに使われた「木漏れ
日」という曲が一番良かったのですが。(でもこの曲も、映画
で流れてたような気がしてなりません。)

このところ疲れ気味で、風邪もなかなか治らないので、一緒に
歌うポップス系よりもクラシック系のほうがお気に入りです。
まあでも、そろそろ体力回復させて、喉のリハビリもしなきゃ。
イースターには「ハレルヤ」を歌わなきゃいけないので。

二・二六事件

2006年02月26日 22時45分46秒 | 日記、雑感
1936年2月26日、大雪の東京を血に染めた「叛乱」から今日で70年
なんですね。(と感慨深げな書きぶりですが、もちろんその頃には
私はまだ生まれていません。)
陸軍上層部の「統制派」と「皇道派」の権力闘争に利用された面、
「天皇親政」が実現すれば社会矛盾が一掃されると夢見た、青年
将校らの未熟さ、所詮は軍国主義・国家主義の枠の中での「内紛」
に過ぎなかった点などは批判されるべきでしょうが、それでもつい
つい、不況と凶作に苦しむ庶民への共感と、政治腐敗への怒り
から決起した青年将校たちには、同情してしまいます。
その行動には賛同できませんし、成功していれば世の中が良く
なっていたか、歴史が変わったか、分かりません。(そういう問い
自体、ナンセンスかも知れません。)単に「敗軍の将」に惹かれる
判官びいきかもしれませんが、それでも幕末の「草莽の志士」より
彼らのほうが、私は心を許せます。(甘いんだろうな・・・。)
『帝都物語』にも出てきたこともあり、学生の頃は北一輝にも興味
を持っていました。事件の「理論的首謀者」として処刑されました
が、実際はほとんど関与していなかったようです。その思想に
対する評価は定まっていないようですね。右翼のレッテルを貼られ、
取り上げること自体タブーとされていたようです。私が見たところ、
中心は「統制経済」で、事件後の戦時体制は実はそれを地で行く
ようなものだったわけですが、当時としては「革新的」な要素も
含まれていたので、軍部への批判をそらすためのスケープゴート
にされたようです。
ちなみに、事件鎮圧に当たったのが、満州事変の首謀者だった
石原莞爾です。そして青年将校の指示に従った兵士たちは、
その後満州の最前線に送り込まれ、多くが悲惨な最期を遂げて
います。
そういえば高校生の頃、笠原和夫原作・五社英雄監督の『2/26』
という映画を見ました。銀落としの映像がきれいだったのと、主要
人物が網羅されてて設定にフィクションを含まないのが良かった
のですが、原作を読んでないとついていけない展開と、ラストで
三浦友和が叫ぶ「天皇陛下万歳」にはがっかりしました。

金メダル獲得・・・

2006年02月24日 23時20分19秒 | 時事・社会
フィギアスケート女子の荒川静香選手、見事な演技でした。
金メダルおめでとうございます。これで「しずちゃん」(南海
キャンディーズ)より有名になれますね。(って、何のこっちゃ)
で、こういうことを書くと彼女の努力とその成果とに水を差す
ようで申し訳ないのですが、私は今回のトリノ五輪で日本は
1つもメダルを取れずに終わったほうがよかったのではないか
と今でも思っています。
オリンピックをはじめ様々な大会で繰り広げられているのは
「競技」です。「スポーツマンシップ」とか言ってますが、どう
見ても私には「スポーツ」とは思えません。
「向上心」が「他者より上位に立つこと」にすり替えられて、
勝ち負けにこだわるのって、否定はしませんが、それが全て
というのは違うと思います。
オリンピックは元来、「都市対抗戦」なんですよね。今でも
開催地は「国」ではなく「都市」で決めるのはその名残です
が、それを国威発揚・ナショナリズムの体現の場と変えた
のが、'36年ベルリン大会のヒトラーです。
それを踏まえつつ、それでも「日本代表」を推すのなら、
ふがいない結果に対してはもっと国民から批判が出ても
おかしくないと思うのですが。今回叩かれたのは、スキー
ジャンプNHの原田雅彦選手くらいですよね。
(彼の場合、そもそも代表に選ばれたこと自体がおかしい
訳で、選んだ以上は競技団体やJOCの責任でしょうに。)
今回日本勢の「成績」が振るわないのは、前々回の長野
大会と2年前の夏のアテネ大会のメダルラッシュに勘違い
した関係者の、強化・育成の失敗が原因です。特に冬は、
元々そんなにメダルなんて取れてなかった上に、不況の
あおりなどで競技人口が減ってレベルも下がってる訳です
し。勝つことがそんなに重要なら、勝つための準備をして
おかないといけない筈ですよね。それは関係者だけでなく、
見る側もそういう目で見てないといけない、ということでも
あります。競技者はアイドルではないのですから。
で、私が今度のオリンピックを覚めた目で見ているのは、
それが日本社会全体にも通じる問題を含んでいるように
思えるからです。以前から兆候はありましたが「小泉改革」
によっていよいよ本格化した「競争社会」って、オリンピック
と似てると思いません? オリンピックの場合は選ばれた
「勝ち組」たちの大会ですが、そこでもトップ3に入ることが
全て。負けたらおしまい。シビアな世界です。
それでも代表になれた選手は、たとえ負けても国内では
大事に扱われますが、選ばれなかった選手はほとんど
見向きもされません。
「競争社会」も結局はそういうものなのです。「競争に負け
てもやり直せる仕組みを作る」とか言ってますが、それじゃ
「競争」にならないという批判が必ず出てくるでしょう。
もしメダルを取れずに終わっていれば、「競争」の厳しさを
国民が再認識し、「優しい社会」へ舵を切りなおす契機に
なったかも知れないのに、と思うと、荒川選手には申し訳
ないですが、金メダルが多少恨めしくもあります。
有名人好きの小泉首相が、早速アプローチしてるみたい
ですしね。さすがにもう国民も騙されないと信じてますが。

Wink

2006年02月23日 23時52分03秒 | 音楽
今日仕事をしながら、2月22日はWinkの鈴木早智子の誕生日だった
気がして、さっき調べたらやっぱりそうでした。
世間的には「元Wink」なのでしょうが、一応「解散」ではなく「活動停止」
だったので、「元」は付けておりません。

Winkとの出会いは、前に「スケバン刑事」に書きましたが、南野陽子
主演のドラマ「熱っぽいの」(1988)を通してです。第一話が終わった後、
見知らぬ女の子2人がそそくさと出てきて、「主題歌CDをプレゼント」と
言っていたのが、彼女たちを見た最初でした。
そのデビュー曲「SUGAR BABY LOVE」はThe Rubettesというイギリス
のバンドが1974年に出した曲のカバーで、その後Winkがリリースする
シングル・アルバム共に大半の曲が洋楽(それもヨーロッパ系が中心)
のカバーでした。時あたかもバブルの真っ最中。「ジュリアナ東京」の
ようなディスコが大ブームとなった時代に、いわゆる「ユーロビート」を
お茶の間にまで届けたのが、彼女たちでした。
3dシングル「愛が止まらない ~Turn It Into Love~」が、これまた南野
主演のドラマ「追いかけたいの」(同)の主題歌となり、年が明けてから
大ヒットしました。
でも、その頃私は高校受験の真っ最中で、実はテレビで彼女たちが歌う
のを見たことはありませんでした。
初めての「生Wink」は'89年4月1日、「博多駅まつり」のゲストで福岡に
来て、ミニライブをやった時です。通常では考えられない超大物ゲスト。
多分ブレイクする前に予定組んじゃったんだろうな。で、彼女たちの生の
歌声を聞いて、天地がひっくり返るような衝撃を受けました。「これなら
私のほうが上手い」と思った最初の歌手でした。でも、売れる前から
知っていたので妙な親近感もあり、「成長を見届けてあげたい」と憐れむ
気持ちが心に芽生えたのでした。

本人たちの歌唱力はともかく、カバーの選曲のセンスもオリジナル曲の
クオリティも、意外と高いんですよね、Winkって。「一億総アイドル」の
行き着く先、バブル期だから存在できたとも言えるかも知れませんが、
作り手は結構力入れてたんだろうと思います。ただ、'90年代に入って
日本のポップシーンは大きく変わりましたからね。彼女たちの成長以上
に周りのレベルが上がってしまったように思います。
近年何かと批判される「レコード大賞」と「紅白歌合戦」の「転換点」も
彼女たちだったかも。でも'89年のレコ大受賞は、プリンセス・プリンセス
が出場辞退した時点で妥当な結果だったと思います。受賞曲が「愛が
止まらない」ではなく「淋しい熱帯魚」だったことを除けば。

そういえば、一度消えかかった'92年、映画「ゴジラvsモスラ」に小美人
(かつてザ・ピーナッツが演じた妖精)役で出演、という噂が流れました。
CMソングとなった「咲き誇れ愛しさよ」のスマッシュヒットで仕事が増え
たからか、立ち消えになったようですが。
 (記憶が1年ずれてました。
「咲き誇れ愛しさよ」は'93年です。'92年には、ザ・ピーナッツの歌でも
「モスラの歌」ではなく「ふりむかないで」をカバーしてました。)

話がどんどん脱線してますが、Winkを通して、幅広い洋楽に触れること
になりました。好きな歌手が歌ってれば自然と曲も好きになります。
ただ、以前「洋楽との出会い」で書いた通り、耳が悪い私は外国語が
聞き取れません。それで、私の音楽の聴き方は、詞ではなくメロディー
重視になっていきました。構成も複雑でなくてとっつきやすく、親しみが
持てる曲、落ち着いて聴ける曲を好むようになりました。
今思えば、こうして準備万端整ったところで、チューリップと「運命の
出会い」を果たしたと言えるかも知れません。

猫・ネコ・ねこ

2006年02月23日 02時49分59秒 | 日記、雑感
昨日2月22日は(って、最近そんな記事ばっかり)「猫の日」でした。
2・2・2だから「にゃんにゃんにゃん」って、ちょっと苦しい気がしますが。
プロフィールにも書いてる通り、私は猫が大好きで、猫の写真もよく
撮ってますが、考えてみるとWeb上で公開したのは、05年5月9日の
記事「春眠」に載せた1枚きりでした。
そこで今日は、何枚かまとめてご紹介。


庭で鎖につながれた猫@稲城市。なんか可哀想。


目つきの鋭い猫@うちの近所。


「何だよテメエ」


でもちょっと警戒・・・。


緑色に光る瞳・・・って、フラッシュのせいです。@水木しげるロード。


竹島の日

2006年02月22日 23時15分13秒 | 時事・社会
昨年3月に島根県が制定した「竹島の日」を初めて迎えました。
韓国政府は島根県が記念式典を行なったことに遺憾の意を表明
したものの、抗議行動などは比較的小規模にとどまったようです。

島根県議会が条例を可決した昨年3月16日、私はちょうど出張で
島根県大田市におり、ホテルのテレビでニュースやワイドショーを
見てましたが、地元と在京キー局の放送内容、出演者の認識の
あまりの落差に愕然としたものです。
考えてみれば、ワイドショーをはじめ全国ネットの番組のほとんど
は、お笑い系の人気タレントに、いつも同じ顔ぶれの評論家や
ジャーナリスト、良心的な番組でもせいぜい系列紙の解説委員
が加わるくらいで、その問題の専門家が時間をかけて説明したり、
一堂に会して論じ合うようなものは「政治討論」系を除いて、まず
見当たりません。たまたま入った仁摩町(現大田市)の図書館で
竹島関連の書籍のコーナーを見つけて読んだ本のほうが、よほど
分かりやすく勉強になりました。

竹島問題は地元では、第一義には漁業問題です。
当時某キー局は、松江市の街頭で道行く人にインタビューして、
「(竹島を)知らない」というコメントを取って繰り返し流し、「日本
では(地元でも)関心は低い」などと自分たちの無関心・無知を
免責・正当化する開き直りぶりを示してましたが、漁業関係者
や経済界にとっては深刻な問題なのです。
政府間でもこの問題は事実上棚上げのままきていますが、日韓
漁業協定によって竹島周辺は「暫定水域」という共有域となって
います。しかし韓国の警備艇が日本の漁船を近づけない一方、
韓国側は乱獲を続けているそうです。業を煮やした自治体が、
注目を集めて世論を喚起し、陳情に耳を傾けない政府を突き上げ
るために条例制定という政治問題化に踏み切ったというのが実情
です。
この問題は単に竹島水域や島根県の問題でなく、昨年来何かと
騒がれる中国の公害問題も合わせて、日本近海全体の環境・
水産資源問題として早急に取り組まないと、手遅れになりかね
ません。とはいえ、一方で中国にどんどん車を売っている現実も
あります。領土問題でも経済問題でも、自尊心や利己心だけで
突っ走ってると、いつか大きなしっぺ返しを受けることに思いが
至らないのでしょうか。

竹島の帰属問題については私もまだ勉強中なので、後日改めて
取り上げることにしますが、「論争」を見ていると、お互い相手の
主張を全否定して自説を述べるだけで、相手に納得させるような
「反証」も、自説の自己検証も十分なされていないように思われ
ます。
「竹島の日」制定を契機とする韓国・中国の反日「暴動」以降、
「日本人なら日本に不利になることを言うな。」とか「日本には
日本の歴史がある。外国が口出しするな。」といった主張も目に
つくようになりました。おかしな話ですけどね。
韓国人も韓国に不利なことを言わなければ、いつまで経っても
議論は平行線です。現状のままが望ましいということでしょうか。
それとも、戦争をしたくて仕方が無いのでしょうか。
歴史相対主義を主張するなら、自分たちの歴史観の絶対化とは
相容れません。
結局のところ、「外圧」を反発材料として逆の形で利用している
だけで、「思想」は無いんですけど、なぜか受けるんですよね。
まあ、あんまり言うと大衆を「愚民」などと見下す人たちの仲間
入りしちゃいそうなので、この辺で。

詳報

2006年02月21日 23時31分15秒 | 音楽
コメントにちょこちょこ書いてましたが、改めてご紹介。

小沢健二のニューアルバム『Ecology of Everyday Life 毎日の環境学』
 2006.3.8 Release TOCT-25930 3,059(tax in)
東芝EMIのサイトにも載りました。
 http://www.toshiba-emi.co.jp/vmc/artist/ozawa.htm
ジャケットに、本当にうさぎが書いてある・・・。笑っちゃいました。

チューリップのライブ中止の告知も、財津氏のサイトに掲載されてます。
以下、転載いたします。

 いつもご声援いただきありがとうございます。

 2006年もTULIPのツアーを行うとお知らせしておりましたが、
 2007年の「TULIP35周年」に向けて、
 オリジナルアルバムの制作に専念するため今年のツアーは
 中止させていただくこととなりました。

 当初の発表を変更することになりましたことを、
 深くお詫び申し上げます。

 本当に久し振りのオリジナルアルバム制作に、メンバー全員
 近年になく盛り上がっています。こんなチャンスはもうこない
 かもしれないと一致団結の様子は、バンドならではのものでした。

 18年振りのオリジナルアルバム、
 そして35周年ツアーにご期待ください。

ということで、2007年のツアーの予告までしていただきました。
楽しみに待ちたいと思います。
ん? それだと娘は連れて行けないじゃん・・・。その次もぜひやって
下さいね。



58歳

2006年02月20日 23時03分10秒 | 音楽
またまたうっかりしておました。
昨日2月19日は、私の最も敬愛するアーティスト・財津和夫氏の
58回目の誕生日でした。
最大のライバル・小田和正と同学年なんですね。知らんかった。
(私の母とは1歳違い)
まあしかし、お二人とも現役で頑張っておられて、すごいです。
というか、うちの両親もまだ現役ですが・・・。
私も20年後、30年後もあんな風に輝いていられるかな?

そういえば、チューリップが最初に再結成した'97年に還暦を迎え、
その記念のトリビュートアルバムにチューリップも参加していた
加山雄三も現役バリバリで、今年は全国ツアーをやってますね。
先日キャンペーンで広島に来て、ラジオで喋ってたのを聞きました
が、あのお方も尊敬します。ほんとに変わらないですね。
今の若いアーティストたちも後に続いてほしいものです。
(何だか年寄りじみた結びになっちゃった。私もまだ若いつもり
なんだけどなぁ・・・)

心の問題? その4

2006年02月20日 22時30分37秒 | 時事・社会
前回紹介したアメリカ合衆国憲法修正第1条は、「信教上の自由な
行為」まで保障しています。一方、日本国憲法第20条は、内心の
自由は無条件に保障するが、行為は「公共の福祉に反しない限り」
という制約を受ける、というのが通説です。ですから、米国の某高官
が小泉首相の靖国参拝は「信教の自由の範囲内」と発言したのを
引き合いに出して正当化するのは、両国の法体系や宗教観の違い
を無視したものと言わざるを得ません。
ちなみに、米国政府全体としては、この問題に懸念を持っていると
非公式に伝えられていたことが報道されていました。中韓両国との
「摩擦」に留まらず、北朝鮮との交渉にも影響し、「同盟国」からも
不安がられて、「公共の福祉に反しない」と言えるのか、小泉首相
の見解を聞きたいものです。(もっとも、東アジア地域が安定せず、
米国抜きのアジア諸国連合体の構想が破綻することが、この地域
への影響力を保持したい米国の本音、との見方もありますが。)

「心の問題?」と題して長々と書いてきましたが、私が小泉発言に
引っかかった一番の理由が、この「信教上の行為」の問題です。
前回は第20条のキリスト教的背景を強調しすぎたきらいがありました
が、本来、宗教というものはアイデンティティの確立に欠くべからざる
ものであろうと思います。「無宗教では世界に通用しない」と言われる
所以です。ですから、それを個人の内面だけに留めておくこと自体、
無理があると思われます。イスラムはもとより、キリスト教も仏教も、
「内面の平穏」に留まらず、日常生活や社会規範にも影響を与える
ものなのです。「竹庵雑記」の「文明の衝突」と題した連載記事で、
イスラムについて詳しく紹介されていますが、「イスラムは単なる宗教
ではない」というよりは、そうした「宗教」の定義のほうが誤っている
と言えるかと思います。
それならなぜ、私が小泉首相の靖国神社参拝に反対するのか、と
言いますと、これまでにも何度も書いてきた政教分離の問題、「国家
神道」との訣別という日本国憲法の大前提に関わる問題だからです。
これも前回紹介した『ウィキペディア』の「信教の自由」の定義に、
こうありました。
3.特定の宗教を信仰していたり、していなかったりすることによって、
 いわれのない差別を受けることのない権利。
しかし戦前の日本は違いました。「神社は宗教に非ず」とされ、神道
信仰は国民に強制されました。その名残が今でも「公の宗教と私の
宗教」などという思想に残っています。
自衛官合祀拒否訴訟で最高裁が原告逆転敗訴判決を出した時の
「隊友会にも信教の自由はある」「宗教者には寛容の精神が必要」
という逆立ちした理論の背景にも、個人の内面の「私の宗教」と
それを超えるものとしての「公の宗教」という二重基準が、多くの
日本人に受け入れられているという現実があります。
けれどもそれでは、「信教の自由」は守られないのです。小泉首相
個人の思想の内容に関わらず、国家の指導的立場にある人間が
靖国神社に参拝すること自体、「公の宗教」を推進し個人の権利を
侵害する勢力に利することになるのです。
パフォーマンスが得意な小泉首相なら、自身の行動がどういう影響
を与えるか、分からない筈は無いのですがね。