Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

二・二六事件

2006年02月26日 22時45分46秒 | 日記、雑感
1936年2月26日、大雪の東京を血に染めた「叛乱」から今日で70年
なんですね。(と感慨深げな書きぶりですが、もちろんその頃には
私はまだ生まれていません。)
陸軍上層部の「統制派」と「皇道派」の権力闘争に利用された面、
「天皇親政」が実現すれば社会矛盾が一掃されると夢見た、青年
将校らの未熟さ、所詮は軍国主義・国家主義の枠の中での「内紛」
に過ぎなかった点などは批判されるべきでしょうが、それでもつい
つい、不況と凶作に苦しむ庶民への共感と、政治腐敗への怒り
から決起した青年将校たちには、同情してしまいます。
その行動には賛同できませんし、成功していれば世の中が良く
なっていたか、歴史が変わったか、分かりません。(そういう問い
自体、ナンセンスかも知れません。)単に「敗軍の将」に惹かれる
判官びいきかもしれませんが、それでも幕末の「草莽の志士」より
彼らのほうが、私は心を許せます。(甘いんだろうな・・・。)
『帝都物語』にも出てきたこともあり、学生の頃は北一輝にも興味
を持っていました。事件の「理論的首謀者」として処刑されました
が、実際はほとんど関与していなかったようです。その思想に
対する評価は定まっていないようですね。右翼のレッテルを貼られ、
取り上げること自体タブーとされていたようです。私が見たところ、
中心は「統制経済」で、事件後の戦時体制は実はそれを地で行く
ようなものだったわけですが、当時としては「革新的」な要素も
含まれていたので、軍部への批判をそらすためのスケープゴート
にされたようです。
ちなみに、事件鎮圧に当たったのが、満州事変の首謀者だった
石原莞爾です。そして青年将校の指示に従った兵士たちは、
その後満州の最前線に送り込まれ、多くが悲惨な最期を遂げて
います。
そういえば高校生の頃、笠原和夫原作・五社英雄監督の『2/26』
という映画を見ました。銀落としの映像がきれいだったのと、主要
人物が網羅されてて設定にフィクションを含まないのが良かった
のですが、原作を読んでないとついていけない展開と、ラストで
三浦友和が叫ぶ「天皇陛下万歳」にはがっかりしました。

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