今日は通勤時のBGMに『怪獣行進曲』をかけました。
「怪獣音楽」なんてジャンルはありませんが、伊福部昭氏には
そんな呼び名がぴったりな気がします。
もちろん、彼が日本を代表するクラシック作曲家であることも、
怪獣物以外の映画でも数々の名作を手がけたこともよく知って
います。でも『ゴジラ』をはじめとする怪獣映画での功績こそ
彼を彼たらしめたというか、彼以外には誰もなし得なかったで
あろうと思います。
東宝特撮ではもう一人、佐藤勝氏も忘れてはいけませんが、
伊福部氏の『ゴジラ』での成功がなければ彼の仕事も無かった
でしょう。
最近では『ゴジラvsビオランテ』のすぎやまこういち氏が結構
よかったのですが、1作限りだったのが残念です。
伊福部氏のクラシック作品は、「タプカーラ交響曲」などを収めた
『管弦楽選曲集』と、「日本狂詩曲」や「土俗的三連歌」などを
収めた『交響作品集』の2本のテープを持っています。
あとは『怪獣行進曲』をはじめ東宝特撮物のCDが4枚ほどです。
なにせ多趣味(浮気者)なもので、伊福部氏のコレクションまで
は手が回りませんでした。
追悼アルバム出るのかな?そしたら買わなきゃ。
『ゴジラ』の生みの親、東宝の田中友幸プロデューサーが、
「怪獣という『嘘』を本当らしく見せるためには、本物の音楽が
できる人でなくては駄目だ」と伊福部氏を口説き落としたと
伝えられていますが、「ゲテモノ」「子供向け」だからといって
手を抜かず、日本映画史に残る名作に仕上げたその心意気と
力量は本当に素晴らしいと思います。(それを見抜いた田中
プロデューサーもですが。)
ちなみに『ゴジラ』は、ヒットはしましたが公開当時は各方面
からボロクソに酷評されてました。日本初の怪獣映画であり、
自衛隊が発足し、経済白書に「もはや戦後ではない」と書か
れた時代の転換期でしたから、評価が難しかったこともある
でしょうが、『東京物語』や『七人の侍』『羅生門』など、日本
映画を代表するような名作が次々作られていた時代であり、
みんな目が肥えていたから『ゴジラ』が駄作に見えたんだろう
な、と思います。
伊福部氏の「怪獣音楽」の基本は、「ライトモチーフ」と呼ばれ
る怪獣の「テーマ曲」です。ファンには「ゴジラの恐怖」として
知られる曲をはじめ、それぞれの怪獣を表現する曲があり、
それに対抗する人類側のマーチがあって、その組み合わせ
で作品が展開していきます。「ゴジラの恐怖」は『キングコング
対ゴジラ』のメインテーマとされていますが実は第一作の中で
既に使われています。『怪獣大戦争』のマーチもそうです。
同じ曲をしつこいくらい繰り返し、音楽と怪獣を一体化させて
観客にイメージを植え付けていきます。
その音楽は、迫力と同時に温かみのあるオーケストラ演奏
です。
彼は単にクラシックをやっていたというだけではなく、北海道
に生まれ育ち、森林事務所に勤めるなど、大自然に囲まれ
向き合っていました。そこで育まれた感性、そして音楽表現
が「怪獣音楽」にも遺憾なく発揮されているのです。
しかも彼は、広いスタジオにオーケストラを配し、スクリーンに
ラッシュ(編集前の映像)を映しながら演奏・録音するという
昔ながらのスタイルを晩年まで貫き通しました。「効果音」で
はなく「音楽」だということにこだわり続けた方でした。
だから「平成ゴジラシリーズ」でも、往年と変わらぬ伊福部節
を堪能することができました。
『ファイナル ウォーズ』は散々な出来でしたから、もう一度
原点に回帰した、ラストに相応しい作品を作って、伊福部氏
に音楽を担当してほしかったのですが・・・本当に残念です。
「怪獣音楽」なんてジャンルはありませんが、伊福部昭氏には
そんな呼び名がぴったりな気がします。
もちろん、彼が日本を代表するクラシック作曲家であることも、
怪獣物以外の映画でも数々の名作を手がけたこともよく知って
います。でも『ゴジラ』をはじめとする怪獣映画での功績こそ
彼を彼たらしめたというか、彼以外には誰もなし得なかったで
あろうと思います。
東宝特撮ではもう一人、佐藤勝氏も忘れてはいけませんが、
伊福部氏の『ゴジラ』での成功がなければ彼の仕事も無かった
でしょう。
最近では『ゴジラvsビオランテ』のすぎやまこういち氏が結構
よかったのですが、1作限りだったのが残念です。
伊福部氏のクラシック作品は、「タプカーラ交響曲」などを収めた
『管弦楽選曲集』と、「日本狂詩曲」や「土俗的三連歌」などを
収めた『交響作品集』の2本のテープを持っています。
あとは『怪獣行進曲』をはじめ東宝特撮物のCDが4枚ほどです。
なにせ多趣味(浮気者)なもので、伊福部氏のコレクションまで
は手が回りませんでした。
追悼アルバム出るのかな?そしたら買わなきゃ。
『ゴジラ』の生みの親、東宝の田中友幸プロデューサーが、
「怪獣という『嘘』を本当らしく見せるためには、本物の音楽が
できる人でなくては駄目だ」と伊福部氏を口説き落としたと
伝えられていますが、「ゲテモノ」「子供向け」だからといって
手を抜かず、日本映画史に残る名作に仕上げたその心意気と
力量は本当に素晴らしいと思います。(それを見抜いた田中
プロデューサーもですが。)
ちなみに『ゴジラ』は、ヒットはしましたが公開当時は各方面
からボロクソに酷評されてました。日本初の怪獣映画であり、
自衛隊が発足し、経済白書に「もはや戦後ではない」と書か
れた時代の転換期でしたから、評価が難しかったこともある
でしょうが、『東京物語』や『七人の侍』『羅生門』など、日本
映画を代表するような名作が次々作られていた時代であり、
みんな目が肥えていたから『ゴジラ』が駄作に見えたんだろう
な、と思います。
伊福部氏の「怪獣音楽」の基本は、「ライトモチーフ」と呼ばれ
る怪獣の「テーマ曲」です。ファンには「ゴジラの恐怖」として
知られる曲をはじめ、それぞれの怪獣を表現する曲があり、
それに対抗する人類側のマーチがあって、その組み合わせ
で作品が展開していきます。「ゴジラの恐怖」は『キングコング
対ゴジラ』のメインテーマとされていますが実は第一作の中で
既に使われています。『怪獣大戦争』のマーチもそうです。
同じ曲をしつこいくらい繰り返し、音楽と怪獣を一体化させて
観客にイメージを植え付けていきます。
その音楽は、迫力と同時に温かみのあるオーケストラ演奏
です。
彼は単にクラシックをやっていたというだけではなく、北海道
に生まれ育ち、森林事務所に勤めるなど、大自然に囲まれ
向き合っていました。そこで育まれた感性、そして音楽表現
が「怪獣音楽」にも遺憾なく発揮されているのです。
しかも彼は、広いスタジオにオーケストラを配し、スクリーンに
ラッシュ(編集前の映像)を映しながら演奏・録音するという
昔ながらのスタイルを晩年まで貫き通しました。「効果音」で
はなく「音楽」だということにこだわり続けた方でした。
だから「平成ゴジラシリーズ」でも、往年と変わらぬ伊福部節
を堪能することができました。
『ファイナル ウォーズ』は散々な出来でしたから、もう一度
原点に回帰した、ラストに相応しい作品を作って、伊福部氏
に音楽を担当してほしかったのですが・・・本当に残念です。